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いじめられる原因と理由について~cause,because,accuse,reason,ratioを添えて~

 いじめ問題について語るのも3回目。これで最後にしたいなあ。

 楽しくないんだよなあ。読んで下さる方も辛いだろうし。でも必要なことなんです。

 何故か。why(何故、どうして)?

 because(何故なら)……。


 いじめは宿命のようなものだからです。風邪とかインフルエンザとか病気とか交通事故、人生で襲い来るあらゆる不幸な出来事は、外界と交流を保つ以上は、危険性自体を避けて通ることはできません。

 あなたが誰かと関わる。何かの目的をもって一緒に行動する。

 共通の目的がある。果たされるまでは、目的に縛られて、離れることができない。

   

 学校ならクラス替え、卒業までみんなで勉強する必要がある。まあ、学校なんか行かなくても勉強なんか自分でできるんですけどね。理不尽な暴力にさらされながら無能な教師に救いを求めるとか、不毛にもほどがある。まあ、程度にもよりますがね。目的がはっきりとしていて、そこでしかできないことがあって、それでも耐えざるを得ないなら、前回語ったように、俺は医者と弁護士をおすすめします。証拠はちゃんと保持しましょう。


 社会でもそうです。パワハラはブラック企業だけで起きるものではありません。

 むしろ、生活がかかっている分、集団にそぐわない人間はめちゃくちゃ排除されます。または支配。奴隷化。働く場所によりますが、職場選びってめちゃくちゃ大事なんすね。


 私生活でもそうです。友人が犯罪を起こすこともあるかもしれません。気が付けば巻き込まれているかもしれません。恋人、結婚相手がDV(Domestic Violence)とか、実際に付き合ってみないと分からなかったりします。

 特に彼氏のDVは限度を超えたものをよく聞きます。昔の知り合いは、彼氏に張り手で鼓膜を破られて、左の聴力を失いました。


 ……でもまあ、盲信が危険ってだけで、見極めさえちゃんとできれば大丈夫ですし、人間は社会的な生き物ですか、交流が多い方が実り豊かな人生を送ることができるんですけどね。


 かくいう俺も、2歳の時に公務員宿舎の5階から落ちたせいで社会性が喪われ、そのまま小学校にあがったものですから、5年生くらいからかな。

 めちゃくちゃいじめられました。


 列挙するならば……。

 クラスの女子たちからはバイキン扱いされる。彼女たちは、俺の座席は絶対に触れない。服も、肘がふれると『汚れ』をなすりつけ合う。(まあ分からないでもない)

 特に席替えの時なんか、俺の隣がくじ引きで決定した瞬間、女子は絶望する。俺も罪悪感を感じる。いたたまれない。(まあでも軽い方)


 男子たちからは……。

 下校の靴を捨てられる。工作の課題をトイレにいったすきに破壊される。(陰湿だけど、damageはそこまででもない。そもそもあの頃の俺はその意味すら分からなかった)

 殴られる。色んな男子たちから、ことあるごとに殴られる。

 一番トラウマとして覚えているのは、カーテンでグルグル巻きにされたこと。

 視界がはばまれる。俺はじたばたする。笑い声が起きる。

 ○○仮面みたいだとか揶揄の声が飛ぶ。腹を殴られる。視界が奪われているので、防ぐことができない。


 ……まあ他にもありますがね。

 何でしょうね。一番のトラウマは、同じ町内会に住んでいたI川さんなんですよ。

 小学の高学年の時、父が逃亡。離婚。うちは母子家庭になって、途方にくれていた母を救うというか励ましたのはエキセントリックなキリスト教で。

 母は町内で布教活動を始めたんすね。その活動が恥ずかしくて。I川さんがうちの宗教のことを言い出さないか、いつもひやひやとしていました。

 クラス替えの度に、I川さんと別のクラスになることを祈り願い望み続けたんですけどね。

 いじめが始まった小学5年から中学2年までの4年間、俺はあの人とずっと同じクラスでした。


 ひどい。ああ無情。その年月に確信しました。俺は不幸の星という宿命に生まれている、と。


 そんなI川さんは結婚しているのかな。案外普通にパート主婦とかしているかもしれん。

 中学の授業の休憩時間に、何かの弾みで俺の顔面に鉄拳パンチを繰り出し続けた名前を忘れたけどいがぐり頭のじゃがいもみたいな顔した彼も、今は子どもと一緒に巨人を応援するおっさんになっているかもしれん。


 もし今顔を合わせたら……。


 ……見ないふりをするだろうなあ。でも、聴いてみたいっちゃあ、みたいです。

 何故、あの時あなた達は俺にあそこまで酷いことをしたのか。

 

 小学、中学、高校という社会では、俺は常に理由の不明な敵意と軽蔑にさらされてきました。

 大学は違ったけど。皆研究に忙しくて、そんな暇ないし。自由だから人間関係も選べるし。

 社会に出てからは、パワハラ職場を巡ったなあ。職場で求められているものと、俺が提供できるものが符号しなかったのが原因なんですけどね。


 小中高の敵意の理由も今なら分かります。

 空気が読めない人間を、集団は排除する。

 そして俺は2歳の時に5階から落ちたせいで、コミュニケーション能力というものが喪われていた。

 それは餌食にもなる。


 でも、それは鉄拳パンチの正統な理由にはならないんだなあ。


 はい。そういうわけで、今回の大事な英単語は、cause(原因)とreason(理由)です。


 色んな不幸がありますよね。財布を落とした、虫歯になった、熱を出して寝込んだ、テストで赤点取った……。

 人生はあらゆる不幸、不運であふれています。full of hard luck

 でも、ほとんどの出来事には原因があります。


 ああ。思わず、理由があります、と書きかけてしまった。でもこの場合は、原因を使いたい。何故なら、英単度のcauseを使いたいから。


 causeの語源はおなじみのラテン語。

 causa(理由)と翻訳されますが、理知的な、思考の末の結論的な理由(reason)ではなく、どちらかというと、『……のせい』みたいな感じです。

 何々が悪い。何々したのが悪い。

 煙草が悪い。香水が悪い。考え足らずの行動が悪い。かっとなったのが悪い。

 などなどの、悪い、です。


 casusaの別の意味には、非難する、があります。

 何々したあんたがあなたがお前が君がてめえが悪いんだよおおおお!!!!

 と誰かを非難(causa)する人を、古代のラテンの人々は遠目に見て、

『ああ。causaしてるね』

 と肩をすくめ、起きた不幸に同情をしていたのでしょう。


 そして時代は流れ、非難の意味のcausaはaが抜けて、つまり発音的にもつづり的にも省略されて、cuseになりました。


誰かを非難する、告訴する、責任を問う時、人は指先をびしっとその相手に突き付けて、

「お前が悪いんだよ!!!!」

 と言います。(突きつけなくても、言わなくても、心の中ではそうします。というより、はた目にはそう見えます)


 相手の方(ad)に理由(causa)を突き付けて、非難(causa)する。これぞ由緒正しき非難、accuse。

 つまりadcausaのcausaがcuseになって、adcuseになって、最終的にaccuseになったんすね。


 一方、理由としてのcauseは、becauseに枝分かれしてます。

 beはラテン語では、元々biで、~によってという意味。

 ~によって+理由で、何々という理由によって、という感じになります。


 Because it is there.


何故ならそれがそこにあるからさ。

有名な人がこんな事をいった気がする。けど内容は忘れました。


 でも、世の中の大体ってこんな感じですよね。

 例えばいじめの首謀者。指揮者。主犯。

 彼または彼女に質問してみましょう。


 WHy did you bully him(her)?


 何故彼をいじめたんですか?


 Because he(she) was there.


何故なら彼(彼女)がそこにいたからさ。


 まあ、こんなもんです。俺がいじめにあったのは、幼少期の事故でコミュ力を喪ってたからでしたが、人によっては、背が大きいから、小さいから、太っているから、斜視だから、アトピーだから、どもり癖があるから、なまりの違う地方から来たから、国籍が違うから……とまあ、千差万別です。


 1つ。字数が多くなってしまいますが、小学校の道徳の教科書に載せて欲しい、ある界隈では有名なインタビューの要約を載せたいです。


 とある私立の小中高一貫校の話です。時代は1980年代かな。

 その学校を仮にw光学園としましょう。そこは有名なアーティストを何人も輩出しそれなりに由緒のある学校でした。

 インタビューに応えた人も、そのw光学園に小学校から通っていました。

 そして、小中高といじめを指揮していました。

 本人いわく、プロデュースです。楽しいいじめの方法を考える。

 小学校の時は被害者をグルグル巻きにして箱に閉じ込め、隙間から黒板消しの石灰をはたき入れる。

 中は酸欠状態。母親の名前を泣いて叫ぶ被害者の声を聴いて、全員で笑う。

 中学校の時は別の人をいじめる。韓国籍の人。そして高校になって、また小学の時と同じ人を加害する。

 この時の内容はとても気持ちが悪くて、全裸にしたり、自慰行為を強要したり、排便をさせてその便を食べさせたりしていたそうです。

 彼は主に『どういうことをしたら楽しいか』を考えて、指示をし、実行させていました。

 楽しいことをしたい。いじめをしたら楽しかった。だから、どうしたらもっと楽しいかを考えて、小中高と実践し続けた。


 ……というエピソードをですね。音楽雑誌のインタビューで応えてるんです。

 小山田k悟さん。


 彼はその後、大学で音楽ユニットを組んでデビューをし、1990年代のファッションリーダーになり、雑誌のインタビューを受ける中で、こんな胸糞悪いエピソードを語っています。

 20代半ばかな。今なら絶対に語れないでしょうし、炎上不可避でしょうけど、その時はそんな空気じゃなかったんでしょうね。


『今会ったら? 悪かったね(笑)って謝るかな』

 みたいな発言が、インタビューに載っています。


 でもこの人は、その後世界的に有名なアーティストになって、映像とポップミュージックの融合とか、音楽による言語を超えた相互理解とか、とにかく素晴らしい業績を……。


 うん。気持ち悪い。

 でも、です。世界的に評価の高い芸術家さんなんです。気持ち悪いけど。

 テレビの子ども向け番組の曲やコーナーも担当しているはず。

 

 うん。気持ち悪い。


 でも、です。これが現実なんです。いじめる人は何を考えているか?

 何も考えていない。殴れそうな人がいるから殴る。


 ちなみに俺の小学校の時のいじめは、先生が俺の作文で気付いて、収束しました。

 で、先生は聞き取り調査を行って、何故殴るのかを男子たちに尋ねたところ、結論としては……。

「やり返してこないから、殴ってもいいと思った」

 でした。

 あらがったらカーテンでぐるぐる巻きにして、視界を奪って、集団で暴力を振るっていた彼らは。

「やり返してこないから、殴ってもいいと思った」

 をreason(理由)にしていました。


 reason

 合理的な思考によって導き出される理由。

 やり返してこないから、という言葉には、やり返さないのが悪い、という含意がありますね。

 でもその前に、やり返しても無意味だと、集団で思わせている。

 そこは都合よく思考から外している。excuse

 cuse(非難)からex(外す)で、excuse

 言い訳。本当にしょうもない、言い訳だなあ、と思います。それを信じた当時のn田先生も。

 n田先生に具体的にどんな凄惨があったのかを説明できなかった俺自身も。


 でも、1つ分かることがあります。いじめのcause(原因)は千差万別。

 被害者はトラウマを植え付けられ、加害者は何も考えていない。


 ただ、その人がそこにいるから、自分にdamage(損害)がないから、する。

 

 それだけのことです。

 利害計算は理性の領域。加害をしても無害な相手がそこにいる。だから殴る。殴るよりももっと悲惨なことにエスカレートもさせていくかもしれないけれど、でも、始まりはそんなものです。


 では、どうするか。やっぱり、第三者に依頼するのが一番だと思います。

 大人ですね。教師ではありません。あの職種には中立というバイアスがかかっています。

 公平に原因を吟味して、いかに問題なく処理するか、が大切な人々ですからね。

 だって、teacherですし。teach(教える)だけのer(人)です。誰かを救う専門ではないんですよ。


 それに、弁護士って怖いですからね。何も考えていない加害者たちも、いじめという行為がわりに合わないと、ちゃんと計算できるはずです。

 行為が割りに合うか合わないか。

 あなたをいじめて楽しい気持ちと、発覚のリスク。

 この比率、ratioを元に加害者は行動します。だからこのratioを変えてやればいいんです。


 ちなみにratioの語源はreriです。

 reriは考える、数える、評価するという意味。

 reriが長い時代を経てratiとなって、ratioに行きついたんですなあ。


 発音的にもratioとreasonは似てますね。

 元々同じreriから生まれた言葉ですから、当然といえば当然なんですが。

 

 ということで、今回の俺の主張は……。


 いじめられている人は、加害者がどうして自分をいじめるか、(cause)原因よりも、どう振る舞えば、外部に働きかければ、加害者の中の損得のratio(比率)を動かせるか考えた方が良いです。

 分からないcauseを考えるよりも、これから起こす行動のreason(理由)を考えた方が、未来は開けます。

 そしてそんなあなたを、誰もaccuse(非難)しません。

 追い詰められてあなたが誰にも言わずに死んでしまっても、加害者たちはaccuseされません。

 世の中で有名ないじめ事件は、基本氷山の一角です。騒がれるのも。

 多くの被害者は声をひそめ、耐え続けるか、耐え切れずに死んでしまうか、あるいはその後の人生に深刻な陰を落とすほどのトラウマを負うかという感じです。


 ちなみに小山田k悟さんの被害者さんたちは、その後、悲惨な人生を送っています。その事をロックだと記事で書いたライターさんもいます。

 気持ちの悪いライターさんですね。


 とにかく、causeではなく、状況を動かすreasonを考えて下さい。


 では、今回のまとめ。


 cause:原因。causaが語源。非難の元。

 accuse:非難する。ad(指す)+cuse(非難)が語源。いじめっ子に今会ったら、指をさして、お前が悪いんだよおおおおおおお!!!!!! と非難してやりたい。

 because:~なので。英語は基本日本語と逆の順番なので、語源は『bi(のために)』『cause(理由)』となります。理由のために、が感覚的に正しい。to eat とか、to go とかと同じ使い方です。『すること』『動作』で、『動作すること』みたいに。

 reason:語源はreri。reriは計算し考える。で、考えられたがreason。計算され考えられたものが、理由、reasonです。

 ratio:比率。比例にも使う。語源はreri。考え、計算されて導き出された数字。これが結論になるとreasonになるわけですな。


 長くなりましたが若者に伝えたい、一番大切なことは、以上です。

 いじめにあっている君。思いつめないで。未来につながる行動の理由を探そう。


 次回からは、もっと明るい話をしていきたいと思います。

 ではでは。


 




 





 

 

 

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