『助けてください。』なんてね?
信じてたのになぁ...
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アルビノ
それが他の人と違うところだった。
そして、私自身の鎖だった。
母「アンタなんか生まなきゃよかった!」
これを言われるのが日常、そして日課だった。
何回言われたっけ?この言葉?
数えきれないや。
母子家庭という生活の中、私は"ストレス発散機"なのだろうか?
ある時、家を追い出された。
その時行ったのがある小さな公園だった。
寂しいときや一人の時に行った。
あの小さな公園はなんだか自分を慰めてくれるような気がした。
温かい気持ちに包まれるようだった。
誰もくれない愛情や言葉をくれるようだった。
小学校に上がり一か月たち転校し新しい学校でイジメられた。
『白い幽霊』って
逃げる場もなかった。
ただ、雨の日だけ屋上に行った。
冷たい雫にあたりながらも下を見た。
小さな校庭、小さな家が見える。その時、
『自分が見ている世界は小さいんだな...』
そう思った。
『白い幽霊』
私の髪が白く、そして私自身の存在感が薄いからだろう。
学校の生徒みんな、私のことをそう呼んでいた。
たった一人を除いては。
その子の名前は零花
前まで、『黒い幽霊』と言われていたらしい。でも最近は、私が転校してきて、私に標的が変わったらしい。
だから
零花「今度は私が助けてあげる番。だってイジメられてるひとの気持ちはつらいほどわかるもん」
彼女はそう確かに言っていた。
ここまでは信じていた。
『助けてください。』という言葉を。
でも
あの一瞬にして壊れた。
あの日から
一年二年...と過ぎていき五年生に上がった今もイジメは続いている。
ある日の放課後廊下を歩いていると空き教室から話し声が聞こえた。
どうせ自分の悪口だろう
そう思い、通り過ぎようとすると
零花「マジうざいよね~WWW」
零花の声がした。
さすがに通り過ぎよう気持ちが消えってたのか
私は空き教室に耳を立てた。
モブ「それな~WWW」
零花「マジ消えてくればいいのにWあの『白い幽霊』WWW」
モブ「てか零花演技うますぎWWW」
零花「でしょ!」
私は絶望した。
五年間信じてきてた子が本当は黒幕だなんて。
この時にはもう『信じる』・『助けてください。』の言葉は消えていた。
そして
私「うぅ.....((泣」
この日、この時
人生で最初で最後の
涙を流した。
その日の放課後は曇ってるが屋上に行った。
そして
『明日死ぬ』ことを決意した。
次の日
朝はいつも通りだった
空き教室に呼び出され殴られ、蹴られた。今日はその上髪を切られた。
アルビノでもきれいにした髪を切られるのはちょっとショックだったが、
『今日死ぬんだしいいや』
と思った。
一時間目から、仮病を使い早退し、あの小さな公園に行った。
小さな公園は、最近行ってなかったがあまり変わってなかった。
幼い時から行ってた公園
ずっと慰めてくれた場所
私「『助けてください。』なんてね、言ったって意味ないでしょ?」
誰もいない公園に語り掛ける。
私「結局は誰も助けてくれない。」
私「今まで...いや、この11年間で思い知ったじゃない?」
持ってきたナイフを手に取る。
私「ねぇ、カミサマ?もし、ヒロインなら主人公なら...」
私「『助けてください。』って言ったら助けてくれる?」
ナイフを首に添える。
私「なーんてね?」
???「慰めることしかできなくてごめんね...」
そう微かに聞こえたが私は目をつぶり、永久の眠りについた。
END