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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
3年目
128/576

126:聞き間違い?

 なんとか4月頭にあった日本選手権のパフォーマンス、プレゼンターを無事にこなし、成功させた。そして、このおかげか注目度もかなり上がって、東京に行くときに呼ばれるライブも大阪で招かれるライブの数も相当増えた。

 もちろん、まだ私以外が学生ということもあり、ライブ活動ができるのは土曜日や休日だけに限られるものの、ほぼ毎日メンバーと何時間かだけだけど顔を合わせる日々が続く。


 このおかげというべきなのか、ミアシスの活動の傍ら、サポートグループとして活動するサンシャインの活動が最近、出席できていない状態が続いている。

 仕方ないと言えば仕方のないことなんだけど、さすがに、3週間に1度のペースでしか活動に参加できないから、かなり迷惑をかけていることになる。さらに、土日はほとんどミアシス。たまにの息抜きでサンシャインの活動が新鮮に感じるときすらあるくらい。

 それでも、自主練という形で振り付けとか新曲を覚えるっていうのはもちろんやっているものの、合わせられないのは精神的にきついし、サンシャインのメンバーには申し訳ない。

 やっぱり、事務所の事務員とミアシス、サンシャインの掛け持ちは難しいな。って思ってきているこの頃。今日はほぼ1か月ぶりにサンシャインの活動の日。


 久々に始発の新幹線で東京に。いつも通りって言えばいつも通りだけど、まぁ眠い。

 コンビニで朝ご飯をお菓子と一緒に買い込み、名古屋を出るころに全部食べてしまい、親グループのムーンライトスターの曲を聞きながら、軽く目を閉じる。

 そういえば、ここ最近、また新しい曲の振り合わせや歌詞を覚えるために、しばらく休みの日に自主練でスタジオに籠ったり、事務所で歌詞の意味を考えていたりと、家ではさすがにできないことをしていたから、どこかで長期休暇をもらってどこかに行きたいなぁ。とか考えたり。


「まもなく、新横浜です。お出口は……」


 もう少しで品川か。そろそろテーブルの上のものを片付けていくか。

 そう思って、テーブルに散らかったお菓子やご飯のごみを袋の中に入れる。

 今日も朝からしっかり食べたな。カフェラテもいつもと変わらずおいしかったし。移動中の腹ごしらえは満足かな。

 さて。それじゃあ、お手洗いも行って、降りる準備して、完璧の状態で品川に着くのを待つ。……忘れ物のないね。よし、それじゃあ、スピードが落ちるまで少しゆっくりして、乗り換えと行きますか。


 そこからだいたい10分くらいかな。新幹線は品川駅に滑り込んで、私は意気揚々と新幹線から降り、堂々と在来線に乗り換えて、橋爪さんの運営するダンススタジオに。

 家を出てだいたい4時間半。まぁ、相変わらず思うけど、遠い。だけど、疲れた表情は一切出さずに元気な声を無理やり出して、中に入る。


「おはようございます!」


 中に入ると、すでに一緒に活動するサンシャインの竹田広宣さん、市村一樹さん、矢島萌奈ちゃんの3人に加えて、親グループ、ムーンライトスターの橋爪薫さんと林美沙子さんの2人がすでに準備運動をしていた。


「あら、中川ちゃん、おはよう。今日も元気いっぱいだね」

「それしか私の取り柄がないんでね。みんなよりスキルも実力もないんで、そこでアピールするしかないんで」

「いやいや、アピールって。みんな、美桜ちゃんの実力はわかってるわよ。それに、並外れたアドリブ力に助かってるし。最初に怪訝そうな顔で見ていた竹田さんもそうよね?」

「えっ、あっ、はい。そうですね。正直、本人がいる前で言うのは美桜ちゃんの能力を低く見ていたところはあるよ。だけど、あそこまでやるとは思ってなかったし、実力を見てビビったのも事実だしね」


 そういわれると、なんかうれしいよね。ただ、私の気分はそこまで上がってこない。

 ただ、こんなところで、ボーっとしているわけにもいかず、急いで更衣室に向かい、いつものミアシスTシャツに着替え、急いでストレッチを始める。


「美桜ちゃん、そこまで急がなくていいよ。時間はたっぷりあるし、ゆっくり身体を動かしてよ」


 と言われるものの、やっぱり、アップを済ませている萌奈ちゃんと市村さんを待たせるわけにはいかない。それに、もともと、競泳をやっていたのもあって、身体を温めるのは早いほう。ミアシスの中でも、相当な速さで振り合わせに入れる。だから、ここでも問題ないだろうとは思うけど、とりあえず、サクッとアップを済ませる。

 といっても、ジャンプ10回で心拍数を上げて、その場で10秒間ダッシュして、肩を大きく回して、数回の屈伸。いつもこれくらいかな。正直、これだけで身体は温まる。


「オッケーです。お待たせしました。私はいつでも動けますよ」

「えっ、もう?柔軟とかいいの?」

「朝4時起きなんで、身体はほぐれてますよ。心配ないです。それに、さっきも言った通り、身体を温めるのは速いですから。とりあえずどうします?」

「あっ、そうだ。そのことなんだけど、先週の金曜日に新しい曲を卸してもらったの。で、その振り付けも明石さんにお願いして、昨日かな。できたの。だから、今日は、新しい曲をメインにしていきたいなって」


 あっ、たぶん、時間のかかるやつだ。振り付けが混ざらないように気を付けないと。


「美桜ちゃん、大丈夫そう?ミアシスで新曲があるんじゃなかった?」


 心配そうに私の顔を見てくるのは萌奈ちゃん。やっぱりSNSとかで公表している分、確認はしてくれているか。


「あるよ。すでにミアシスだけで2曲。でも、何とかするしかないでしょ。それに、リリースはもう目の前だし、振りもある程度そろってるし、大丈夫だよ」

「……だったらいいんだけど。無理しないでよ」


 正直、誰かに心配されると心が痛む。だけど、今の私はやるだけやらないといけない。そうしないと、迷惑をかけるし、私がこの世界で生き残れない。

 もちろん、無理禁物なのはわかってる。新曲は来週リリースだから、今、体調を崩せば、リリース記念のイベントに大きな影響が出る。だから、おとなしくミアシスに集中と行きたいところだけど、やっぱり、この土日にムーンライトスターが出演するライブだから、穴は開けたくない。正直、今の私は、かなりのタスクを抱ええている。

 とりあえず、今はムーンライトスターとサンシャインに集中しないと。


「あとそうだ。今回なんだけど、美桜ちゃんと竹田さんは久しぶりにダンス専任でお願いしたいの。で、萌奈ちゃんと市原さんは、振り付けなしのバックコーラスをお願いしたいの」

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