471:これからのセットリスト
背中を押すというか、ひと段落つけてゆっくりさせようとするこの曲。
私も、切羽詰まったり、自分で今日ダメかも。なんて思う日は、この曲を聴いてリラックスするほど、心にゆとりを持とうよ。と言わんばりの曲で、チルタイムを作ろうとする曲。
ここからライブをどうするかは、さすがにまだ秘密だけど、盛り上げると言うよりは、少しだけ場を落ち着けるって感覚かな。
とはいっても、〈Message〉の衣装を着ているわけだから、もちろん、このブロックで〈Message〉を歌うことは確定している。だからといって、いきなり路線を変えることはしないものの、徐々にシフトしていくって感覚かな。
だからこそ発売したての〈私が応援するわけ〉と〈ミチ〉、それから〈夢から醒めて〉を入れ、闇堕ちするわけじゃないけど、〈Aライン〉と〈Going my way〉を入れ、〈Message〉に繋げる。
それも歌えば、〈dresscode〉を入れ、その間に男子陣に着替えてもらう。
そのあと、少しトークを挟んだ後に男子陣がいつもとテイストを変えて〈This is Love〉をパフォーマンス。またトークを挟み、今度は全員で夢の世界へ連れていくパフォーマンスブロックに移る。
いろいろ曲名を出して、こんがらがっていると思うけど、私もそう。
いつもはパフォーマンスしない曲も入っているし、人前で初めてパフォーマンスする新しい曲もある。それに、この緊張感。当然、頭がクリアなわけが無い。
一応、流れで把握するようにしているものの、それでも限界はある。
……っと、そんなことを言ってる場合じゃないね。あっという間にメロディーラインとサビパートを抜けて、ラストサビに入ろうとしている。
だからね 気楽にね ただ過ごすんじゃなく楽しく生きていくの
さわやかな風に吹かれてそのまま飛んでいく力を入れずに
どんなことがあっても私らしくをモットーに羽ばたくの
このラストサビが私は大好きで、たったこれだけの歌詞だけど、力を抜いてゆっくりしよう?って問いかけてくれる感覚がして、私自身、ホッとするところがある。
「さてさて。みなさん、一瞬で盛り上がった熱が落ち着いたみたいで」
「ほんまに。シュンとしてるもんな。まっ、これもボーカルの力ってとこやろ」
まぁ、それもそうなんだけどさ。亜稀鑼はどっちの意味で言ったんだろうって、少し気になってしまった。
ただ、それを気にしたところでしょうがないのはわかっているから、あえてスルーすることにして、私もトークに参加。そして、このタイミングでダンサーたちも〈Message〉の衣装に着替えて登場してくる。
「みんなもさすがに休憩せなしんどいもんな。ステージも熱で暑いんよ。その熱に加えて、みんなからの熱やろ?場内、すげえ暑いで?楽しいのはわかるんやけど、みんなが倒れたらおもろなくなるやん。やからってこともあるんやけどな」
翔稀のド正論もどかんと効いて、私たちの体力も回復したところで、軌道修正が始まるわけ。
「さて。ほんなら、このブロックはちょっとチルタイムになるわけやけど、それでも存分に楽しんでもらえると思ってるんで、存分に楽しんで貰えたら幸いです。それでは、最新曲から〈私が応援するわけ〉」
あっという間に翔稀がトークを締めて、次の曲に行く。
もっと喋るかな。なんて思っていたけど、思った以上に早く次の曲に行ったから、もしかしたら、時間が押しているのかもしれない。まぁ、5分くらいなら、誤差で収まるんだろうけど、今の時点で大きくズレているなら、トーク時間で修正しないといけない。
まぁ、その辺は、トークが苦手な沙良由佳がどうにかしてくれるかな。なんて思いつつ、次の曲を歌う。
夢を追いかけることが生きがいだと
あれだけ言ってたのに急にどうしたの
何かあったの
不安なら背中を押してあげようか
それなら前に一歩でも進めるんじゃないのと思うけど
サビの歌詞だけ見ると、落ち着いた雰囲気を醸し出しているけど、曲調自体はかなりハードな感じで、〈気楽に 楽しく 優雅に〉に比べると、一気にスピード感が上がったような感覚になるだろう。
それでも、このリストにしたのは、MCで一服しているからいいだろう。というメンバーたちの判断。
もちろん、それに私も乗っかったところはある。だけど、実際にやってみると、温度感がすごい上に、さっきの曲は、「ゆっくり歩いていこうよ」っていう感じだけど、この曲は「ほら、早く行くよ」と言わんばかりの歌詞になっている。
この温度差が少し怖いな。って感じるところはあるから、よくよく考えれば、もっとあとでもよかった気がするな。って思ってしまう。
まぁ、それでも、メリハリが付いていいか。とも思ってしまうかな。