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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
2年目
61/559

59:春休み

 学校から徒歩3分のところにあるミアシスの事務所。あまり見かけない暗証番号と指紋認証で入るドアを通って中に入る。

 少し進んだところに、大きなフロアがあって、そこがオリエンタルライムの中心部のオフィスで、地下に潜る階段と2階に上がる階段がある。

 私たちは普段、地下にあるスタジオで曲の振り合わせだとか、2階にあるスタジオでボイストレーニングとかしている。

 その両方には行かず、1階の通路をまっすぐに進む。

 お疲れ様です。それだけ言ってオフィスの中に入る。

 すぐに、お疲れ様。と言って返してくれるのはハイアスでもあり、事務員でもあるマネージャーの小村さん。


「卒業式、もう終わったん?」

「はい。特に仲のいい友だちも作らなかったんで、あっという間に」

「そんなことしとったら同窓会呼ばれへんで」

「別に気にしてないですし、たぶん、呼ばれたところでミアシス優先ですから、関係ないですけどね」


 今の私なら絶対にミアシス優先にしてしまう。そう思えてしまうほど、高校の思い出が薄い。


「そう。田村さんなら3階でミアシスとハイアスのグッズの棚卸をやってると思うで。そうか、今日からみんな休みやもんな。美桜ちゃんは実家に帰って何するん?」

「うーん、一応、前の学校の友だちと会う約束はしてますけど、尋問されること以外は何も」

「尋問って。何してきたん?」

「地元の友達に何もいわずにこっちに出てきたんで。その懺悔ですね。急に学校からいなくなりましたし。あとは、5月に全国番組出たあとに、その友達たちと入ってるラインが荒れましたから」


 あの時は凄かったなぁ。と思い出しながら小村さんと話す。


「そうなんや。えらい爆弾踏まれたな。まぁ、ゆっくりしてきぃや。ハイアスの子らも、地元の友だちと会って遊ぶっていうてたし。陽可里に関しては、雪合戦するとか言うてたしな」


 そうか。ハイアスの子たちは、みんな地方から出てきてるもんね。

 ハイアスの子達は、ものすごい元気で無邪気なんだけど、その中でも渡辺陽可里ちゃんってその中でも一番元気だしワイルド。そういえば、あの子北海道出身だから、向こうは雪が残ってるのか。


「雪合戦か。やっぱりそうなりますよね。久しぶりに会うんですから」


 そうか。みんな一回帰るんだね。地元が阪神地区の三人はどうするんだろう?沙良はなんとなく予想がつく。東京までの飛行機のチケットを早めに取ってたから、ご無沙汰になってるアイドルのライブでも行くんだろう。まぁ、人それぞれだし、ゆっくりするだろうな。


「とりあえず、田村さんに挨拶してから帰ります。新幹線もまだ時間はありますし」

「そう。じゃあ気をつけて帰りや」


 はーい。とだけ答えて、3階にあるオリエンタルライムの倉庫に向かった。

 ここにいろいろなグッズが入ってる。タオルだったりTシャツ、パーカーなど、とりあえず色々入っている。ライブの前に自分たちで卸すのはいつもの話。

 田村さんがそこにいてるのは在庫整理のため。もう年度末だしね。私も実家から戻ってきたらあわただしくなるんだろうな。まぁ、学校が無いから、朝から集中して作業できると思うけど。


「田村さん、お疲れ様です」


 3階の部屋は二グループのグッズが段ボールに入って保管されている。その中で田村さんが段ボールを一つずつ開けて中身を確認している。


「おお、お疲れさん。もう終わったんか?」

「はい。あんまりうまく学校で行かなかったんであっという間でした」

「そうか。なら、来月からオリエンタルライムの正社員だな。まぁ、美桜なら大丈夫だろう。高校も商業科出てるし、ここで1年やってくれたし、簿記も日商を2級持ってるし」


 田村さんは相当私のことを期待しているよね。そんな期待に答えられる自信が無い?


「そんなに上げないでくださいよ。まだまだ未完全ですし、田村さんに迷惑かけてばっかりでしたし」

「そんなに気にしてないって。俺も悪いところもあったし。まぁ、とにかく卒業おめでとう」

「これからも精一杯頑張ります」

「まぁ、今日から2週間は休みやな。ゆっくりしてきたらええし」

「はい。そしたら失礼します」


 静かにドアを閉めて階段を下りて行く。

 これで一応挨拶回りは終わり。家に帰ってスーツケースを持って実家に帰ろう。新幹線はお昼の3時台だし、ゆっくり帰ったってなんにも問題はない。

 まだ誰の姿も見えない学校の前の道。まだ最後の別れを惜しんでだらだらやってるんだ。と思いながら1年間歩み続けた通学路を歩き出した。


 家に帰って、衣類が入ったスーツケースを持って新大阪駅に向かった。

 ……そういえば、去年のこの時期にこっちに来たんだよね。まだ1年しかたってないんだ。なんだかものすごく久しぶりにこの道を歩く気がする。

 そんなことを思って駅まで歩いた。


 地元に着くと、まずお母さんが車で迎えに来てくれて、実家に帰った。日頃の疲れをとるためにゆっくり過ごして、そこから地元の友だちと遊びまくり。もちろん、駅近くのカフェで尋問はしっかり受けてね。

 朝一でディズニーランドに行って、翌日にまた朝一でディズニーシーに行って、週末に近くのショッピングモールで買い物をしたりした。

 実家に帰ってきたよりも荷物が思ったより増えて大阪に帰ってきた。


 そして、年度末にかけて事務所の決算だったり、ハイアスのお手伝いだったり、忙しく働いた。

 そして、新年度が始まり、私の生活も一変した。

 朝はまだゆっくりできるけど、お昼からは事務作業、夕方からミアシスのレッスンなり振り合わせ。

 来月のゴールデンウィークにはミアシスとハイアスの単独ライブがそれぞれあったり、他のアイドルさんと一緒にライブしたりと休日は何かと忙しい。

 そうでなくても、それぞれのライブの打ち合わせがあったり、結構頭がいっぱいになる毎日。それでも充実感があっていいんだけど。

 ついでに言うと、その合間で簿記の勉強をしたりとかね。結構訳の分からない毎日を過ごしている。


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