表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/9

ガチャを見つけて使ってみる

「いたた……。ここは……」


 体の痛みによって目を覚ました。

 どれくらい眠っていたかは分からないけれど、とにかくオークからは逃げ切ったみたいだった。

 体はズキズキするけど、酷い傷は無いみたいで運が良かった。


「どうやって上に戻ろう。——うん?何だろう、あれ」


 僕はどうしようか、と悩みながら歩いていると大きな木の下に変なものを見つけた。


「ガチャ?」


 と書かれている紙が貼り付けられており、中に球体が入っている箱の様なものだった。

 

「あ、裏にも何か書いてある」


 少しだけ透けて見えていたためわかった。

 紙にはこう書かれていた。


『これはガチャだ。紙に貼ってあるコインを穴に入れてハンドルを回すとカプセルが出てくるぞ』

「うん? コイン……。ああ、これか」


 紙にコインは二枚貼ってあった。


「で、これを入れるとカプセル——ああ、この球体のことか。が出てくるってことか……」


 文字と一緒に絵でも説明があった為分かり易かった。


 何か今の状況を変えてくれる物が出てくるかも知れない。


「周りに魔物もいないみたいだし、やってみるか」


 行き詰まっていた僕は、早速ガチャをやってみる事にした。


『ガラガラガラガラ』


 上が赤色下が白色のカプセルが出てきた。


「お、落ちてきた。——えっと……それでこのカプセルを開けたら良いんだね」


 紙に書かれている事を真似しながらカプセルを開けてみた。


「うわ!」


 開けた瞬間、僕は光に包まれると同時にあり得ないくらいの頭の痛みに襲われた。頭の外部が痛いというよりは脳が痛んでるみたいな。

 しかしその痛みが少し落ち着くと、頭に何かが流れ込んできた。


【スキル 神器召喚取得】

「うぅ……。頭が痛い。スキル……【神器召喚】 ……ってええ!」


 スキル【神器召喚】? を取得したらしい……。今はほとんど変わった感じはしないけど。


「初めて聞くスキルだな……。でも名前的に強そう……。——いや、そんなことより!」


 スキルをゲットした。僕はその事がすごく嬉しかった。

 こんな変な物から出てきたから嘘かもしれない。効果も全くわからないスキルだ。


 それでも、こんな怪しい物でも信じられるくらい、スキルをゲット出来たという喜びがあった。疑う気持ちなんて微塵もなかった。


「コインはもう一枚あるしもう一個スキルをゲットできるかもしれない!」


 そして僕はもう一度ガチャをする事にした。スキルを手に入れる時頭が痛くなったけど、スキルが手に入るくらいならそれくらい軽いものだ。


『ガラガラガラガラ』


 今回は上が金色、下が白色のカプセルだった。

 

「よし。開けてみるぞ」


 出てきたカプセルを開けてみると光に包まれるのではなく、煙の様なものに包まれた。

 その煙と一緒に出てきたのが


「え……! 女の子?」


 僕と同じくらいの歳の女の子だった。魔法使いの様なローブを着ており、とても長く真紅の髪は、薄い緑色のリボンでツインテールに結ばれておりとても可愛い子だった。


 その子と目が合うと途端に


「——ひぃ! も、もう許して! もう、あんな事は絶対にしないから」


 といきなり謝ってきた。

 体がブルブルと震えており、大きく真っ赤な瞳をした目は限界まで開かれていた。


 何でそんな怯えてるの。話も聞きたいし、取り敢えず彼女を落ち着かせよう。

 僕は彼女を落ち着かせるため優しく接する事にした。



「取り敢えず、落ち着こう?」

「い、いや……もうやめて……」


 宥めようと声をかけても相変わらず反応は変わらない。

 どうしようかと頭を捻らせていると、小さい頃母さんにしてもらった事を思い出した。


「落ち着いて……。ゆっくり息を吸って、吐いてー……」


 僕はそう言いながら丸くなっている彼女を抱きしめた。

 いつも僕が泣いている時にして貰ってた事だ。

 少しすると彼女は震えも止まり、落ち着いているように見えた。

 そのため僕は背中に回している手を離して、話しかけた。


「落ち着いた?」

「ええ……。……って、あんた誰よ!」


  落ち着いた途端、僕から離れて驚きながら訊いてきた。忙しい人だな。


「僕の名前はアシェル・ナーベラル。君は?」

「私はドラゴンのルイスよ」


 うん? 何か変なことが聞こえた様な……。


「えっ……! ドラゴン⁉︎」

「ええ、そうよ」

「信じられない……」


こんな可愛らしい女の子がドラゴンだなんて。


「なら、これでどうかしら」


 そう言ってドラゴンと名乗るルイスさんはいきなり何かを唱え始めた。僕には訊いたこともない言語だった為聞き取れなかった。


「どう? これで納得できた?」


 と言ったルイスさんは真っ赤なドラゴンに変身していた。


「うわー! 凄い!」

「えっ! 私に怯えないの?」

「びっくりはしたけど怯える事はないよ。何故かわからないけど、人のことを襲わないって感じがするし」

「どこからそんな根拠が出てくるのよ……」


 ルイスさんは僕の言った事になんだか呆れたようにそう呟いた。


「まあいいわ。あなたに色々聞きたいこともあるし。一度人間の姿に戻るわね」

「うん。僕も聞きたい話あるし」


 少し残念だけど人の姿の方が話しやすいし、しょうがないよね。


 元に戻ったルイスさんと早速いろいろ話す事にした。


ブックマーク評価感想してくれると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ