表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なかなおり

作者: 浦田茗子



 学校からの帰り道、私とあっちゃんは、なぜかけんかをしてしまった。


 林を通り抜け、栗畑を通り過ぎるうちに、私たちは、横並びから縦一列になっていた。私は、あっちゃんの交通安全のランドセルカバーを見ながら、のろのろ歩いていた。


 むっつり黙って歩いていたあっちゃんが、立ち止まって振り返り、まゆをつり上げて言った。

「れいちゃんみたいに かわいくない子、さくらようちえんには いなかったよ!」


 私も、かっとなって言い返した。

「あっちゃんみたいに ほっぺがまっかな子、みどりようちえんには いなかったよ!」


 あっちゃんはほっぺをふくらませ、ぱっちり二重の目をいよいよきらきらさせて、私は私で、みつあみした耳の後ろがじんじんしてきて、結局ふたりとも泣いてしまった。鼻をぐずぐずいわせながら、お互いの間を空けて歩いていく。


 しばらくして、十字路の信号待ちでいっしょになった。信号待ちの時間が、いつもより長く感じる。そして、どちらからともなく、

「ごめんね」

と言い合った。

 気まずい顔を見合わせたら、おかしさがこみ上げてきて、ふたりして笑った。


 横断歩道を渡り、チヨコレイトのじゃんけんをしながら、帰っていく。



2022年10月4日 改訂

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 仲直りできてよかったね^_^
2022/11/02 22:08 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ