6、アンちゃんの言う通り
「ただいまー。」
「桃ちゃんおかえり。今日大変やったなお疲れ様ご飯できてるで。」
玄関からいい匂いがしている。中に入るとカレーを温めているアンちゃんが目に入った。というか料理だけでなく部屋も綺麗になっている。もちろんゴミをためたりはしていなかったけど、掃除が疎かになっていたのに今は部屋中ぴかぴかだ。
「アンちゃん掃除してくれたの?それにご飯も?」
「今日は晴れてたから布団も干したで!ぐっすり眠れるで!」
私は思わずアンちゃんを抱きしめた。
「ありがとうアンちゃん大好き!」
「ええんやで。これくらい。」
アンちゃんがカレーをよそってくれる。結局、私はカレーライスとコールスローを2杯ずつたいらげ満足してアンちゃんが沸かしてくれていたお風呂に入った。出たところでアンちゃんにお礼を言う。
「ありがとう。元気でたよ!」
「うん良かった。ほんで今日はどうやった?」
「結局、エイクの柴田壮真と付き合っているふりをする事になった。」
壮真との話し合いをかいつまんで話した。
「ええかもな。その子の言う通りそばに居て守ってもらいやすい。」
「でも私合気道習っていたから大丈夫だよ。」
「うんそういう守りじゃなくて単純に男避けにもなるしね。」
「ああそういう事ね。後全員で7人じゃないかって言ってた。シークレットキャラクターがいるならもう1人この世界にいるかもって。」
「ええっ私なんにも聞いてへんで。」
「想定外の事が起きたから仕方なくエイクに記憶を戻したんじゃない?」
「まあせやな。そういう可能性は大やな。私はもう伝える事がないねん。ごめんな。」
「やめて謝らないで!アンちゃんは来てくれただけで充分だから。これからもよろしくね。」
「桃ちゃん。ありがとう頑張ろうな!」
「うん!とにかく壮真はこのマンションの3階で私は4階これは偶然なのかな?思ったんだけど前世で一緒のキャラクターは必然的に近しい人物になるんじゃないかな?瀬良君もそうだし。」
「それはありえるな。彼らが近付いてきてまたマリアとして巻き込まれるかもってなったから私は来た訳やからもう桃ちゃんにとっくに近付いてきてるのかも。」
「その可能性もあるよね。気を付けないと。」
「うんとりあえず様子見てやな。桃ちゃんが好きにならなくても相手がマリアだと気付いてしまったら監禁されたりするかもしれへんっていう事が怖い訳やから男の子のフラグは全て折っていくんやで。」
「分かった。ようはモテないようにすればいいんだよね。大丈夫今まで彼氏なんてできた事も告白されたりした事もないし今まで通りにすればいいのよ!」
「うーん。そんな自虐言ってるけどちょこっとだけぽっちゃり系なだけで自分で思っているよりは可愛いし美人やで。というか多分、胸が大きいからぽっちゃりに見えるだけで体型は標準やで。」
「アンちゃんいいのよ。マリアの記憶が戻って監禁は嫌!って思ったけどモテるとは思っていないから。そうよ誰からもモテなきゃいいのよ!」
「あかん変なスイッチ押してもうた。ここは秘密兵器出すか。桃ちゃん!ケーキ焼いてん美味しいからはよ食べ。」
「やったーありがとう。食べる。」
「食べたらもうねーや。明日も学校やろ。」
「うん分かった。寝る。」
私はアンちゃんのカップケーキを食べながら返事をした。まだいつもの寝る時間よりは早いけど寝ちゃおう。ベッドに寝転ぶと太陽の匂いがするお布団はフカフカですぐに眠りについた。