42、元の世界で
マリアは今、薄暗い倉庫で椅子に縛られている。
朱里さん、何故こうなっているか説明してもらえますか?
いや、あのですね。桃ちゃんが眠ると一気に力が弱くなってそしたら騎士団の制服をきた人達にあっという間に捕えられてしまったの。あかりんびっくり!
ほーそうですか。ていうかデレクですよね?
うん、多分ね。
どうするんですか!
うーんどうしようっていうか眠くなってきた。駄目だ寝るね。
朱里さん!朱里さん!
「やあマリアこの世界では簡単に監禁できて便利だな。」
デレクが入ってきた事に全く気が付かなかった。
「離しなさい無礼者。」
「あははは、そういう喋り方できるんだね。なら僕もこういう感じで話そうか。」
「今、離せば忘れます。全てを。だから離しなさい。」
「もう遅い。俺はマリアを手に入れる。」
「無理ですよ。何をしたって心は手に入らない。」
「佐久間に言ったのと同じ事だ。やはり竹中桃だな。」
何故知っているのか?佐久間、ダニエルの事を?
「なんのことだか。分からないわ。」
「本当に顔は変わらないな。嘘かどうか分からない。まあ一緒にこの世界にきたし、お前が竹中桃だと分かっているがな。」
「とにかく離しなさい。」
「ああ、後数時間待ってくれ君の部屋を今準備しているから。」
そう言ってデレクは出ていってしまった。
ああ、どうしたもんか。戦えばよかった。眠るんじゃなかった。私と朱里さんはまだ上手くいっていないようだ。
騎士団寄宿舎にて
「ライアンこれからどうする?」
「ああ、エイク起きたのか。とにかくマリア様の邸宅に向かおう。話ができるしこれも飲ませる事ができる。」
「ああ、そうだな。」
「それに、今度のマリア様は色んな事を改革していて結構、世界が変化しているらしい。心してかかれよ。」
「分かった。」
「おい、ライアン、エイクこれからミーティングだぞ。次期、騎士団長と副騎士団長が参加しないというのは許されないからな。」
この人は変わっていないクロー騎士団長だ。
「すみません。騎士団長、南の方へ見回りに行こうかと話していたんです。」
「それなら夕方に行ったばかりだろう。ふざけているのか早く来い。」
しまったと顔を合わせる。仕方なく夜のミーティングに参加する事になった。




