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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
3年目
106/562

104:プール

 春のそよ風に吹かれ、桜が舞い散り、改めて、春だなぁ。と感じさせてくれる季節。

 名前の通り、美しい桜が見られて私は大満足。やっぱり、私、この季節が好きだ。


 さぁて、ついにこの日がやってきた。新年度一発目のイベントで、久しぶりに東京に来てのイベント。しかもスイマーの憧れの辰巳国際水泳場で初めてのイベント。

 パフォーマンスタイム自体は5分と短いけど、こういうのは初めての試みらしい。

 初の試みだということで、失敗はできない雰囲気がメンバーの中でじっとりと流れている。

 そして、公式練習が終わったあとの競技場に入り、最初で最後のリハーサル。時間的に失敗できないから、一度限りになるけど、集中して臨む。


「美桜、今日のスケジュールは聞いてるよな?」


 前を歩く田村さんが私に話しかけてくる。


「はい、打ち合わせ済みです。とりあえず、関係者入口から入って、20時からリハーサル、マイクチェックと振りの立ち位置の確認をやって終了です。向こう側も初めての試みだということで、しっかり確認したいところがいくつかあるらしく30分くらいを予定してるみたいです」

「そうか。了解。まぁ、そんな感じか」


 そういうと、田村さんはまた前を向いてスタスタと歩きだす。

 なんでそんなことを確認したのかなと思ったけど、もう目の前が競技場だった。どこから入るのか確認したかったのかなと思いながら、田村さんの後ろに続いて建物の中に入る。


「ご無沙汰してます。オリエンタルライムの田村です~。本日はどうぞよろしくお願いいたします~」


 この田村さんはいつも通りだ。どこの現場に行こうと、初めましての現場でもこんな感じ。もちろん、若干、言葉は変わるけど、言い方は何一つ変わらない。

 田村さんは、簡単に受付で挨拶を済ませると、役員の人と合流し、いきなりだけど本部の部屋に入る。

 とにかく時間が惜しい。役員の人たちもそうだし、ミアシスもそう。なんせ、年下の二人が活動できる時間が最大で22時まで。ズルズル伸びるようじゃ、時間がいくらあっても足りないのは目に見えている。


「お待ちしておりました。初めまして。日本水泳協会の広報をしております石塚と申します。中川さんと野村さんは先月ぶりですね。お久しぶりです。今日、明日とどうぞよろしくお願いします」


 そう。私と翔稀は、以前ここで明日の打ち合わせを重ねてきていて、面識はある。ただ、珍しく田村さんが同行しなかったから、こういった形になっている。


「お話は伺っています。この度は、素敵な機会をご用意していただきありがとうございます。こちらこそ、どうぞよろしくお願いします」


 簡単な名刺交換も2人でやってもらって、簡単に田村さんが石塚さんに沙良、亜稀鑼、由佳の紹介をして、3人の名刺も石塚さんに渡し、田村さんが周りを見渡す。


「すいません、早速で申し訳ないんですけど、キャリーケースとか置かせていただいて、リハーサル……させてもらっていいですか?」

「あぁ、そうでしたね。すいません。それでは、ここからは、長谷部が担当に変わりますので、お願いします。長谷部さーん」


 そういうと、石塚さんは、長谷部と呼ばれる人を探しに行った。おそらく音響とか放送の担当の人なんだろう。そんなことを思いながら、待っていると、石塚さんと初老に近い男性が一人。


「初めまして。音響の長谷部さんですね。オリエンタルライムの田村と言います。あと、ミアシスのメンバーですね。お話は聞いてます。せっかくですので、いい環境で選手たちにエールをを送れるようお力をお借りします」

「ははっ、若いのに丁寧だ。気に入った。田村さん、よろしく頼むよ」

「頼まれるのは、私じゃないです、彼たちですから」


 二人はハハッと笑い声をあげて、私たちのほうを見る。


「ほんなら、リハーサルやけど、本番のつもりで行けよ。選手たちにエールを送る勢いで」


 その言葉を聞いて、やっぱり、田村さんについてきてよかったと早々に思えるようになった。


『はい!』


 これは、私からだけじゃない。翔稀や沙良、亜稀鑼、由佳、ミアシス全員から同時に出た言葉だった。


「よし、それじゃあ早速やっていこうか。美祢さんはいてます?……いないな。石塚君、悪いけど、美祢さんを呼んできてくれないか?ミアシスさんと打ち合わせを始めるから」

「わかりました。すぐ探してきます」

「私ならここにいますが……」


 声のするほうを見ると、少しご年配の女性が経っていた。


「えっと、後ろで聞いていたけど、あなたたちがミアシスのみなさんね。普段は通告の役員として、場内通告を担当している美祢陽子といいます。競技を円滑に進めるために、司会と言ったほうがいいのかしらね。仕事をさせてもらってます」


 あぁ、あの緊張を跳ね上げさせるあの人ね。どの人でも私の場合は、自分の出る種目を読み上げられただけで緊張してしまう。


「長谷部さん、えっと、これは、開会式直後からのリハーサルでいいのかしら?」

「そうですね。こちらとしては、音の確認をしたいので、それでお願いします。ミアシスさんもご準備をお願いしてもいいですか?」

「わかりました。えっと、そしたら、動きやすい服装に着替えさせていただいてもいいですか?」

「あっ、すいません。こちらに控え室をご用意しています。明日も直接こちらにお越しいただきましたら結構なので」

「ありがとうございます。そしたら行くよ」


 田村さんの代わりに私が答えて、石塚さんに控え室を案内してもらう。

 もちろん、男女別に用意してもらっていたんだけど、普段のミアシスって、カーテンとかで2つに分けられることが多いんだけど、今回はまさかの控え室から男女別に分けてもらっているパターン。これは本当にありがたい。カーテンで隔てられているとはいえ、メンバー全員、年頃だし、気にするところはあるよね。


 そんなことを思いながら、荷物を置き、上の服はそのままで、ズボンを動きやすいスエットに着替え、再度、本部席近くに出る。

 私のあとで、沙良と由佳がいつも振り合わせするときと同じスエットをはいて私の近くに来る。そして由佳の顔は、しっかりと口を真ん丸に開けて規模に圧倒されていた。

ここから美桜さんと沙良さんの趣味がどっぷりとはいっていきます。

少しの間、趣味のおはなしにお付き合いください。

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