<ホド編>19.天技
19.天技
「おぅい、ロムロナ。スノウはどこ行ったぁ?」
「あぁ、部屋に閉じこもってるんじゃぁないの?甘ったれボウヤだからぁ」
「んぁ?どした、何かあったか?」
ロムロナは世界竜から呪詛加護を入手した後の状況を説明した。
「そうか‥‥‥」
「その後蒼市に戻る間もずっと部屋に閉じこもって抜け殻のようだったわねぇ。でもこればかりは自分で乗り越えるしかないからねぇ」
「んぁ、まぁ大丈夫だろう。俺ぁあいつを信じるぜ。はっははー」
「まぁねぇ。何かを考える余裕もなく戦ってたらウジウジしてる暇もないわねぇ。そんなウジウジしているスノウボウヤをいじめるのも楽しみの一つだったのだけど、うふふー」
そんな2人の会話をよそにスノウは1人部屋の中で考えていた。
頭で分かっていても心では腹落ちできない状況にイライラを感じていた。
(そもそも裏切られるってなんだ‥‥‥)
自分が思っていた相手の像に対して、突きつけられる現実にギャップがある場合、そのギャップがネガティブだと裏切られたと感じる。
これが嫌でスノウは、雪斗時代に人との関わりを絶ってきたのだった。
(おれがそのギャップを感じたら裏切られたと思って辛くなる。じゃぁおれが死ぬまで、いや死んで以降もそのギャップを受け入れなかったら、それは最後まで裏切られていない事になるな‥‥‥)
側から見たら馬鹿馬鹿しい理屈だが一理あるとスノウは思った。
裏切られるのが嫌ならば、裏切られていないと思い込んで、思い続けていればいいんじゃないか?
馬鹿だと言われるかも知れないが、元々馬鹿なやつだと思われるほどの関心も持たれない存在だった訳だから、今更馬鹿扱いされたところで何ら心は痛まない。
むしろ誰かと苦楽を共にして何かを乗り越えるような経験ができるのなら馬鹿扱いされる程度なんでもない。
(それだけ、レヴルストラメンバーには色々な感情を貰った)
と言っても直ぐにそんな愚直な姿勢も取れないだろう。
どうせまたネガティブな感情に引き戻されてしまうかもしれない。
その時はあのニンフィーの涙とエントワ、ニンフィーの腕に走った黒い血管の侵食を思い出そう。
本当の意味で雪斗がスノウに変わり始めた瞬間だった。
・・・・・
・・・
―――蒼市のどこかの一室―――
「ホウゲキさん、レヴルストラのやつら追わなくていいんですか?僕たちの船なら8日で素市に着く!あそこはアレクサンドロスを葬るにはうってつけだ!この間の汚名を晴らさせてくださいよ!」
「だめだ」
「なんでですか?!あいつらが僕らに勝てないと理解し強化のためにダンジョンに潜るのは明白じゃないですか?!まぁどんだけ強くなろうが負けませんがね!ただ、一刻も早く殺してぇ!特にあのクソ狼野郎はね!」
カヤクは戦闘中に一杯食わされ下半身丸出しにされ且つ取り逃がした情景を思い出すと怒りで居ても立ってもいられなくなる。
一刻も早くワサンやエスティを殺し、恥ずかしい過去を闇に葬りたいのだ。
「ラッハハー!焦ることはないですよォ?カヤクさん」
(!?‥‥その声は‥‥)
一番会いたくないという表情を浮かべてカヤクは声のする後方へゆっくりと目をやる。
「フンカァァァァお前ぇぇぇ!」
「おぉ!フンカよ、よく来たな。しかし今は作戦会議中だ、今後我輩の部隊に戻るなら席に加われ、でなければ去れ」
「やですねェホウゲキ様。私はあくまであなた様の部隊・烈の分隊長ですよォ。仲間はずれはやですねェ」
「フンカてめぇ!お前が仲間な訳ないだろぉぉ!まんまと洗脳されやがって!」
「人聞きの悪い。その言い方は嫌ですねェ。私に指示を下さるセンノウ様は三足烏連隊全体を見る参謀でいらっしゃるのですよ?あなたのその発言、分隊長にそぐわないですねェ」
このフンカと呼ばれた男、見た目は小柄で細い子供のような体つきで、顔は目の垂れ下がったたぬき顔の優しい大人顔という違和感を覚える風態の人物である。
三足烏・烈の連隊長であるホウゲキの部下で分隊長を担っている一方で、三足烏の参謀を務めるセンノウという人物の下で特命を受けて活動する二足の草鞋を履いた隊を纏めているらしい。
フンカとカヤクは因縁の間柄で、幼い頃はよく喧嘩し周囲を焼け野原にしていたという。
普段のフンカはその見た目通り穏やかな雰囲気で口調も優しい。
“嫌ですねェ” が口癖らしいが、怒ると火山の噴火のように荒れ狂い手がつけられなくなるため、力で抑え込めるホウゲキの配下として活動していたが、カヤクとの相性が悪く度々喧嘩による大惨事を引き起こすことから見兼ねた三足烏上層部が参謀の特命任務を遂行する小隊として事実上切り離したのだ。
しかし流石のフンカもホウゲキに対してキレて荒れ狂うことはない。
過去に一度有ったのだが、その際のホウゲキの圧倒的強さは我を忘れているフンカが恐怖を覚えたほどだったらしい。
因みに、他の連隊長が弱いのではなく、”ひと睨み” で殺さずにフンカを止めることのできる肉体的力を持った存在がホウゲキだけ、ということで他の連隊に置くとすぐ連隊長に殺されてしまうことでホウゲキの配下に置いている。
本人としては一度別の連隊 “迅”の連隊長に殺されそうになった経験から、火山の噴火のように猛り狂うことは望んでいないため、自分を挑発するように聞こえるどんな些細なことも否定するようになり “嫌ですねェ” が口癖になったというが本当かどうかはわからない。
「フンカよ。そこまでにしておけ。貴様がここへきた理由を言え」
「えぇ。センノウ様からの伝言です。1ヶ月後に一旦本部への帰還命令が出ました。予てより警戒すべき存在だった虚無がネツァクにて本格的に動き出した模様」
「なに?!なんなんですかあいつらは!ホウゲキさん!あんなの天使どもに任せておけばいいんですよ!」
「カヤクよ。黙って聞け」
イライラを隠せないカヤクを制するホウゲキ。
「本格的にとはどういう事だ。具体的な動きを報告せい」
「虚無の使い魔が現れたとのこと。虚無の存在を知るチャンスのため、必ず捕らえよとのご指示です」
「誰の指示だ?ジクウ様か?」
「いえ、その上の上‥‥です」
「フン。わかった。ホド元老院様のご命令を完遂し必ず馳せ参じると伝えよ」
「御意」
そういうとフンカは一瞬で姿を消した。
「フンカ‥‥。相変わらずムカつく顔ですね。子供おじさんみたいで。今の僕なら簡単に殺せるのになぁ。ホウゲキさん、あいつ殺しちゃだめですかね?へへへ」
(あいつに受けたこの胸の傷‥‥僕のこの美しい体に傷をつけたフンカとワサン!許さないよ!絶対にね!)
軽口とは裏腹に心の中では痛み疼く傷跡に怒りがこみ上げ体は震えている。
「ホウゲキさん、僕たちの役目は元老院様の御意志に従って動くこと。元老院様があのようなちょこちょこといざこざ起こして喜んでる得体の知れない存在の虚無のやつらを気にするとは思えませんがねー」
「たわけ者。崇高な元老院様のお考えを我らのような者たちが推し量ることが出来ようか。貴様あとで殺してやろう」
「ちょっとちょっと!殺すならフンカのほうでしょうが!」
いつものやりとりのようで笑いながらツッコミをいれるカヤク。
「それよりも素市に向かわなくていいんですか?」
「構わん。あやつらがどれほど鍛えようと油断のない我らには及ばん。カヤクよ。もし油断するようなことがあれば我が貴様を殺してやるから覚悟しておけ。それにあやつらを泳がすこともまた元老院様の計画の内なのだ。あやつらを殺すタイミングは既に練ってある。貴様は油断しないことだけを考えておけ」
「おぉ怖―。まぁホウゲキさんがそう言うならそうなんでしょーねぇ。でもワサンだけは僕が殺しますから他のやつにやらせないでくださいよ?」
「フン」
接着剤でくっついているかのように組んだ腕を少しも動かさず立ち上がり歩いていく。
「ホウゲキさん、どこへ行くんですか?」
「厠だ」
「はいはい、トイレですね。くれぐれも便器壊さないようお願いしますよ。毎回直すの大変なんですから」
・・・・・
・・・
―――ヴィマナ内―――
「まもなく着きます。ここからは時間との戦いです。みなさん準備はよいですか?」
「万端―。だけどエントワボウヤ、そのダンジョンにはどういうメンバーで入るの?短期で個々の能力伸ばすなら個別行動の方がいいと思うんだけどねぇ」
「さすがロムロナ。私、ニンフィー、ワサン、エスティ、ライジは単独行動です。スノウ殿はロムロナと行動をともにしてください」
「え!」 (ロムロナ)
「え!」 (スノウ)
「え!」 (ライジ)
思わずスノウとロムロナも驚く。
ついでにライジも驚いている。
思いもよらぬ組み合わせとスノウは思った。
(なぜおれだけ二人組?みんな単独行動なのに。そんなにおれって弱いって事か‥‥)
「エントワボウヤ!流石ねぇ私とスノウボウヤを組ませるなんてーウッフフー。よ・ろ・し・く・Ne!ボウヤ」
「エントワ。ロムロナはおれのサポートか?おれがまだ弱いから‥‥」
スノウはショックを承知で質問した。
少しでも思ったことは口に出すと決めたからだ。
そうしないと自分を変えることは出来ないとスノウは思っていた。
大した決意でもないのだが、スノウにとっては大きな一歩だった。
そんなことを考えているスノウにロムロナが抱きついてくる。
「や、やめろ!馴れ馴れしいな!」
「いいじゃないのぉ〜。あたしたちパートナーなんだからぱぁとなぁ!ウッフフー」
『チッ』
なぜかニンフィーとエスティが、スノウに抱きついて嬉しそうにしているロムロナを横目で睨み舌打ちする。
(ニ‥‥ニンフィーが舌打ち?!キャラが変わってきてないか?!)
スノウは、何かショックなものを見てしまった感じだった。
(エスティはともかくニンフィーが‥‥)
「スノウ!あ、あなたねぇ、さっき食べたご飯が歯に挟まってたから取っただけだわ!舌打ちなんかしてないからね!」
顔を真っ赤にして慌てて取り繕うエスティ。
相変わらずスノウは心の内を読まれるようだ。
ニンフィーは両手で顔を覆って恥ずかしがっている。
「エストレア総帥、ご飯食べたの5時間前ですし、歯に挟まったものを舌打ちのようにとるのはもっと下品なのでは?」
「死ンダナ」
「あぁ、死んだ」
周りの予想通り、エスティから腹に何度も蹴りを入れられライジは悶絶している。
そんな光景に我関せずといった様子でエントワが先ほどのスノウの質問に答えた。
「スノウ殿は魔法を会得する必要があります。あなたは気づいていませんがあなたには天技が備わっているようです」
「天技?」
(なんだそれは?魔法やスキルとは違うのか?)
「ええ。自然界が与える、その者が唯一持ち得るスキルです。これを持ち得る事は非常に稀です。これは人間に限らずあらゆる生き物に言える事です。我らレヴルストラでは唯一ロムロナがその天技の持ち主ですね」
「ウッフフ〜、すごい?褒めていいわよぉ。なんなら抱かせてあげてもいいわぁ」
ボギン!
ニンフィーの立っているあたりで何か硬いものが折られる音がした。
「その天技っていうやつだけど、ロムロナはどんな固有スキルなの?」
「彼女は地上・水中どちらでも普通に呼吸できる存在なのです。魚人は人類と魚類その血の濃さで肺呼吸かえら呼吸のどちらかに分かれるのです。肺呼吸なら地上に住み、えら呼吸なら海中に住む。このヴォヴルカシャではほとんどの魚人は海中に住むえら呼吸の持ち主ですが、彼女だけは肺呼吸・えら呼吸の両方が可能な魚人なのです」
「すごいぃ?魚類の中にはハイ魚っていう肺呼吸・えら呼吸両方できる生物もいるけどぉ、えら呼吸を完全に使いこなせないから長いこと海中にいると溺れちゃうのよねぇ。でもあたしは大丈夫。どれだけ潜っても快適ぃぃ。ウッフフー」
「それでおれの天技って何なの?」
軽快に無視してみるがロムロナはめげずに喜んでいる。
スノウに抱きついては、離されるという繰り返しのじゃれ合いにニンフィーとエスティは更に苛立ちの表情を浮かべていた。
「スノウ殿はエンパスと呼ばれる感応能力のようですね」
「感応能力?」
「ええ。その場で見て肌で感じたスキルや魔法の原理やしくみを共感し自分で使えるようにしてしまう能力です。例えば‥‥ライトオフ」
エントワがそう言うと会議室の灯りが消え真っ暗になった。
「エントワボウヤぁ!これってあたしとスノウボウヤが‥‥」
「な、何すんの!エントワ!」
暗闇の中、真横に感じるロムロナに恐怖しながら問いかけた。
「スノウ殿。試しにサイトオブダークネスを唱えてみて下さい」
「え?あぁ、あのニンフィーとかがよく暗闇で使ってるやつね。あ、そっか‥だから部屋の灯りを消したんだね。えぇっと、サイトオブダークネス」
部屋の灯りは消えたまま自分の視界が晴れる。
「!」
スノウは魔法を使う感覚は既に覚えていたため、あとは頭の中でイメージするだけだったが、見よう見まねで唱えてみると上手く作動した。
(これで暗闇でも戦える!)
「ライトオン」
「うわ!!」
一気に部屋が明るくなり、自分の視界が光で真っ白になった。
サイトオブダークネスを解除する。
しばらくして視界が回復する。
「こういうことです。スノウ殿、あなたは既に戦闘を共にし見て体感した魔法やスキルが使えるようになっているはず。あとはそれらを認識し戦況に応じて使い分ける必要があります。ロムロナは我らレヴルストラで最も数多くの魔法を使えるメンバーです。魔力こそニンフィーには及びませんがこの3日でスノウ殿に会得して頂きたいのはロムロナの全てです」
「いやぁぁエントワボウヤ!わたしのす・べ・てってぇー。あんたも中々のものねぇ!」
「ダンディズムフレイム!」
見よう見まねで手を左から右に振りかざすとその腕から炎が飛び出しロムロナに向かってブーメランのように飛んで行く!
「おお!私の技!」
「ウォーターウォール」
ロムロナは余裕の表情で水の壁を作り出しおれの放ったダンディズムフレイムを掻き消した。
「スノウ殿!見事!私の技を直ぐに使ってみせるとは」
エントワはとても嬉しそうだ。
ロムロナはもっと嬉しそうだ。
(確かにこの感応能力っていうのはすごい!戦闘で相手の技も盗んで使えるわけだ!‥‥でもこれは魔法と何が違うのだろう。ロムロナの場合は自分の肉体を水陸どちらにも順応させているから魔法じゃないと言われれば何となくそんな気もするけど、おれの場合使っているのは魔法だからな‥)
「スノウ殿、何か疑問でも?」
「いや、天技っていっても魔法と何が違うのかと思ってね」
「私も詳しくは知りませんが、脳の中枢にある松果体とかいうところの力と聞いた事があります。それが一体何かも知りませんが」
「松果体‥‥」
(松果体と言えば前の世界では超能力を使うための脳内器官だったような。つまりこれは超能力って覚えておけば良いか。使っているものそれ自体は魔法かもしれないが、その魔法を見ただけで使えるようにする知覚・実行を司る能力‥‥そう認識しておこう)
そして、スノウがロムロナと同行するメリットはおそらく2つ。
ロムロナの使う魔法を会得することと、見たその場ですぐに使えるように慣れること。
このレヴルストラの中で低いレベルのスノウが活躍できる可能性が出てきた。
「でもなんでおれにその感応能力っていう天技があるってわかったの?」
「あぁ答えは簡単です。この魔導器ですよ。心眼石といって相手のレベルや能力を見破ることのできる道具です」
エントワが手のひらにある物体を見せた。
(そ・・そんな便利なものが!なるほど!これまでの戦いでエントワが的確に指示を出せたのは相手をその心眼石とやらで見抜いていたからか!)
「そんな便利なものエントワだけ持っているのはずるいなぁ!ちょっと貸して?」
”ひょいっ” とエントワの手からその心眼石というのを取り上げる。
そんな便利グッズがあるなら自分でもそれなりの指示ができるってもんだ!と息巻くスノウ。
次の瞬間、視界を暗闇が覆い何やら恐ろしい声が聞こえ出す。
死人が呻くような恐ろしい声。
うっすらとメンバーの形が見えてくるが何かに飲み込まれそうな感覚に襲われる。
何かが見えそうだが、見えると思った瞬間に体を刺されるような痛みを感じる
見えそうになるたびに太い針で刺されるような感覚。
激痛が走り気を失いそうだった。
吐きそうになった瞬間一気に元に戻る。
エントワが心眼石をおれから取り上げたのだった。
10分ほど時間が経った感覚でその間ずっと激痛を感じていたが、実際にはものの1〜2秒だったらしい。
100kmマラソンでもしたかのような疲労感に見舞われる。
全身汗だくだった。
「あっははースノウボウヤ!怖かったでしょうぅ?これはねぇ、異界の力を借りる暗黒魔導器だから相当な精神力がないと使いこなせないのよぅ。あなたのその柔なハートじゃぁまだ無理かなぁ、ウッフフー」
「スノウ殿、気を落とさぬように。貴殿であればいずれこの石も使いこなせるようになります」
「いや、使えなくてもいいです‥‥その石はエントワさんにお任せします‥‥」
スノウは疲労困憊の中、改めてエントワの凄さを痛感した。
「船長さんはダンジョンに行かないの?」
ニンフィーが思い出したかのように質問する。
「若は別用があります。最終日には合流するはずです。なぁにちゃんと強くなって帰ってきますから」
そういえばアレックスの姿がない。
「アレックスは?」
「若は既に転送で別用に向かわれました。既に転送可能域ですからね。我々もこの後すぐに転送でダンジョンへ直接入ります」
「あのぉ‥‥エントワさん、僕もダンジョンに入るんですか?僕の戦場は厨房かと思ってましたが‥‥」
「コックが直ぐ死んだらあたしたちのご飯を誰がつくるのよぉ〜強くなりなさいウフフ」
「そうよライジ。貴方はきっと直ぐ死ぬ。それほど弱いの。それでは戦場で生き抜いて私たちに食事の提供が出来ないじゃない。せめて私たちに守られなくても自分で生き抜けるだけの強さを持たないと。貴方は優秀なコックなんだから」
「そうね。頑張ってね」
「料理ノ腕ヲ磨クノモ忘レルナ」
「みんな‥酷い‥帰りたい‥‥」
スノウは自分よりも悲惨なやつが居たと気づき少し安心した。
ニンフィーの回復魔法で元気を取り戻しおれたちはダンジョンに向かった。
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