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<ティフェレト編>32.王室潜入

32.王室潜入



 「余がこのラザレの王、ムーサ・プレクトラム・マッカーバイである」


 威厳のある声はこの広い謁見の間に響く。

 部屋に響くというより、部屋とも共鳴した形で頭の中に響くと言ったほうがいい。

 ソニアも王との間近での謁見は初めてであり、声を聞くのも初めてだったため、頭の中に響く声を聞いて困惑している。

 おそらく、これ程の威厳ある心に響くような声の主が偽物の王なのだろうか?と。

 横の影から1人の着飾った小太りの男が現れる。


 「この度の貴様らの活躍、我らがムーサ王もたいそうお喜びである。そこで褒美をとらせる」


 小太りの男はこの国の宰相だった。

 催し事は全てこの男が取り仕切り、民衆の前の演説も全てこの男が行っていた。


 「ふたつの王室クエストを見事達成した」


 小太りの宰相は羊皮紙に描かれた内容を読み上げている。


 「ひとつめはクエストレベル、アレグロのグコンレン軍の殲滅である。貴様らの活躍は目を見張るものがあり、我王国軍に参戦だけでなく、敵指揮官を討つまでには至らなかったが、急きょ組織した100人隊を指揮したスノウ、貴様の功績には多大なるものがある。よって、金貨30枚と銀貨30枚及び音防のマントを授ける」


 どうやら評価は上々で元々の報酬に加えて褒美もあるようだ。


 「ふたつめはクエストレベル、フォルテッシモの巨大で醜い化け物退治である。これは騎士団や数々の上級冒険者たちが挑んだがそのほとんどが帰らぬものとなり達成し得なかった極めて難しいミッションであった。それを先のクエストに続けてあっさりと達成したものであり、その功績は極めて大きい。よって、金貨300枚と音蓄のガントレットを授け、加えて特別王宮騎士の称号を与えるものとする」


 「おおお!」


 ザリウスの隊の騎士が一斉に歓喜の声をあげる。


 「鎮まれ!王の御前である」


 宰相が制する。

 スノウは正直そこまでの功績だったのかと疑問に思ったが貰えるものは貰っておくとした。

 スノウ本人も自分の成長は自覚していたが、客観的に見た自分の強さは正直わからなかった。

  相手が弱い場合、対峙し相手のオーラを感じ取った時点で勝てるかどうか大体わかるくらいにはなったが、三足烏サンズウーのホウゲキのように自分より遥かに強い存在を知っているだけに自分を過大評価することはなかった。

 だが、急速な成長に自分の認識が追いついていないようだった。

 本来であれば、長い鍛錬や修行を経て少しずつ強くなる。

 稽古や実践で勝てなかった相手にやっと勝てた瞬間など少しずつ自身の強さを実感していくものだが、スノウの急激な成長はそのような感覚を持てるようなものではなかったのだ。

 逆に言えば自分の強さに奢ることがなかった。

 これまでは。


 「冒険者スノウ!前へ」


 「はい」


 ソニアが事前に手順を教えてくれていたので間違うことなく対応できた。

 ムーサ王から直接、マントとガントレットを受け取る。

 そして胸に特別王宮騎士の称号をもしたエンブレムをつけてもらう。


 「大義であった。これからも我が国、そしてラザレの民のためにその力を奮うことを期待している。そなたの音が真空をも貫く刃たらんことを」


 (なんだ‥‥この頭の中で反響する声は?!)


 スノウは言い知れない不思議な感覚に陥っていた。

 三半規管が上手く機能しておらず(しょう)じためまいのような、もしくはまるで酔っているような感覚に襲われたが、王の声の反響が頭の中で小さくなっていくにつれて元に戻っていった。

 その後、宰相が報酬の金貨を手渡してくる。


 「大義であった」


 「うっ!!」


 手渡された瞬間、スノウは後頭部を殴られたかのような痛みと重さを感じる。

 思わず両膝をついてひれ伏す形となった。

 まるで誰かにそうさせられているかのような強い重圧がスノウを襲う。

 周りからは畏まっているように見える為、違和感はなかったがスノウは全身から汗が一気に噴き出るのを感じた。


 (な、なんだ‥‥この重圧。王のものか?い、いや、この目の前の小太りの男だ‥‥)


 スノウはかろうじて顔を上げ目の前の小太りの男の顔を見る。

 その表情は微かに笑みを浮かべているが、不気味なのは目だった。

 先ほどまでは茶色だった眼球が、黄色の蛇ような目になっている。


 「おやおや、そこまで畏まらずともよのですよ?さぁ、戻りなさい。王の御前、これ以上は無礼にあたるのでな」


 そういうと、一気に重圧が解け、スノウは一瞬よろけるが踏ん張って立ち上がり元いた場所まで戻った。


 (まずい!この男はまずい!この男に近づかないようレンとエスティに伝えなければ!)


 王は玉座に座り、その横で宰相が話始める。


 「さて、此度の貢献の褒美は以上だ。それで早速で申し訳ないのだが、特別王宮騎士のスノウ、貴様に早速王室司令を申しつける」


 「!」


 (そう来たか。やはりこの称号はそういう意味だったんだな‥‥。やってくれるぜこの男。しかし一体何者だ?この言い知れぬ不安感と吐き気に近い感覚‥‥人間とは思えないぞ‥‥)


 「禁断の地に住まうホワイトドラゴンの討伐だ」


 「!!!」


 スノウとソニア、そしてレンは一瞬驚く。


 (これはどう捉えればいい?スメラギの依頼によるものか、それとも‥‥まさかこの宰相の企み?いや宰相が王と繋がっている可能性もある。いや、これは受ける以外の選択肢はない。スメラギの依頼によるものかは直接彼に聞きに行けばいい。それよりもレンにこの宰相には近づくなと伝えなければ‥‥)


 スノウは突如現れた自分を簡単に抑え込む程のプレッシャーを与える存在に完全に面食らっていた。

 万が一レンが宰相に近づく場合、最悪バレて殺される可能性がある。

 もっと最悪なケースはレンが宰相自身に音変化しようと試みる場合だ。

 そうなれば確実に殺される。

 宰相のうちに潜む人ならざるオーラと重圧は、宰相本人が抑え込んでいるのか、常人には感知する事ができないようだった。

 スノウの天技:エンパス(感応能力)によるものと思われるが、これはスノウだけが持っている能力であるため、他のものたちには感知できないという事にスノウは納得していた。

 当然近くにいるソニアもレンと同様に感知出来ていないだろう。

 自信のあった作戦は、突如出現した強烈な変化点によって揺らぎ、作戦の修正をしたくとも止められない状態に陥っている焦りもあり思考が思うように働かない。


 (ここで何か体調不良的な演技をしてレンの側に行き伝えるか?いや、何考えてんだおれは!この状況でそんな事をすれば真っ先に宰相が怪しむ)


 仕方なく、その場は宰相からの新たな王室クエストを受ける形で終えた。

 王宮を出るや否やスノウはエスティやゴーザのところへ急いだが、時すでに遅くふたりは既に潜入していた。

 再び王宮に戻り、特別王宮騎士の特権で内部に入りレンを探そうとしたが、特別王宮騎士とは名ばかりで王室クエストを優先的に請け負えることと、王宮騎士からパーティメンバーを募ったり場合によっては王宮騎士隊の出動を要請できるというもので、都合よく王宮に使われる立場に過ぎなかった。


 (クソ!どうする?ケリーに思念を伝えてもらうか?いやハルピュイアには伝わってもエスティたちに伝わるか?いやそれ以上にあの得体の知れない宰相に伝わっては不味い‥‥)


 そうこう考えているうちにあっという間に夜が更けてしまった。 



・・・・・


・・・



―――翌日―――


 ソニックがスノウのところに来た。

 ユーダによって王が本物であるかどうかの見極めができたようだ。

 取り敢えず、ユーダのいる白い巨大な塔へ向かった。



・・・・・


・・・



 「やぁ、スノウさんおはようございます」


 何やらいつもより上機嫌に見える。


 「さぁ、そこに掛けて」


 ユーダに促されるままスノウは椅子に腰掛ける。

 エスティたちの事が心配でならない。

 うわの空ではないが集中力が欠けている状態だ。


 「結論から言いましょう。王は偽物です」


 「!!」


 「驚きましたか?私は想定内でした。おそらくスノウさんにはあの偽王の声が本物であると思われたのではないですか?」


 「ああ」


 「偽王の声、おそらくですが、スノウさの頭に響くような声ではなかったでしょうか?」


 「確かに、頭の中で声が反響していて、その声がおれの頭蓋骨の中で前後上下左右あらゆる方向に飛び跳ね返る感覚だった。それによってめまいというか酒に酔っているというか、ふらふらしたのを覚えているよ」


 「なるほど」


 「あれが言霊の力なんじゃないの?」


 「いえ、違いますね。プレクトラム王から受け継がれた言霊の力は人には内側から多幸感を与えて動かすものです。意識はしっかりしていて、言葉に従う事が幸せだと感じるのです」


 「確かにあの王の言葉の響き方は多幸感では無かったな。どちらかと言うと強引にというか酩酊させて言う事をきかせるような感覚だったな。そう言う意味では偽ものというあんたの主張には頷けるよ」


 「ご納得頂けたようですね」


 「ところで、宰相ってどんな人物なのか知ってるかい?」


 「ああ、知っていますよ。深い面識はありませんが、何度か会っています。その際に彼の音の波動は見ています。頭はいいですが、虚栄心が強いですね。リーダーとしての資質は正直ありませんし、度胸もないのですが、口の上手さと風向きを読む力に長けている事で今の地位を獲得しています。運もありますね。くどいようですが、言ってしまえば小物ですから特に心配はないと思いますが?」


 「そんな風には見えなかったな。何かこう‥‥圧倒されるオーラのようなものがあった。‥‥そう、例えば王の威厳みたいな感覚のオーラはむしろムーサ王より遥かに強く大きかった気がするんだ」


 「そうですか。ソニック、あなたの目にはどう映りましたか?」


 「僕には普通の御仁に見えました。ですが、スノウは僕より遥かに物事を見通すお力に優れておられる。僕はスノウの仰る事を信じます」


 「分かりました。信じましょう。宰相の声、つまり彼の音を聞かなければ真偽はわかりませんが、おそらく王と共に偽物に変わっている可能性がありますね」


 「そうなのか?」


 「この国を牛耳るのならば、王とナンバー2を抑えてしまえばよい、という事です。そして王とナンバー2を抑えて得するのは誰か‥‥という事です」


 「‥‥‥‥」


 さもスメラギが裏で牛耳っていると言わんばかりの含みのあるユーダのコメントにスノウは更に混乱する。

 ユーダの言う事はとても理解できる。

 だが、スメラギに直に会い、彼が同じ日本からの越界者であり、そこで感じた彼の純粋に科学を突きつめたいという情熱と、この国を支配するという欲がどうしても合致しなかったのだ。

 スノウは、ユーダにホワイトドラゴン討伐によって得られるマクロニウムを王室、つまりスメラギに渡さず、ユーダに渡す事で了解し白の塔を後にした。

 スノウは1人宿屋に向かっていた。

 頭の中でレンやエスティ、ゴーザが宰相に捕まり命の危険に晒される妄想が勝手によぎり、しかも自動的にリピートされ続けていて思考が回らなくなっていた。


 「エントワなら‥‥アレックスなら‥‥ロムロナなら‥‥どうしたかな‥‥」


 今までホド・レヴルストラメンバーを失い自分で作戦を立てこの地でできた仲間を率いて進めてきた。

 それなりに自信もついたし、何かあれば自分の強さを持ってすればなんとかなると高を(くく)っていた。

 だが、単なる奢りだった。

 メンバーを信じる気持ちは有ったが、任せるならきちんとリスクも伝えて覚悟させるべきだった。

 単におだててやる気を出させ調子に乗せただけだった。

 それは信頼ではなく、上辺だけ取り繕った丸投げだ。

 だが、今更後悔したところでもう遅い。

 作戦は既に動き出し、止められなくなっている。

 スノウはただ、目の前のもやもやを少しでも晴らすべく、スメラギの元へ向かった。

 もう一度彼の真意を確かめるために。



―――ラザレ王宮都 城内―――


 レンは音変化を繰り返しわらしべ長者のように位の高い存在への少しずつ変わっていた。

 ある程度の地位の人物に変化した段階でエスティとゴーザを侵入させていた。

 調べたところによると、王は夕食をとった後、人払いして自室にこもりしばらくしてから就寝するというのが日課のようでエスティたちは夕食時に王の寝室に侵入し、夕食から戻ってきたら本物かどうかを確かめるという計画を立てていた。

 日も落ち慌ただしく準備をしていた給仕たちが落ち着き始める。

 どうやら夕食ができたようだ。

 王には子がふたりおり、王子と王女そしてお妃、そして王の兄弟と夕食をとり始めた。

 他愛のない話が続いている。

 レンは執事のひとりに変化しており、いつ王から何か命令がきても対処できるように少し距離をとった壁際で姿勢を正して立っていた。

 夕食後、自室に向かうところまでの付き添いも含めての役割を負っており、部屋の内部で潜むエスティとゴーザに合図を送る手筈になっていた。


 「さて、みんな食事は済んだようだな。それではそろそろ寝るとしようか。わしはこれで失礼するぞ」


 「お父様、おやすみなさい」

 「お父上、おやすみなさいませ」

 「王よ、どうか今宵も良い夢を」


 それぞれが王に就寝の挨拶をし、部屋を出る。

 王も部屋を出て自身の寝室に向かった。

 寝室のドアの前、レンは3回ノックした。

 念の為メイドが掃除などしていないかなどを確認する行為だったが、丁度良くエスティやゴーザへの合図になった。

 レン扮する執事は扉を開けて寝室の中に王を招き入れ、自分は室内に入らず一礼してドアを閉めた。


 作戦は、こうだ。

  ・ノックで確認したにもかかわらずエスティ扮するメイドが寝る前の掃除をしている。

  ・メイドが寝室に残っている事に驚く王にメイドのエスティは頭を深く下げて謝罪し出ていこうとする。

  ・その直前に、既に王の一部に触れているレンが王に音変化して部屋に入る。

  ・メイドのエスティが “王がふたりいる” と驚き騒ぎ立てる

  ・そしてメイドのエスティが “いつもお見かけしている王様と少し違う” とレンではない方を指差す。

  ・レン扮する王は、衛兵と叫ぶ。その合図でゴーザ扮する衛兵が入ってくるが同様に驚く。

  ・王に偽物かと追及し判断する。

  ・仮に本物の王だった場合、レン扮する偽の王をゴーザが連行すればよい。

  ・仮に偽物だった場合、その場で取り押さえ目的と誰の指示によるものかを聞きだす。


 計画通り、掃除をしているフリをしているメイドのエスティは、王が入ってきた瞬間に驚き畏る演技を見せる。

 そして急いで出口の方に向かい頭を深々と下げ、謝罪の声をあげた。

 その声をトリガーに、レン扮する王が扉を開けて入ってきた。

 困惑の演技を見せるエスティ。

 王の反応を見る。

 確かに動揺している。


 「貴様‥‥なぜここにいる?!」


 (来た!!)


 「貴様こそ誰じゃ?!衛兵!衛兵!侵入者がいる!即刻捕まえよ!」


 レン扮する王が叫ぶと同時に衛兵に扮したゴーザが入ってくる。


 「あの者は余の偽物!即刻切り捨てよ!」


 レン扮する偽王は先手を打って、王を対象にしむけてゴーザ扮する衛兵に攻撃するよう指示する。


 「待て!余が本物の王じゃ!あの者が偽物!切り捨てるのはあちらの偽物じゃ!」


 「いや!嘘を言うでない!貴様先ほど、 “貴様、なぜここにいる?!” と申したではないか!それはわしに成り代わっていたから出たセリフであろう!観念せよ!」


 「!!」


 失敗したと言わんばかりの表情を一瞬浮かべてた王は急に黙り下を向いた。


 「‥‥ハハ」


 「何がおかしい?!」


 「ハハハハハッ」


 「何がおかしいのだ?!貴様!」


 レンの迫真の演技がひかる。


 「ハハハハハハ!!アーハッハハハハ‥‥ハーァ‥地下牢に閉じ込めていた貴様がどうやってここに辿り着いたかは知らねぇが、なぁんの問題もなくて、むしろこれからの殺戮を楽しむ時間が出来て嬉しくなったのよォ!!」


 ゴーザとエスティは戦闘態勢を取る。


 「貴様‥‥何者だ?!」


 「はぁ?!今更何言ってんだぁ?散々痛めつけてやったろう?地下牢でよォ!!」


 そう言い放つと変貌した王は少し沈黙し、下を向いていたが突如目を見開いて叫び始める。


 「オメェら一体誰だ?!テメェ、ムーサ本人じゃねぇな?!成りすましてんだろう?俺と同じようによォ!!」


 そう言うと体をクネクネとさせ始める。

 血管が浮き出て、筋肉が盛り上がる。

 足はヤギの足に変わり、背中から大きく黒光するコウモリのような翼が現れる。

 頭からは角が生えており、肌の色もみるみるうちに変化し黒青になっていた。


 「悪魔?!」


 「ピンポーン!」


 「戦うよ!」


 ゴーザも同様にいつでも切り込める状態になっている。

 レンは下がりドアを閉め、誰も入ってこないようにした。


 「あららー、計画通りってやつ?はぁぁぁぁめんどくせぇなぁ!!」


 目の前の悪魔は声を荒げながら血管をうき立たせ、怒りをあらわにした。


 「ひれ伏せ!」


 その言葉に吐き気をもよおす嫌悪感を覚えながら、まるで平衡感覚がなくなってしまったかのようにふらついて思わず膝をつくエスティとゴーザ。


 「な、なに‥‥これ?!」


 「これが言霊ってやつだろう。そしてこいつはただの悪魔じゃねぇってことだ。おそらく上級悪魔だ」


 「ご名答。だからさっき言ったろう?なぁんも問題ねぇって!そしてオメェらはこれから俺にミンチにされんだよ!喜べ!ハッハハァーー!!!」


 偽王の場合、戦闘になることは予想していたが、いきなりピンチになるとは思っていなかったふたり。


 「嬢ちゃん!気合入れるぜ!いいな?!」


 「言われなくてもわかってるよ!」


 ふたりは地面に這いつくばりながらも剣を手にしていた。


 グザァ!!


 エスティとゴーザはそれぞれ自分のモモに剣を突き刺した。


 「ぐ!」

 「ぬん!」


 痛みで我に返ったのか酩酊状態は一気になくなった。

 レネトーズ邸でコグランが使った言霊を覚えていたため、一応対処法を用意していた。

 痛みで精神操作を断ち切るというものだ。

 すぐさまエスティは回復魔法を自分とゴーザにかける。


 「さぁて!反撃だぜ?!」

 「ええ!」


 示し合わせたかのような連携した構えを見せるエスティとゴーザ。

 上位悪魔との戦闘が始まった。




12/29修正

・・・・・・・・・・・・・・・

次は日曜日のアップです。

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