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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
3年目
131/577

129:煽り要員

 ミアシスの事務所は、私たちミアシスと妹分のハイアスの2組しかいなくて、ライブの数もほぼ平等に出てるし、ライブの出演回数自体も多く、一緒に出るライブは少ないものの、その分、一回当たりのライブ満足度も高い。

 それに、レッスンスタジオとかの設備も全部事務所の持ち物だし、おまけにいつでも使えるシャワー室までついている。これほどありがたい設備・待遇はどこを探してもないはず。

 だけど、それをほかの人に話すと、羨ましがられるから決してミアシスの事務所のスタジオに入れることはないし、話すこともない。それがいつの間にか事務所全体の暗黙の了解になっている。それに、みんな優しいし。

 たぶん、私、この事務所じゃなかったら、一瞬でユニット活動なんてやめていたんだろうな。そんなことを思ってしまう。

 お風呂にゆっくりと入った私は日付が変わったすぐあとくらいに、片づけてもらった自分の部屋のベッドに入って眠りにつく。



 そして翌日。いつも5時に起きる私は、いつも通り、5時に目が覚めた。

 今日は、地元の友達と久しぶりに遊ぶ日。たぶん、高校卒業のすぐあとくらいに1回会ったきりだから……1年半ぶり?かな。たぶん、それくらいのはず。

 とはいっても、現状報告してからショッピングして、ランチ、お茶、ショッピング、ディナーみないな流れだったんだけどね。

 この約束がなかったら、どこかでムーンライトスターの新曲を振り付けも歌も覚えてしまおうかと思っていたけど、遊ぶ約束のほうが早かったし、なにより、ムーンライトスターに新曲ができるとは思っていなかったって言うのが本音。


 まぁ、ショッピングでいい感じのヘアアクセサリーを見つけることができたから、いい買い物ができたと思ってる。



 さらに日が進んで、土曜日。私としては約2か月ぶりにムーンライトスターが出演するイベントにサンシャインの一員として参加する。

 それまでの間、いくつかのイベントにムーンライトスターとサンシャインのメンバーが出ていたみたい。

 そして、煽り要員の私がいなかったせいか、サンシャインのみんなが頑張っても、歓声が私のいるときに比べて感覚2割くらい少なく感じたそう。

 それで萌奈ちゃんも市村さんもちょっと落ち込んだそう。……なんかそこは私が出しゃばりすぎた感はあるから、申し訳なく感じる……でもさ、私のせいじゃないよね?

 そんなことを思いながら、今日のイベントの準備をする。


 出演するイベントは、ちょうど去年、ムーンライトスターが復活する最初のイベントとして選んだ『レトロフェス』というイベント。

 昔懐かしのグループや人、曲などが一斉に集まる。私としては、知らない曲ばかりが集まるからいろいろ新鮮ではある。逆に、橋爪さんや林さんにとっては懐かしい曲・人が集まるから、いろいろなところで交流が生まれる。いい意味でこのイベントに出ることはムーンライトスターにとってメリットしかない。とは言い切れないものの、それなりにいい効果が出るイベントになると思ってる。


「久々に美桜ちゃんと一緒にライブができるわ。なんか、美桜ちゃんがいないだけで歓声が小さく感じていたのよね」


 は、橋爪さん、ボーカリスト二人の前でそれは……。


「ほんと、私でもできると思っていたのに、かなりメンタル削られた気がしてさ、ほんと、生きた心地しなかったんだから~」


 萌奈ちゃんが橋爪さんに愚痴を言うようにぼやく。

 確かに、話を聞いていたところによると、私が出演していないイベントでの歓声は、私がいるときと比べて、2割ほど小さいと感じたらしい。

 それを聞くと、私のいる・いないでそんなに変わるのか。と感じてしまう。実際に見てみたいけど。


「でも、美桜ちゃんが戻ってきたから、ようやく気にしないでパフォーマンスに集中できる」


 ちょっとそれどういう意味?と聞いても、萌奈ちゃんは「そのままの意味」と言って、それ以上は答えてくれなかった。


 そろって会場入りした私たちは男女別に更衣室で衣装に着替え、控室でスタンバイ。

 開場時間を向かえているのか、会場内はじわじわと人が増えてくる。

 この感覚、久しぶりだな。去年と同じイベントだけど、気持ちもほとんど一緒。ちょっと緊張気味なところも。


 去年は緊張がほぐれるまで時間がかかっていたもんね。その反面、今年は大丈夫だと思っている。

 そうじゃないと、身体が動いてくれなさそう。それに、ここで怪我をすると、ミアシスの方にも影響がある。……さすがにそれだけはね。したくない。


 そんなことを思いながら、ムーンライトスターの曲を流して、ゆっくりとストレッチをはじめ、3曲流し終わったあたりで、膝にテーピングを巻き始める。

 今は痛みこそないものの、何が起きるかわからない。

 実際に、去年のリバイバルライブでは、以前からあった膝の違和感が結果的にはけがにつながった。

 その予防も兼ねて、膝にテーピングを巻くし、膝下まで隠れるスカートの時はサポーターも巻く。これくらいしないと、今は不安。

 ただ、今回はテーピングだけだな。なんせ、衣装が初期と同じ白のトップスとシースルー、下が白のショートパンツ、足元が少しヒールのある白の社交ダンスのシューズ。

 あと、東京でのリバイバルツアーの初日が終わった後に個人的にもらった、白で厚手のロングタイツ。まぁ、これはテーピングを隠すためよね。


 さて。今日のカチューシャはどの子にしようかな。

 白いバラのカチューシャは漂白剤を使いながら洗ってるからまだ白い。だけど、それ以降、カチューシャの数が増えて、いつもムーンライトスターのイベントの時、どれにするかいつも迷う。

 まぁいいか。いつもの白薔薇のカチューシャで。

 それに、真っ白なカチューシャのほうが、妖精感も出るし。

 そう決めると、白薔薇のカチューシャを手に取り「よろしくね」と一声かけて、ヘアスタイルを整える。

 今日は久しぶりに林さんには手伝ってもらわず、ストレートヘアで勝負。なんなら、肩甲骨あたりまで伸びた髪の毛を振り回してもいいかなとさえ思っている。


「はい、萌奈ちゃんはオッケーね。中川ちゃんはどうする?」

「今日はストレートヘアで行きます。そっちのほうが躍動感あるように見えそうなんで」


 林さんが私にヘアスタイルをどうするのか聞いてくるけど、私はすでに決めていたから、林さんにそう言う風に伝える。

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