18話 星達の決断
キャラ紹介を作ろうと思ってます!
ヘススは椅子に深く座り、後ろに体重をのせて椅子の前足を浮かせ後頭部を両手で支えながら言う。その顔は残念そうである。
「あーあ、大勢の人間を殺せると思ったのに残念だな。たった一人の少年を殺すだけで王女を手に入れられるのか」
「お前そんなに人間を殺すの好きだったっけ?。まあいいや、ヘスス。まだ続きがあるよ」
今度はテーブルに肘をつけて前のめりで聞くヘスス。目は輝いている。
「面白いのか!」
「お前達にとっては面白いかもな。続きを読むぞ。……ということは早い者勝ちになるというわけだ。従来の五番星から順番に人間の住む島に行くというルールで行うと四番星のエンカルが有利ということになる。一番星のリーズマンは島に行くことなく終わってしまうことも考えられる。そこで順番をお前達で再度考えてほしい。どんなやり方で決めてもいい。たとえ死者がでてもな。これで終わりだ」
エンカルは読み終わると3人の表情をみる。
一番星の最有力リーズマンはアゴに手をつき真剣な表情で考えている。
二番星の女好きファーディは遠くの方を見てボケーッとしている。
三番星のお笑い好きヘススの方を見ると目が合い、ヘススの方からエンカルに話しかけてきた。
「俺はこのままでもいいぜ。エンカルから再開の手順で」
その言葉にファーディは反応する。
「それはなんでだ?ヘスス、もしかしてお前はエンカルが人間に殺られるからこのままでいいと思っているのか?」
「違う違う。俺はエンカルに敵をとって欲しいだけさ。一番ルサンと仲が良かったからな」
エンカルはその言葉が少し嬉しかったが表情には出さない。
「お前は感情で動くことが多いから本当にそう思っているかもな」
「かもじゃなくて本当に思っているんだ。そう言うファーディはどう思ってるんだ?」
「俺か?俺は……。今さら予定を変更できないんだよね」
「はぁ?予定?何なんだよ予定って」
「俺の出番まで女の子と遊ぶ予定はびっちり入ってるんだよね。行きなり中止にはできないからこのままでもいいよ俺は」
それを聞くとヘススはあきれた顔をする。
「はぁー、お前はいつでも女が優先だな。まー、その意思だけは尊敬できるぜ」
「それはどうも。で、リーズマンはどうなの?エンカルは当然このままでいいという意見だから3人がこのままでいいということになるけど」
三人がリーズマンの顔をみる。リーズマンは3人の目をみて話し始めた。
「俺もこのままでいい。最初に決まったルールを代えることは後々面倒なことになりそうだから。それに俺はお前たちと争いたくない」
その言葉を聞くと3人は予想外だと驚いた表情をした。なぜ驚いた表情をしたのかはリーズマンが4人の中で一番花婿になる思いが強かったからと知っているからである。そのリーズマンが自分達と争いたくないからという軽い気持ちでルールを変えないことに驚いた3人である。
「リーズマン本当にいいのか?」
エンカルが再度聞くがリーズマンは首を縦に振った。
「そうか、案外早くまとまったね。俺がルサンの敵をとって花婿になってもお前ら恨むなよ」
エンカルはそう言うとそそくさと部屋を出ていった。
廊下を歩いているエンカルは誰もいない廊下で壁を拳で叩いた。その表情は穏やかではなかった。
(ヘススとファーディは分かる。俺を先にいかせて俺が花婿になっても祝福するだろう。しかし、リーズマンは違う!あいつは俺が人間に負けると思ってルールを変えないんだ!俺だけじゃなくヘススやファーディのことも!)
エンカルは再度壁を叩いて自分の部屋に戻った。




