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<ゲブラー編> 59.其々の帰還

59.其々の帰還



―――ジオウガ王国―――


グンタン宰相が王宮入り口で落ち着きなくうろついている。

そこへ一人のオーガ兵士がドシンドシンと走ってきた。


「戻られました!」


「おお!そうか!してご無事だな?!」


「もちろんです!現在王都まで1時間の位置を馬でこちらに向かわれています!」


「そうか!そして・・ご無事か・・・うう!ま、まぁそれもそうだな。あの王子が傷つくことなど万に一つもない」


グンタンはシャナゼン王子の到着を待っていたのだ。

鳥が飛ばされ本日到着する連絡がシャナゼン王子から入ってきたのだが、グンタンは待ち切れず朝5時から公務そっちのけで王宮門のあたりでウロウロしていた。

それを見かねた部下が国境付近まで迎えにあがり、その中の一人が早馬を走らせて伝えにきたのだった。

だが時刻は昼過ぎ。

少しの疲れも見せず落ち着きなくグンタンは小さな頃からずっと面倒を見てきた王子の帰りを待っていた。


時間通り1時間経ち待ちに待った王子が帰還した。


「王ぉぉぉぉ子ぃぃぃぃぃ!!!」


「おお!グンタン!出迎えご苦労だな!」


「ご無事で・・・王子が隠密行動でここまで長期に王宮を空けられることはなかったのでこのグンタン行きた心地がしませんでしたぞ?」


「大袈裟だぞ。我をなんだと思っている?まだ子供だと思っているのではあるまいな?」


「当たり前ですぞ?!このグンタンめにとってみれば貴方様はまだ子供です!思い出します、王子がまだこんな背の頃、夜中に泣きな・・」


「グンタン!もうよい!わかった!感謝している!これでよいな?」


「ほっほっほ。わかっていただければよいのです。ささ、まずはお部屋へ」


・・・・・


・・・


翌日ギーザナも帰還した。


「王子!ただいま戻りました!」


「おお、よくぞ戻ったギーザナ」


「早速ご報告ですが・・」


「よい!まずは休め!まだ我妹とモウハンが帰還しておらん。4人揃ってからだ」


「そうですね。無事だと良いのですが・・・。」


「モウハンならな大丈夫だろう」


「モウハン?!あんなやつの事など心配しておりません!姫のことです!姫!」


「わっはっは!そうだったか!我はてっきり親友のことを心配してるのかと思ったぞ。知っての通りエンゴシャは怒らせたら我より強いからな!」


「し、心配と言ってもあれです!あの融通の効かない直進男のことですから揉め事を起こしていないかっていう心配でございます!」


「わかったわかった。まぁとにかく今日はゆっくり休め」


「は・・・はい」


・・・・・


・・・


それから3日後モウハン、エニーがディルを連れて帰還した。


「お兄様!」


「おお!我妹よ!よくぞ戻った!」


「シャナゼン!」


「おお、友よ!お前もよくぞ戻った!」


「モウハン、貴様!いきなり王子に対して失礼だぞ!」


「おお!ギーザナじゃないか!なんかお前、前より強くなったんじゃないか?」


「あ、ああ、そ、そうだが!わ、わかるか?!」


「ああ!もちろんだ!よし!これから勝負するか!」


「ああ!ってバカか!お前はどこまで単細胞の脳筋だ?!王子の御前で失礼にも程があるぞ!」


「かまわんぞ?」


「王子!!」

「よしシャナゼンの許可がおりた!やるか!」


「やらんわ!ドアホが!きちんと報告が終わったらコテンパンにのしてやるからそれまで大人しくしてろ!」


「お!わかった!絶対だぞ?!」


「わっはっは!賑やかでいいな!・・・!!」


一瞬であたりが凍りつくようなオーラが広がる。


「・・・何故この城にあの薄汚いエルフが入り込んでおるのだ?!」


まるで巨大化するかのような恐ろしいオーラを纏ってシャナゼンが立ち上がった。

この世界で武力だけならオーガに勝てる種族はいない。

単純な戦争であればオーガ一人で人間30人に相当するほどの戦闘力を誇る。

そのオーガの中で史上最強と謳われているのがシャナゼンだった。

父であり現王のガッハド王の武力と戦術に特化した英才教育と徹底した肉体強化の鍛錬で得た鋼の肉体と洗練された頭脳によって人間1000人を相手にしても負けることのない戦闘力を有しているのがシャナゼンだ。

したがって、怒りで我を忘れてしまうと強化された肉体で暴れ回るバーサーカーのようになってしまう。

だが、単純な力だけみればバーサーカー状態の方が圧倒的に上なのだが、鋼の肉体と洗練された頭脳で繰り出す戦闘によって平常時の方が強いのだ。


そんなオーガ最強の漢シャナゼンがまた怒りで我を忘れようとしている。

理由は単純だった。

シャナゼンにとって積年の恨みで怒りが限界を超えるほどの忌々しい存在であるエルフが、こともあろうに王城の謁見の間になんの断りもなく紛れ込んでいたからだ。


その正体ディルだった。

最初はフードをかぶっていたが、ちらっと見えたエルフ特有のスラっとした顔立ちと色白の肌、尖った耳、そして感じ取られた匂いからエルフと認識した瞬間に怒りのスイッチが入ってしまったのだ。


「ま、まずい!モウハン!ギーザナ!ディルを守って?!」


「おう!」

「はぁ?!ど、どういうことですか?!」


エニーの咄嗟の判断だったが、ディルのことを知らないギーザナはエニーの発した言葉の意味がわからずその場に立ち尽くしていた。

ディルは改めて自分は敵陣に入り込んでいるのだと認識した。

そして自分の目の前にオーガ最強と謳われている鬼神シャナゼンが今まさに自分に攻撃を加えようとしているのだ。

体が自然と反応し、背中の矢筒から矢を取り出す動作をしてしまうが、この謁見の間に弓矢を持参することはできなかったため、死を覚悟した。


「き、貴様・・!!死ねぇ!!!」


シャナゼンの目から黒目が消え真っ赤に染まる。

恐ろしく太い腕が振り上げられる。


パシィ!!!」


エニーの平手打ちが炸裂する。


「お兄様!!!」


一瞬沈黙が流れたが、シャナゼンの目が通常時に戻った。


「エ、エンゴシャ。・・・そうかまた我は・・・」


「いえ、お兄様。悪いのは私です。きちんと説明をしていないのにこの謁見の間にエルフを呼んでしまったら。でもお兄様、きちんと説明するのでどうか気持ちをしっかり保って聞いてください」


「わかった。だが、我ジオウガ王国を愚弄するような言葉を一言でも発したら殺す。愚弄するような表情を浮かべても殺す。それでよいな?」


「はい・・・」


「はっはっは!シャナゼン!やっぱすごいな!お前一人でヘクトルを倒せるんじゃないかって思ってしまうぞ!紹介するぞ、ディルだ!そしてこっちはシャナゼン!俺の友達だ!」


エニーが頭を抱える。


「モウハン。ちょっと黙ってて。お兄様説明します。彼はディル。見ての通りエルフです。最初に申し上げておきますが彼は私たちの敵ではありません。私たちの同盟に協力してくれる者の一人なのです」


「どういうことだ?詳しく説明してくれ。いや、その者の生死はゼネレスで何があったのかを説明してもらわないと理解できぬようだな。そこのエルフ。今しばらく貴様の命の火を消さずにおいてやる」


ディルは歯をギリっとさせて堪えているが、全身は汗びっしょりになっていた。


エニーは詳細を説明した


・・・・・


・・・


「エヴァリオスの者が・・・」


「お兄様?エヴァリオス家をご存知なのですか?」


「もちろんだ。我ジオウガからギヴェラザルノ山を奪い取ったのがエヴァイオスとラガナレスの輩だったからな」


「!!!」


ディルが驚きの表情を浮かべる。


「ほう、流石に上流血統家の名前は知っているか。だが、上流血統が聞いて呆れる。あやつらは自分たちの名誉と保身しか考えていない。仁義や礼節など皆無だ」


ダン!!!


いきなりディルが膝をつき両手を床に叩きつけた。


「ど、どうしたのディル?」


「お・・・俺は・・・上流血統家でもエルフの代表でもない、ただのエルフだし、仲間を売る気も毛頭ないが!・・・だが、あなたが彼らをよく思っていない理由には頷ける!」


「・・・」


シャナゼンは黙っている。


「俺は、今のエルフ社会が嫌でモウハン師匠についてきた!上流血統家が俺たち一般民に何をしているか、どう思っているか・・・俺は嫌というほど見てきたんだ!こんなことを言ったらラングさんは怒るだろうけど、俺は本当にあのエルフ社会が嫌いだ!・・・だけど、この間まで俺の仕えていたネザレン当主のグレン・バーン・エヴァリオス様だけは違う!あの方だけは上流血統家の在り方や今の主従関係に疑問を持って密かに戦われている方だ!」


「何が言いたいのだ?貴様」


「え、えっと・・・」


「シャナゼン!エルフのグレンはやる気はないがいいやつだ」


モウハンが割って入ったのを制してエニーが補足する。


「お兄様。先ほどの説明に出てきたグレン・バーン・エヴァリオスが言った共闘宣言に偽りはないということです。ただゼネレス全体を動かすために首都クリアテにいる他の上流血統家の説得にあたると言っています」


「ほう。するとそこにいるエルフは人質で、そのグレンとか申す輩の交渉がうまくいかなかった時は殺して良いということだな?」


「ち、違っ・・」


「そうだ!」


『はーーー?!』


シャナゼンの問いに肯定回答したモウハンに対してエニー、ディルは思わず目が飛び出るほどの驚き反応を見せた。


「モウハン!あんた何を言ってるのよ!そんなわけないでしょう!お兄様はやると言ったらやる方よ!グレンを信じていないわけじゃないけど、国を動かすのはそう簡単じゃないの!もしグレンだけではできないとなったらゼネレスは動かず、ディルは殺されるのよ?」


「どうしたエニー?俺たちがあいつを信じないで誰が信じるんだ?それに共闘体制がなければいずれゾルグに滅ぼされる。そうなればディルも死ぬはずだ。シャナゼンに殺されるのか、ヘクトルに殺されるかの違いだけだぞ?いいか?これはグレンの交渉が成功するかどうかの問題じゃなくて、あいつを信じるかどうかの話だぞ?」


『・・・・・』


沈黙が続く。


「わっはっはっは!」


シャナゼンが笑い出す。


「あーはっはっはっは!」


「お兄様?」


「あーっはっはっはっは!モウハン!やっぱりお前は面白いやつだ。確かにそうかもしれんな」


「そうだ!信じれば世界も変えられると俺は信じている!」


「はっはっは!信念で世界が変わると信ずる!それもまた信念ということだ。こんな馬鹿げたお前の作戦に乗った我もまたお前を信じた結果だ。それによって我はガザド公国に出向き、デューク・ガザナドに会い交渉の末に共闘に合意させたのだからな」


「!!!・・お兄様!!」


「さ、流石は王子!あの堅物と有名なネザルグ・ガザナド公に首を縦に振らせるとは・・・!」


「ああ、あいつはチェスが好きでな。我も兵法を好んで学んでいる関係でチェスは得意だったもので100戦ぶっ続けで勝負をしたのだ。我が勝てば共闘、負ければ白紙で我はそのまま帰還というルールでな。最後は気力の勝負になったが、最後まで決着はつかなかった。引き分けだったというわけだ」


「じゃぁ・・・」


「ああ。もちろんどうするか?って話になり振り出しに戻るのではと思ったが、漢たるもの真剣勝負を重ねれば友情も湧くというものだ。そのエヴァリオスの者がモウハンを信じたようにネザルグも我を信じたということだな」


「100戦・・・」


「チェスって1対局ってどれくらいなの・・・?」


「私はあまり嗜みませんが、1対局あたりだいたい2〜3時間と聞いたことがあります」


「最短で200時間・・・少なくとも8日間はぶっつづけでチェスってたってことよね・・・」


(お兄様って戦いになると・・・肉弾戦でもゲームでもとことんやるのね・・・やはり只者じゃないわね・・・)


「これは王子でなければ絶対に共闘を勝ち取れない相手でしたね。間違ってもモウハンなんかがガザナドに出向いても秒で追い返されていたでしょうなっておい!寝てるー!!!」


モウハンは何がきっかけになったのか居眠りしていた。


バゴーン!!


ギーザナのツッコミが入る。


「イテェ・・。あれもうご飯か?」


「バカか!貴様!いい加減にしろ!王子の奮闘記を聞いていなかったとは言わせんぞ?!」


「ああ、チェロを100回弾いたんだろ?すごいな」


「貴様一度粉々にしてやろうか?」


「わっはっは!まぁよい。とにかくだ。このモウハンめによって信じるという忘れかけていた大切なものを思い出したということだ。よって・・」


ディルは安心した表情を浮かべる。


「そこのエルフはもしエヴァリオスの者が失敗した場合は我が粉々にしてやるだけだ。我が信じたのはエヴァリオスの者を信じたモウハンだ。エヴァリオスを信じたのではない。もちろんエルフもだがな」


「ひぃぃぃ!!」


「ああ、いいぞ!それでいい!信念の数珠繋ぎだな!」


「表現のセンス・・・」


「し、師匠ぉ!!」


『あっはははは』


何故か全員笑っている。

ディル以外は。


「さて、ギーザナ。お前はどうだったのだ?ハーポネスは動くか?」


「は!結論から申しますと共闘に了承してくれました」


「そうか!でかしたぞ!あの鎖国状態の国をよくも動かしたものだ。我よりも何倍も大きい功績である」


「はい。ただ、あまり十分な戦力は期待できないかと」


「どういうことだ?」


「実は私がハーポネスに入った時、ちょうど内戦状態だったのです」


「内戦だと?!」


「はい。元々かの国を治めていたのは天帝と呼ばれる一族で、現在は禅仁王で民からは敬意を込めて禅帝ぜんていと呼ばれているのですが、実際に国を治めていたのは禅帝ではなく、いわゆる軍隊の頂点に君臨する将軍という地位にいるザガンというものでした」


「なるほど。政を取り仕切っている天帝に対し、配下で軍隊を仕切っていた将軍が天帝を追いやって国を治めていたということだな?」


「さすがは王子。仰る通りです。そしてそのザガン将軍は将軍家5代目であり、酷い暴君で民から取り立てる税は7割、そして働けなくなった高齢者は税の取り立ての妨げになるという理由で強制的に収容所に送られ毒により葬られるという残虐ぶりだったようです」


「酷いな。ヘクトルにもひけを取らない悪虐ぶりだ。ニンゲンとはどうしてこうも性格や価値観に差がありすぎるのだ?」


「知らん!知らんがきっとそこが人間の良いところでもあり、弱いところでもあると思うぞ!」


「減らず口は慎めモウハンめ!それで、当然のごとくそのような暴政に民は耐えられず、至ところで民衆によるクーデターが起こっていたのです。その討伐で将軍政府は軍隊を派遣していましたが、度重なる討伐によって軍隊も疲弊して行ったようです」


「なるほど、そこで虐げられていた天帝が声をあげたというわけか」


「はい。天帝にはいくつかの小さな部隊が護衛として付けられており、その名の通り護衛を行う部隊もあれば情報収集を行う部隊や、暗殺を行う部隊などがおりました。そして私がハーポネスに入国した際、たまたま将軍政府の軍隊と出会し、異人種として攻撃を受けたのです。もちろん私の敵ではないので簡単に蹴散らせる状態だったのですが、そこに一人の男が割って入ってきたのです」


「ほう。それで?」


「はい。それが天帝の護衛 “金剛の槍” とい名の部隊の中で暗殺を担っているグループの頭領でした。その名をヨシツネ・カグラミ。彼の戦闘は特殊で、素早い動きと短刀、そして手裏剣と呼ばれる十字型の投てき刃で敵を倒すのですが、その戦闘はニンゲン相手にこういうのも苛立ちますが、美しいものでした」


「ほう!それで?」


「私も将軍政府の軍隊の者たちを力で圧倒しましたが、お互いが其々持っていない戦闘スタイルに対して興味を持ったのと、ヨシツネという漢は私たちオーガに対しても偏見がなかったため、意気投合したのです。もちろん私もニンゲンのような下等種族と話をするのは鳥肌が立つのですが、このモウハンで免疫ができていたのでしょうか、そのままそのヨシツネに同行し天帝に会ったのです」


「なんと!あの謎の国のトップにいきなりたどり着いたというのか!でかしたぞ!」


「いえ、道中色々ございましたが、そこは改めてご報告します。そして天帝もまた、排他的なニンゲンには珍しく且つあの鎖国状態のハーポネスの中でも稀な存在と言えるほど、開放的といいますか寛容といいますか、簡単に言ってしまえば信用されたのです。そして私は、将軍政府との最終決戦に天帝軍として参加し勝利したというわけです」


「なるほどな!それでその天帝に対し要請した共闘についても合意を得たということか?」


「仰せの通りです」


「素晴らしい!これでジオウガ、ゲキ、レグリア、ガザド、ハーポネス、そしてどうなるか分からんがゼネレスのゾルグ・ゼーガン討伐連合が出来上がるというわけだな!」


(す、すごい・・・流石は師匠だ・・・こんな恐ろしい最強オーガを手玉にとり、グレン様まで友人にしてしまって、複数の国を動かしてしまうなんて・・・)


ディルは改めて自分がスケールの大きい話に巻き込まれていることを実感した。


「それでモウハン。この後の作戦はどうするのだ?」


「ああ!とにかく俺は修行に入る!」


「はぁ?!何言ってんのモウハン!せっかく6カ国討伐連合ができるって時に修行?!」


エニーがツッコミを入れる。

ギーザナも驚きを通り越して呆れている。


「ま、まぁそうだな。何よりもまずモウハンがグラディファイサーとなり、グランヘクサリオスとかいうナンバー1を決める大会で優勝しなければならない。優勝者の称号エンカルジスを得られれば晴れてヘクトル側近に志願できるだろう。そしてヘクトルを倒す瞬間を探り、外部から5カ国連合が攻め、ヘクトリオン率いる強力な軍隊を抑え込み、手薄となった内部からモウハンがヘクトルを討つ・・・そうだな?モウハン」


「その通りだ!」


「おい貴様!いい加減王子に整理いただくのはやめろ!説明が下手すぎるのだ!」


「まぁよいギーザナ!前も言ったが、我自身も納得したいのだ。我王であり父にあのような仕打ちをした犯人がヘクトルであるならば、この作戦は必ず成功させねばならない」


「は!」


「それでモウハン。どこで修行するのだ?」


「いい考えがある!へへ!」


嫌な予感を拭いきれないギーザナであった。






次は金曜日アップの予定です。

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