モテて困ったシーソーゲーム
〈桜まつり、ご家族とお花見宴会ですか?〉
〈そだね~。初日は職場の人と宴会したよ〉
〈楽しそうですね!ご家族とは何曜日に行きますか?〉
〈土曜かな〉
〈僕もです!そのとき会えませんか?〉
〈いいよ~きっちゃんとよっしーも来るのかな〉
〈いえ、二人で会ってお話しませんか?〉
あれれ?やっぱりい??
鑑賞会の次の日から、向日葵は優真とメッセージのやりとりをしている。この辺かなと向日葵から返信を止めるのだが、また送られてきて、途切れることなく数日続いている。
鑑賞会楽しかった、から学校、仕事の話、趣味の話、休日何しているか、だんだんと「ケーキ美味しかったです。また食べたいです」「次にこれ観たいんですけど好きですか?」「また鑑賞会しませんか?」と、ぐいぐいと向日葵へ近づこうとする内容に変わって来た。優真の指先からのアプローチだ。
駆除帰りに携帯の画面を見て固まってしまった向日葵に、桔梗が声をかけた。
「変な連絡でもあったの?」
負の経験が豊富という噂の桔梗なら、何かアドバイス…良いアドバイスはもらえなさそうだが、なにかしらヒントはもらえるかもしれない…という期待で、向日葵は「実は」と話し始めた。
「高校生に本気で好かれてしまったようで…」
「高校生?」
「知り合いの…とてもいい子なんですよ、いい子!だからこそ、どう断っていいのか…傷つけたくないし…」
モテ期が来たと喜んではいたが、あれはただ「憧れ」の対象、アイドル感覚だと思ったからで、まさか優真が本気になるとは思わなかったのだ。手を取るとかハグとか、やりすぎたのかもしれない。
余談だが、よっしーとは「マジで趣味が合う友達」になった。ちょうど今はまっている漫画が一緒だったし、今度おすすめ漫画も借りる予定だ。
「ソフトに断ったところで、多少傷つくのは仕方ないわよ。覚悟して頑張んなさい。それも成長の糧になるんだからね。その子だけじゃなくて、向日葵も」
この世の男は9割クソ理論の過激派上司のわりに、マイルドな返答であった。
向日葵としては、ぶった切る過激派理論でも何でも、今は曖昧よりはっきりした事が聞きたかった。
「で、なんで固まった?スマホ告白?」
「二人で会ってお話しませんかって」
「遊びに行こうだったら、他の子も連れてくね!で、あなたに興味はない姿勢を示せるけどね。まあ一応会って、そこで告白でもされたら優しく断るのね。あまり長引かせない方がいいわ。期待持たせたらむしろ可哀そうよ」
上司はぴっ、と刀を鞘に納めた。
役場に戻り、桔梗はお茶でもイップクがてら、休憩スペースへ向かった。
その途中、小会議室に葵と樹が見えた。
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