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守るための騎士

 兵士が駆けつけて空が夕闇に染まってから二番目に駆けつけた連絡係じゃない主力部隊に、寒くなる空に言えたことはいつくあっても、引き渡せたのは百数人の死体と、数十人の魔力に戻らない魔術で生成した魔力製の金属の拘束具であった。

「うぅ、くそぅ、なんでこんな目に」

「チキショウ、チキショウ……」

 勝手な感想だ。

「列車転覆未遂の関係者各位の創作、捕縛、尋問、ついでに各家庭への聴取は警邏隊長殿に任せます。逃亡犯は200名近くの男ばかり」

「聖騎士としてこのような案件に協力をしていいのですか?」

「構わない。徹底的に拘束して場合によっては私の名でその場で処刑してもある程度までならケツ持ちもする。同一コミュニティ内の多くに人間が多くいることから、家族の拘束も忘れないでください。私はカヴァデイルへの警戒のために待機します」

「そうですか、お疲れ様です。クロヴィス様、引き継ぎ、この調書の受取を確認しました」

「兵士も集まってきたようだな。一旦声をかけさてもらうが、構わないか?」

「どうぞ」

 この職務だって復讐のための手段として割り切るべきだった。こんな真面目に仕事をして、復讐の手段のために復讐のターゲットを追えないんじゃ、復讐に職務という理由をつけて、任務を遂げたら錦の旗を飾って故郷に帰れるようにしてもたった仲間達の気遣いの意味がないだろう。

「兵士のみんな! よく駆けつけてくれた各自作業と警戒を続けたまま話を聞いてくれ!」

「聖騎士……!」

「私は聖騎士クロヴィス・カンビオン! 無辜の民を守るための騎士だ。それに対して君たちは秩序を守るための兵士だ! 我々の正義は形は多少異なるが、今回の爆弾魔は我々が全てを投げ売って戦わねばならぬ絶対的な邪悪である! 皆の力を化してもらうことを心より感謝して、心して聞いてほしい!」

 ヴィンセントさんが急いで連絡を回したところで、検問を広げるより包囲網をカヴァデイルがそれを突破する速さの方がどう考えても速い。なら、拡大するのは広げた検問の包囲網の範囲内に隠れ家がある可能性を考慮してのことか?

「当現場から逃亡したのは男性200名近く、彼らは皆捕縛して処刑しなくはならない!」

 ――ざわざわと、一部動揺する。

「彼らの列車転覆が成功していたら関係のない多くの市民が死ぬことになっていただろう! それは、無差別で、理不尽な虐殺行為である! 我々の正義は虐殺者を一人たりとも許さない!」

 馬鹿か? そんな場所があったとしても捨て置くだろうがッ!

「その虐殺者たちは市政で人気のエドワード・キッカーとその一味、キッカーファミリーを抱き込み、不要となれば不殺を掲げた義賊を爆殺して逃亡ときた! 奴らは、市民の的であり! 秩序の敵であり! 正義の敵の虐殺者だ! 我々はあらゆる立場の人々にとっての敵を許さない! かの悪名高きカヴァデイルもその虐殺者たちに名を連ね! エドワード・キッカーをお取りにして爆殺した張本人である! やつは絶対的な悪党だ! そして強い! 故に私はメディテュラニス連邦本国より駆けつけ! やつを仕留めにきた!」

 なんだか、静かに感じる。なんだ、お前ら、作業をとめて僕の話を聞くんじゃないよ。

「皆! 心せよ! 200人の虐殺者に一人、私に匹敵しえる強さを持つ大悪党を持つことを、しかし、覚悟せよ! 200人の逃亡者は秩序と、市民と、正義の敵であることを!!」

 一拍、黙ってしまうと兵士たちが鼓舞するような声を上げる!

「皆の健闘を祈る! えいえいッおおおお!!」

 ――――――うおおおおおおおおおオオオッっ!! 

 あまり、まとまりはないが兵士たちの士気は高いようだ。安心した。

 もどり作業を始めると。大きな棺のような大きさの入れ物を背負って、彼女が僕の下へ駆けつける。

「ルイス、いや、今はクロヴィスって方がいいのかな? 例の魔槍を持ってきた」

「ご苦労、……アンビーお前は市庁舎で待機してていいぞ」

「いいの? それはそうと、ニミーブ家の刀匠の爺さんが本国から運ばれた魔弓の調整をしている。場合によっては届いたそれをお前に届ける。どっちみち、待機する必要がありそうだけどもね」

「僕の位置はある程度なら絞れるな?」

「えぇ、その魔槍の魔剣としての魔力はプロフェッショナルからしてみたら割と目立つ」

 受け取って、魔槍をかついで同じ方向へ一旦戻る。 

「相手が超一級の戦闘能力をもった爆弾魔だ。それを殺すために私はここにいる」


 市庁舎に戻って執政官といくつか会話したあと、なにやら怪文書の版画を掘っているアンビーの手元の鏡文字がよく読めなかったが、なにか業者を呼んで真ん中の文書を囲んで同じものを一緒に数枚つくっているようだ。それの横を通ってエントランスに行こうとすると彼女に声をかけられる。

「どこへ行くの?」

「勇者の後始末をつけに」

「……勇者因子のこと? あんな高いものを誰か移植したの」

「違う」

「違うのね」

 作業が一段落ついたのか、木板を削ってこぼれた塵屑を彼女は箒で集めて、ゴミ箱にザラザラと注ぐように流し捨てる。

「称号じゃない、本当の勇気を持つ者のことだ」

「……?」

「いい、僕が個人的に始末をつけるべきことだ」

「そう、じゃあ、私は、さっきの……を…………どうにかしとくから」

 もごもごと言うからよくわからなかったが、彼女は私生活の素行こそ最悪だが、仕事はしてくれるやつだ。僕が気にしても俺の未熟さが露呈するだけだ。

「あぁ、そうか」

 皮のカバーを纏った丸太にように太い槍を背中の留め具にひっかけて、執政官に無理言って調べてもらってまで教えてもらった仮説駐屯所に私は向かう。



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