表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】幼馴染の彼女は隷属された囚われ聖女。魔王の俺は絶対この国許さない!  作者: 安ころもっち
第三章・魔王vs魔道

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/71

10 甘話

「真理!チョコくれねーのかよ!」

「な、なによ!そんなのあるわけないでしょ!それに、学校にチョコ持ってきたらダメなんだよ!」


なんだろうこれ……

あっ、そうか。これ小学生の頃の……ならこれは夢……


私は早々にこれが夢なのだと認識してしまった。


懐かし思い出。

まだ真司とギクシャクする前、少し疎遠になる前の話。


この時、私はちゃんと家にチョコを作って置いてあったんだよね。毎年チョコを買って義理だからと渡していたけど、小学生になった私は頑張って手作りチョコに挑戦したんだ。


それからつまらない授業を受けたが、もちろんうわの空でまったく頭に入らなかったのを覚えている。

そして真司と一緒に帰るのだが、その時も真司は五月蠅かった。


あの頃は本当に毎日の様に真司は好きだと言ってくれた。

私は照れ隠しでふーんって誤魔化していたけど……好きな真司に嫌われたくなくて、そしてそんな真司に負けないように勉強も部活もがんばったんだよね……


私は記憶にあるとおり、通学路を真司と並んで歩く自分を少し高いところから眺めていた。

そして私は自分の家で立ち止まる。


「ちょ、ちょっと待ってて!仕方ないから、自分用に買ったチョコ、分けてあげる!」

「お、おお!」

これは……これは恥ずかしいぞ私!


苦しい言い訳をしながら家の中へと入っていく私を見送った。


「あっ!おばさん!こん……お姉さん、こんにちわ」

「あらあら、久しぶりに顔を見たわ。上がってく?」

「いえ!真理からチョコを貰ったら帰ります!早くチョコ食べたいので!」

へー、真司ったらこんなことを言ってたんだね……って違う!これは事実と違う可能性がある!あくまで私の夢なんだから……じゃあこれ願望かな?


「は、はい!私が食べようと思ってたんだからね!仕方なくよ、仕方なく!感謝してよね!」

これはひどい。ツンデレのテンプレ台本でも読んでるのかな?


「おう!ありがとな!真理!」

「あらあら、真理、ちゃんと渡せたのね手作むぐっ!」

そうだ。私はあの時ママの口を思いっきりふさいだんだったな。


「渡したんだから早く帰んなさいよ!」

「おう!3月には倍返しだ!大好きだぜ真理!」


そして真司は帰って行った。

私は真っ赤な顔をして座り込んだ。


「良かったじゃない真理。ママが教えた甲斐があったわ」

「もう……ママのバカ……」


そんな私の苦い思い出が終わると周りの風景が消え、私は闇の中に立っていた。どうやら夢が終わってしまったようだ。

終わったなら早く目覚てよ私……


それにしても……思い返せばこの頃は本当に照れくさくて、もう少ししたらまともに真司とこういった話はできなくなっちゃったんだよね。


最後にそんな話をしたのは、小3の時、真司が帰り道でなんとなくタイミングがあって、気まずくはあったけど一緒に歩いていた。そしてもう少しで家に着くってときに先を歩いていた真司がくるりと振り向いて……


「俺は絶対お前より背も高くなって、そして強くなってお前を守る!そしてお前と結婚する!」


真っ赤な顔でそう言って家まで走って行ってしまった。

でもその日から真司とがまともに話をしなくなったんだよね。


最初はなんで?って思ったけど多分だけど真司は思春期到来で、照れくさくて私に遠慮してたのかもしれない。

その時は私は訳が分からなくて、大好きな真司が離れて行っちゃう!きっとこの間の告白みたいなのにすぐに返事してあげなかったから怒ってる!って思ったりして、でもウザがられるかもしれない、って思ったら私からは話しかけられなくて……


その間に真司はどんどんカッコよさが倍増していったんだよね。

高学年になってからはサッカー部に入って毎日遅くまで練習するようになったし、勉強もすごく頑張っていたみたいで……


私はそんな真司に何とか追いつこうと勉強も頑張って、部活もバスケをはじめて、真司と一緒に居られない寂しさを必死にごまかしてた。

そして寂しさを耐えられなくなった私は、高校に入って最初のバレンタイン……放課後、急に部活が休みですることが無くなった真司が教室に残っていたのを良い事に、私も部活をさぼって勇気を出して話しかけたんだ。


そうそう。こんな感じにってキャー!ダメだよ急に!

私は真っ暗だった風景が教室に切り替わり、ちょっとだけ若い私と真司を映し出した。ここは再現ダメだよ!もう起きてよ私!何時まで寝てるつもり?


恥ずかしくて手でバタバタとしてみるが、夢の中の私や真司はスルリとすり抜けて触れることはできない。


「あのさ、なんか久しぶりだね……」

「お、おお。そうだな……」

沈黙が怖いよね。何かしゃべってほしい。ほんとマジで……


「そういえばさ、真司凄いよね。サッカー部、とか……」

「まあな、真理こそ、俺も勉強も頑張ってるけど何時も負けてる……」

「それは……」

またも沈黙が……やめて!もう私のライフはゼロよ!おーきーてー!


「そういえばさ、今日……バレンタインじゃない?」

「そう言えば、そうだった……いやー忘れてたよ。そうかそうか……」

いや、知ってるから!朝一来た時にさりげなく机の中、あえて見ないようにしてゴソゴソと手を入れて何かを探してたから!私見てたもん!ってちがーう!そんな事じゃなくて!


「もし誰からも貰ってないなら、仕方ないから……私自分用に買ったのがあるから……あげても、いいよ?」

「それなら……ほしい、かな?」

そして私は鞄からラッピングされたそれを最速で取り出し、雑に真司に手渡した。ってそうだよね。そうなんだよ……なんで自分用でラッピングして鞄にしまってあるんだよ!ってとこ……


毎年用意はしてたんだよ。でも渡す勇気が無くていつも帰ってから自分で食べてたんだから……だからあれは自分用に買ったといっても過言は無いよ、ほんとに……


……と、そんなことを強く考えていたが、場面はやはりというか進んでゆく。


「懐かしいなー。こうやって真理とも話すこともなくなっちゃってて……」

「そう、だよ。寂しいんだからね……」

そして少しの沈黙の後、真司が私の方を向いて真剣な表所を見せる。


この時の真司は本当にかっこよくて……ドキドキが止まらない。そして私も今ドキドキが止まらない。早く起きよ?もう無理。ライフはマイナスなの助けてー!


「真理!俺は、俺はずっと……今でも好きなんだ!だから……」

「真司……」

「おーい、イチャついてないで早く帰れよー!」

「「はいー!」」


あーあ。この時の勢いなら、きっとチューだってできたんだよきっと。

だけどその日の見回りの田中ー!あいつのせいで慌てて帰ることになったんだよ。まあ帰り道で改めて付き合うことになったけどね……


ため息をついた私の周りがまた暗転する。

そして私はまだ目覚めない愚かな自分を呪いながらあの時のことを思い耽る。


そこからも本当に時間がかかったなー。

付き合ったは良いけどお互い部活もあるし、やっぱり勉強も頑張ろうって思ってたし、でもやっと最近、教室で……その……抱きしめられて、さあこれは遂にするぞ!チュー!やっちゃうぞー!って思ってたら……


くっそー!あのハゲデブ王めー!


何が異世界転生だ!何が召喚で聖女だ!

私はイラつきを見えない地面に向けてバンバンと踏みしめ……体を起こした。部屋が月明かりに照らされる風景が見える。


私はあのハゲが魔王だったことを知り、そしてエステマちゃんの拠点で一夜を明かしたんだった……隣の部屋には……そうだ!真司がいる!これからは真司と一緒に居られる!私の真司を取り戻したんだ!


私は、真司がいるはずの隣の部屋のドアをゆっくり開け忍び込む。可愛い寝顔だ。そしてまだ寝ている真司の頬にゆっくりと……ゆっくりと近づき自分の唇を押し当てた。


真司にも内緒の秘密ができた。そんな夜だった。


「おやすみ、真司」


さて、部屋に戻ってもう一寝入りするか……

ということで、バレンタインデーネタでした。場面としては第一章が終わり、魔王が復活してしまった後でしょうかね。


さて、皆様はいくつ貰いましたか?

安ころは今年も早めにロイズのチョコ(今年はホワイトにしてみました)を買って嫁とシェアして一日1個づつ食べてます。


良ければ下の評価をぽちっとして頂ければ嬉しいです。皆様のひとポチが原動力です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ