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<ホド編> 13.海底神殿

13.海底神殿



ーーーダンジョン組ーーー



 アレックス、ワサン、エスティのダンジョン組3人はすでに半日ほど待機状態となっていた。

 スノウたち世界蛇組が巨大亀ロン・ギボールと鉢合わせあわや全滅‥‥とまで追いやられたことなど知らずに連絡がないのを退屈そうに待っていた。


 「んはぁぁぁぁ‥」


 両手を広げて大きな欠伸をするアレックス。

 それを見てイライラしながら ”シーっ” と静かにしてという素振りでアレックスにそのイライラをぶつけるエスティ。


 「いい?いくらガルガンチュアのメンバー達がいたるところで冒険者のフリをして見張っているとはいえ、そんなあからさまに目立つ行為したら見つかってしまうでしょう!!」


 小声でアレックスに怒鳴りつける。


 「んぁ?大丈夫だよ。ワサンがいるからぁぁぁがあぁぁぁぁ」


 返答の語尾を欠伸で締め括るアレックスにさらに苛立ちを募らせるエスティ。

 一方のワサンは、座って腕を組み岩壁に寄りかかって目を瞑っている。


 「寝てるじゃないの!!」


 「喧シイナ。集中ヲ邪魔スルナラ帰レ」


 「はぁ?!何なのあなたは!」


 「んぁぁ、ワサンはロゴス系がめちゃ得意だからなぁ。クラス3の感知魔法で見張ってんだよぉ。感じなかったかぁ?ソナーで感知されているのぉ‥‥」


 ニヤニヤしながら話すアレックスに、エスティは馬鹿にされたようで恥ずかしくなり一気に顔を赤らめた。

 自分がワサンのソナー魔法のテリトリーにいることに気づかなかったからだ。


 「おぉぉ!閃いたぁ!」


 「な!!」


 手のひらにグーをポンと乗せる仕草をしながらアレックスが嬉しそうにいう。

 緊張感のないアレックスにエスティは更に苛立ちを覚えた。

 

 「しーずーかーにー!で、何?閃いたって!」


 赤ら顔でイライラしながら問いかけるエスティ。

 彼女は感情の起伏がすぐに顔に赤色で現れるようだ。


 「おまえさぁ、すぐ顔が赤くなるから呼び方 “リンゴ” にしよう!よぉし、決めた!我ながらナイスセンス!」


 ナイスセンスかどうかは置いておいてこの世界にもリンゴはあるようだ。

 そして赤いらしい。

 いや、本人がこれ以上ないほど顔を赤らめて湯気出しながら怒りを露わにしているということは少なくともナイスセンスではないのだろう。


 ヒソヒソながら白熱した言い合いをしている最中、通路の奥から走ってくる足音が聞こえる。


 ザッタッザッタッザッザッタ‥‥


 「んぁ?なんだぁあいつはぁ‥‥魔物山ほど引き連れてマラソンしてるボウズが見えるなぁ」


 「マラソン?明らかに逃げてるわよね‥‥魔物から」


 「ソウダナ‥」


 30体以上魔物に追われ小柄な若者がアレックス達の方向へ走ってくる。

 アレックス達は通路の脇にある奥まったところに身を隠しているため、その小柄な若者からは見えないはずだった。

 恐らくは、このまま見過ごせばアレックス達のいる場所を通り過ぎて追われ続けることだろう。


 「ドウスル?キャプテン」


 「んぁ、作戦とは関係ないことだしなぁ」


 「ちょっと木偶の坊、見過ごすつもりじゃぁないでしょうね?」


 だいぶ容姿が見えるようになってきた。

 歳のころは15〜16歳といったところか。

 腕に何かタトゥーのようなものが見える。


 「あれは!」


 エスティが武器を持って立ち上がる。


 「どーした?リンゴ。ションベンか?」


 無言でアレックスの頭のてっぺんにかかと落としを食らわした後、追われる少年を助けに向かうエスティ。


 「ヤレヤレ‥‥」


 ワサンは腕を組んだままため息をつく。


 魔物が放った縄のような触手に足を掴まれた少年は、転んでしまいついに捕らえられた。

 次の瞬間エスティがものすごい速さで触手を切断し魔物達の前に立ちはだかる。


 スババババッ!!


 「あなた大丈夫?そのタトゥーは巨人のマーク、ガルガンチュアの一員の証‥‥」


 「た、助かりました!もしかしてあなたはエストレア総帥ですか?」


 「話は後、行ける?」


 「はい!」


 押し寄せる魔物達を一体一体切り倒していく。


 バシュバシュ!ズバン!シュワン!シャキン!ズゴォン‥‥‥‥



 「‥‥‥‥」


 アレックスとワサンは静観している。



 5分ほどで魔物達は全て倒された。

 魔物をほぼ全てエスティが倒し、追われていた少年はただ逃げ回るだけだったが。


 「ふぅー、片付いたみたいね。大丈夫?あら、怪我してるじゃない。あの凹んだところに仲間がいるからそこで手当てしましょう」


 2人はアレックスのところまで移動した。


 「おぉボウズ、食われなかったかー、よかったなぁ、はっははー」


 「‥‥フン」


 ワサンは相変わらず腕をくんだまま座っている。


 「あんたたちねぇ‥‥まぁいいわ」


 エスティは手当てをしながら話しかける。


 「それはそうと、あなた見ない顔ね。ガルガンチュアは巨大キュリアだから知らない人もいるけど、一度顔を見たら忘れないからほとんどの顔は覚えてるはずなんだけど」


 「あ、僕、入団したばかりなんです。料理が得意なのと足の速さを買われて何とか入れてもらったんです。冒険者になるのは憧れでしたから、やっと冒険者になれたと思ってたんですが、このレベルの階層まで来ると流石に手に負えず‥‥」


 「‥‥フン」


 「あ!そういえば総帥に情報を持ってきたんです!例の三足烏・烈が大々的にレヴルストラ討伐に出るようです!」


 「なんですって?!それは確かな情報なの?」


 「詳しくはわかりませんが、聖騎士隊の1人が聞き出した情報で密かにガルガンチュアに伝達されたようで、我々が察知していることはまだ三足烏にも知られていないとのことです」


 「それは貴重な情報ね、ありがとう!警戒するわ‥‥それで、三足烏はいつ討伐に出るかは掴んでいる?」


 「いえ、掴んでいません」


 「んぁーその三足烏ってのぁ、俺たちの目的と行き先は知ってんのかい?」


 アレックスが口を挟む。


 「いえ、元老院の命とのことで目的とかは聞いていないようです」


 「なるほどねぇ、ただただ俺たちを殺してぇだけってことかぁ」


 「そのようですね‥‥」


 「ありがとぉよー、にいちゃん。じゃぁおめぇは帰りなー。」


 「はい‥‥わかりました」


 不安そうに少年は周りをキョロキョロしながら立ち去ろうとする。


 「ちょ、待ちなさい!あなたひとりで大丈夫なの?ガルガンチュアの仲間を呼んで合流してから帰りなさい」


 エスティはあまりにも弱々しい少年を気遣って制止する。


 「1人デココ迄来ラレタンダカラ帰レルダロウ」


 「あなた、見てなかったの?!あれだけ数の魔物に追いかけられていたのを!運と足の速さだけでここまで来たのよ?そんな実力もない子なのに1人で帰れる保証なんてないわ!足が早くたって運が悪ければすぐ捕まって魔物の餌よ。この子にはそんな程度の実力しかないのよ!まったく、本当に思いやりってものが無いわね!」


 「そ‥‥そんなひどいっすかね‥‥僕‥‥」


 どちらが思いやりが無いのか分からないが、エスティに押し切られて少年はアレックスたちとしばらく行動を共にすることになった。


 「あなた名前は?」


 「ぼ、僕の名前ですか?!ラ、ライジです」


 「よろしくライジ」


 「‥‥フン」


 「んぁ、そういやボウズ料理できるつったなぁ。なんか作ってくれよぉ。腹減った。助けてやった恩を返しなぁ、俺様はグルメだから味にはうるさいぜぇ、はっははー」


 「ええぇ?!は、はぁ‥‥」


 (助けてくださったのは総帥なのに‥‥)


 「えっと、食材さえあれば見繕って作りますけど‥‥」


 「食材はこのでかいのがとってくるから安心して。そうそう、この木偶の坊みたいなのがアレクサン 、そして向こうで偉そうに腕組んでる犬がワサン」


 その瞬間ワサンが恐ろしいほどの睨みをきかせる。


 「しばらくの間よろしくお願いします、アレクさんとワさん」


 「ダァレが!アレクさんだ!俺ぁアレクサン !間違ってもアレクサンさんとか呼ぶんじゃあねぇぞ!めん

どくせーからアレックスにしとけ!アホが!誰がアレクサンさんさんだ‥‥ブツブツ‥‥」


 (そんなこと言ってねー!!!)

 

 「す、すみません!」


 ライジがワサン方へ目を向けると凄まじい形相で睨まれた。


 「キサマ!俺ハ、 ”ワサン”   ガ名前ダ。次ニ間違エタラ殺ス。ワサンサント言ッテモ殺ス。名前ヲ忘レテモ殺ス。イヤ、面倒クサイカラ今殺ス」


 「ひぃぃぃ!!!ごめんなさい!2度と間違えません!」


 「だーーーー!!!あんた達やめなさい!こんな弱い子を虐めちゃだめでしょう!あんた達は弱い子の気持ちが分からないのね!何をしても上手くいかない子の気持ちになったことある?まったく本当に思いやりというか想像力が無いのね!」


 「ええぇぇ!!そ、そんなにひどいっすかね‥‥僕‥‥なんか泣きたくなってきた」


 「ほらぁ!あんたたちのせいでライジが泣きそうになってるじゃない!安心して?あんたのことはあたしが守ってあげるから!あんたは弱いんだから移動する時は常にあたしの後ろにいるのよ?」


 もはやフォローしてくれているのか、貶されているの分からない状況ではあるが、一応守ってもらえるようでホッとするライジだった。

 その後、アレックスがエスティにケツを蹴られながらしぶしぶ食材の狩りに行かせられ、10分ほどで巨大なクマを担いで帰ってきてライジを驚かせていた。



・・・・・


・・・



ーーー世界蛇組ーーー



 シーンは変わって世界蛇組。


 ロムロナが斥候として確認してきた海に沈んだ巨大なホドカンの漆市の一角にある入り口から侵入するエントワ一行。


 ガース以外のエントワ、スノウ、ロムロナ、ニンフィーはその海底神殿の入り口からしばらく進んだところで潜水スーツのヘルメットを脱いで歩いていた。

 ヘルメットを脱いでいるのは事前にロムロナが空気の存在を確認していたからだ。


 (潜水スーツって初めて来たけど息苦しいな‥‥子供の頃、一度だけやったことのあるスキューバダイビングよりはマシだが大きなヘルメットみたいなもので覆われているから顔に触れられず汗も拭えないのが気持ち悪い。おまけになんか臭いし‥‥)


 蒼市同様にかつて賑わいを見せていたであろういくつもの店や家々は破壊し尽くされた無残な状況で、人々の代わりにハサミが5本ある蟹や羽の生えた蛇、足があり二足歩行している魚が走っているなど、海の生物の町と化している。


 「みなさん、警戒は怠らないように。ここはもはや我々の知る漆市ではない。海の魔物が支配するダンジョンと同じようなものですからね」


 「あたしにとってはぁ馴染みある生き物に囲まれた居心地のいいところだけどねぇ。どうスノウボウヤ、あたしと一緒にここに住まなぁい?」


 「断る」


 「あららぁニンフィーの手前素直にOKできないのねぇー、ウフフー」


 さらっと無視して先に進む。



・・・・・


・・・



 1kmほど歩いた。

 その間特に魔物から攻撃されることもなくひたすら歩くだけだった。


 「魔物いないね‥‥まぁいないに越したことはないけど」


 「ヨルムンガンドの覇気が強すぎて魔物が近寄れないみたいね。ずっとワールドマジックソナーとワールドライフソナーをかけているけどたったひとつの超巨大な生命反応以外は何も感知していないわ」


 ニンフィーが得意の魔法を駆使して周りを警戒していた。


 (それにしても、超巨大な生命反応とは間違いなくヨルムンガンドなわけだが、超巨大とはどれほどのものか‥‥。あのくしゃみひとつで海流をかき回すほどの巨大亀と同レベルに位置付けられてるいわば神なわけだから想像を超えているに違いないよな‥‥)



 しばらく進むと巨大な扉が見えて来た。

 巨大というレベルではない。

 城が一つまるごと入ってしまいそうなくらいの大きさの扉だった。

 

 (この漆市というホドカンにどうしてこんなものがあったのか‥謎すぎる‥‥)


 「そう謎よねぇ‥‥」


 (むむむ!また読まれた!)


 「こうは言えないかしらねぇ‥‥元老院は元々この漆市を何か閉じ込めるために使い、何かを閉じ込めるために海に沈めたってねぇ」


 「なるほど、つまり世界蛇を閉じ込めるためにこんなでかい檻を作ったってことか?」


 「いや世界蛇を閉じ込める目的であったかどうかは定かではないですね。ただし、何れにしても何かを幽閉する目的でこの漆市が沈められたことは間違いないでしょう。漆市の何万という住民を犠牲にして」


 「!」


 (元老院‥‥。なんてやつらだ‥‥目的のためには手段を選ばないってよくある話だが、何万人を犠牲にしたんだよ‥‥)


 だんだん怒りが込み上げてくる。


 「これは少し調べる必要がありそうね。でもまずは世界蛇の加護を得るのが先ね」


 「そうですね、まずは加護を得てヴィマナを飛ばすのが先決です」


 「よし、じゃぁ入ろう!」


 (と意気込んで見たものの、こんなでかい扉‥‥どうやって開ければいいんだ?)


 「安心して、この扉は魔法で開く扉みたいだから」


 ニンフィーが呪文を唱える。

 すると地響きと共に轟音が鳴り響き扉が少しずつ開き始める。

 長い年月が経ち扉に様々な苔や堆積した砂、珊瑚などが付着しているのか、天井から砂や石が落ちてくる。

 

 (相当時間が経っているみたいだけど、この扉開けるのにまさかこの建物自体が倒壊する‥‥なんてことないよな‥‥)


 ズズズズゥゥゥゥゥゥゥゥン‥‥‥ドスゥゥン!!


 扉が5メートル程度開いたところで動きが止まった。


 「なんとか入れそうね」


 「みなさん、準備はいいですね?ロゴスの探知魔法では世界蛇以外の存在はないようですから魔物の攻撃に備える必要はありません。世界蛇に集中です。ロムロナは扉の外で待機してください」


 「了解ぃ、万が一の時にみんなが逃げられるように退却経路は確保しておくわぁ」



 エントワ、ニンフィー、スノウの3人で扉の奥へ進む。



 真っ暗な空間で何も見えない。

 部屋というかこの空間は広いはずだが異様なまでに重い空気感。

 意識を集中しないと気を失いそうだった。


 どこまで進めるのかもわからないほど周囲が見えない状態だった。


 「ニンフィー、スノウ殿気をつけてください。居ますよ目の前に」


 「サイトオブダークネス」


 ニンフィーの唱える魔法の言葉と共に視界が一気に広がる。

 10メートル先に壁がある。

 いや壁というよりドーム型の巨大な物体だった。

 大きさは計り知れない。



 「グノォォォォオォォォ‥‥‥‥!」



 「な!」


 ものすごい唸り声。

 轟音が響いて立っているのがやっとの状態だった。


 「ニンフィー、リゾーマタのバリア万能型を。スノウ殿はできるだけ防御体制をとって待機してください、いいですか?攻撃はダメですよ」



 緊張が走る。

 3人は汗が止まらない状態だった。

 立っているのがやっとと思われる程の全身を指す様なオーラに必死に耐えていた。

 ニンフィーが魔法でスノウを守っているため、戦闘力の低いスノウでも何とか耐えている。


 

 「グノォォォォォォォォォォ!」



 皮膚が引き剥がされるのではと思うほどビリビリと振動を感じている。

 必死に耐える。

 あまりの重圧に他の2人に縋るように目を向けるがエントワとニンフィーもまた必死に耐えており、表情はこれまでにないほどの緊張した面持ちになっている。


 (いつまでも頼っていられない‥‥自分でしっかりと対処するんだ!だけど‥‥汗が止まらない‥‥)




 「グノォォォォォ‥‥誰だ?‥‥この薄汚い牢獄に足を踏み入れる奴は‥‥元老院の(わっぱ)どもとは違うようだな」



 急に目の前が明るくなり思わず目を覆う。

 サイトオブダークネスの効果もあり、目が眩む程の眩しさとなり思わず腕で目を覆った。


 (めちゃくちゃ明るい蛍光灯が壁全面に備え付けられていて一斉に点灯されたかのようだ!)



 「おお!これは珍しい!ラグナの小倅がいるではないか!グノォォォォ‥‥わしの爪を甚振ってくれたようだな」



 (爪?!ゆ‥‥指でもないのか?!あれが爪‥‥)


 スノウは心の中で突っ込んだのと同時に諦めの気持ちが込み上げて来た。


 (しかし明るいが全容が見えない。一体どんな容姿でどう向き合えばいいんだ‥‥)


 戸惑うスノウ。

 エントワとニンフィーは何かに気づいたようで強ばった顔で動けずにいる。


 「スノウ、私たち、既に見られている!」


 (ん?!どういうことだ?)


 「ヒョホホホ、これはうまそうな精霊だな!おれの大好物だ。ん?なんだ‥‥混血だな‥‥混ぜ物は好きではない。まぁこんな牢獄暮らしだ。混ぜ物でも我慢するか、ヒョホホホ」


 「!」


 ニンフィーを食おうと言った世界竜にスノウは思わず驚いて怒りの表情を見せる。 


 「く、食わせないぞ!仲間は!」


 (え?うわぁー思わず言っちゃったよ!おれこんなキャラじゃねーのに)


 すると目の前が一層明るくなる。


 「随分と威勢が良いではないかラグナの小倅!‥‥ん?お前何か変な色をしているな‥‥ヒョホホホ面白い!これは面白いぞ!グノォォォォォォ!」


 「スノウ殿ゆっくりと下がってください」


 ちらりとエントワの方を見る。

 珍しくあの何事にも動じない紳士が拳を強く握っている。

 その拳からは血が滴っていた。

 痛みで平静を保っていたのだ。

 指示通りゆっくりと後ずさりする。

 

 (食われるにしても潰されるにしてもできるならとっくにやってるよな‥‥そう言えば牢に入れられているはずだからそれで攻撃してこないのか。しかし、ここからでは世界蛇が見えない牢獄になっているんだな‥‥‥エントワは全容を見渡すために下がれといったかのか?)



 スノウは、後ずさりするにつれて自分の発言がいかに命知らずなものだったかを悟る。


 明るい巨大な壁と思っていたのは巨大な光る目だったからだ。


 眩しいと思った時点から彼はじっとスノウたちを見ていた。


 野球場くらいある大きさの光る目が。






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