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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
3年目
132/577

130:本番前

「そういえば、中川ちゃんが髪を振り乱すパフォーマンスを見るのは久しぶりね。それも楽しみだわ。何気に私も好きなのよ。中川ちゃんが髪の毛を振り乱して踊る〈ダンスフロア〉と〈We never stop dancing〉は、あれだけ豪快にされると、こっちもテンション上がってくるよね?そう思わない?萌奈ちゃん」

「はい。私もそこが好きです。あと、〈We never stop dancing〉の中で唐突に起こるアクロバットバトルも好きなんですよね」


 アクロバットバトルって……。リバイバルライブの初演と千秋楽でしかやってないんだけど。

 しかも、ダンスバトルって、ライブの打ち合わせになかったんだよ?本当に、あの時の舞台演出の人には迷惑をかけたよ。でも、それは全部竹田さんが悪いと思っているからね?

 だからといって、今日のステージで〈We never stop dancing〉を何度か披露するけど、もしやるとするなら、屋外で照明の必要のないステージでするだろうな。とは思っている。

 それは、さすがに時と状況に寄るけどさ。私がステージの下見をしていない分、たぶんだけど、することはないだろうなとは思っている。ただ、やっている途中で「できる!」と思ったら、ぶっこむかもしれない。そのときはごめんね、竹田さん。

 と心の中で謝りながら、カチューシャの位置を決めてつけてみる。


 ……うん。エアリー、今日も絶好調!なんてふざけたセリフを頭の中で言ってみたりして。


 あっ、エアリーというのは、去年のリバイバルライブで最初の方で出てきた私が演じるキャラの一つ。あのときは3つのキャラクターを演じていたもんな。よくキャラを変えていけたよね……。

 まぁ、今日はエアリーなんて出てこないかな。そんなステージ演出でもないし、そんなことをしている余裕もないと思うし。

 あと、リバイバルライブのときにエアリーと真逆の性格の役柄で出てきたアッセに関しては、なおさら出てこないかな。リバイバルライブの時以来一切出ていないし。

 さて。準備もできた。あとは、パフォーマンスをする時間が来るまで集中しよう。


 それから数十分して、私たちが最初にパフォーマンスをする時間が近づいてきて、ムーンライトスターとサンシャイン一行は最初のステージに移動。

 最初のステージは屋内の会場。

 熱中症が気になる時期にこういうステージはありがたい。ただ、もっとアツくなる時間帯に立ちたかったな。と思ったり。


「とりあえず、出番前ですし、円陣でも組んで気合を入れましょうか」


 そうですね。と橋爪さんの問いかけに応え、自然と輪になる私たち。そして、橋爪さんが話し出す。


「久しぶりのレトロフェスね。正直、久しぶり過ぎて緊張しちゃうけど、みんなはリバイバルライブも経験しているし、緊張することには慣れているかしら?」


 そう微笑みかける橋爪さん。去年やリバイバルライブでの表情は一切なくにこやかなままだ。

 その顔に私たちみんな「そうですね」と言ったり、うなずいたりする。


「まぁ、美桜ちゃんが持っているノートに書いてある言葉を借りると、やるだけやって見せろ!諦めるのは死んでから!ってね」


 待って。なんで知っているのよ。私、橋爪さんや林さんにも見せたことないよ?なんなら、ダンス講師の明石さんにさえも見せたことないよ?なんで知っているわけ?


「別にそこまでやろうっていうわけじゃなくて、楽しませるために全力を尽くそうねって話。今日一日、長くなるけど、張り切って楽しんで、頑張って行きましょう!」

『ゴー!』


 大きく声を張り上げたムーンライトスターとサンシャイン。周りを少しだけ巻きこんで、自分たちの士気を上げる。

 ただ、私はずっと困惑したまま。誰経由でその言葉を知ったんだろう。というか、なんで私のノートを見られているのよ。

 それだけがずっと頭の中で駆け巡っていると、ひとりのおじいちゃんが私たちに近づいてきていた。


「橋爪さん、林さん、今日もお元気ですね。体調、お変わりありませんか?」

「あら、新庄さん、お久しぶりです。おかげさまでね。そちらもお変わりなさそうね」

「ええ、こちらもおかげさまで。それに、この前だってコンサートを開いた後ですから。あっ、そうそう。市原君のおかげでいいライブもできたし、これからもいい歌手人生を送れそうですよ。ガハハハ」


 唐突に誰か現れたと思ったら、橋爪さんたちとほぼ同時期にデビューしたと聞く歌手の新庄翼さん。

 市原さんが、よく新庄さんのライブのバックコーラスとして参戦していて、市原さんがよく話すのか、意外とサンシャインのメンバーのことを知ってくれている。

 そのおかげか、橋爪さんと林さんとは大の仲良し、付随するサンシャインにも仲良くしてくれている。

 そして、本番前なのに、ひょんなことから話題は私のことに。


「本当に、次のライブの時、香川さんにも僕のライブのコーラスとして参戦してもらいたいよ。あの、踊りながらの声量は毎回驚かされるし、一回、2人で歌ってみたい曲があるんだよ」

「ダメよ、新庄さん。ナオミちゃんは、別の事務所からお借りしているの。だから、私たちだけじゃどうにもならないわ。秘密を守るって言っても教えてあげないんだから」

「もったいぶってないでくれよ。僕だっていい女性ボーカルを探しているのに」

「そんなこと言っちゃうと、私もユカリちゃんも拗ねちゃうわよ」

「わかっているけどさ、本当に、香川さんの声は無くてはならないのだよ。どうか教えてくれんかね」

「どうする?ナオミちゃん」


 ここで降りかかってくる火の粉~。雪のカケラで隠れるのは無意味だったか。ただ、私の答えは決まっている。

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