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出会い
春、数学準備室で寝ていた私に、
先生は恋したんでしょ
「おい」
「え」
「え、じゃないだろ」
白衣着て、無精髭生やしたおじさんが私の横に立って、声を掛けてきた。
「だれ?」
「だれ?じゃないだろ」
「だってうちの学校にはこんな人いない」
「今日から赴任してきたんだよ。村江航」
あーなるほど、私のパラダイスはこいつの手によって壊されるのか
「ぼーっとしてないで、早く出てけよ。ここは生徒が寝るための部屋じゃねーよ」
「数学の先生たちでここ使う人いなかったので、ごめんなさい。」
また別のとこ探すか。
「お前さ、何年何組?」
「秘密です。」
面倒事になりそうだ、逃げよう。
小走りで数学準備室を出る。
窓から心地よい風が入り込んでくる。
良いお昼寝日和だったのにな。
おい、という声が聞こえたが追っては来ない。




