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34、二学期開始


夏休みが終わるまで壮真は私の家にずっと入り浸っていた。アンちゃんは未だに帰って来ていない。今日から二学期。二学期は何より文化祭がある!ゼミやサークルでお店が出たりするし。たこ焼き、クレープ、チョコバナナ、メイドカフェとかあるらしい。代々する事は決まっているので情報は入手している。


「桃、今日は一緒に帰れるから図書館で待っててくれ。」


「分かった。じゃあまたね!」


「ああ、ナンパには気を付けろ文化祭にめがけてまた増えるぞ。」


「はーい。」


何事もなく教室に向かう。また名前順で座る授業だ。とにかく瀬良君とは関わらないようにしないと。ブレスレットのおかげで私にあまり良くない感情を持っているのは分かっているし。壮真には言ってないけど。それに私か英子ちゃんをマリアだと思っている可能性が高い。


「竹中さんおはよう。」


「おはよう瀬良君、夏休みはお世話になりました。ありがとう。」


「こちらこそありがとう。」


可能性が高いのに、それなのにまた瀬良君とレポートを書くことになってしまった。共通授業なので文学だ。ペアで小説を決められて主人公の心情、時代背景を調べて発表する。もうどうしようもない。


「じゃあ、人間失格だね。」


「うん、引いちゃったしね。」


今回は私がくじを引いた。皆様々なお題が出たようだ、実際英子ちゃんのペアは少し長めの詩のようだ。


「今回は勝ちたいね。竹中さん。」


「英子ちゃんのペア強いからなー。とにかくまた少し集まってぱぱっと終わらせよう。」


「分かった。」


この授業で今日の授業は終わりだったので、図書館に向かった。壮真は私より1コマ少ないので図書館で待っているはずだったけど、いつも座る場所に行ってもおらず1時間待っても、2時間待っても現れず仕方なくメールを送り家に帰った。


家に帰って夕食の時間になってもメールが返って来ないし、壮真の部屋に勝手に入っても誰も居なかった。


「さすがにおかしいな。」


えっ事故にあったとか?こういう時はどうすればいいんだっけ。とにかく部屋にいるんだから勝手に悪いけど少々探りを入れてみよう。


まず冷蔵庫には何も無い。テレビ台にも何も無い。


「って何をしてるのよ!そうじゃなくて机周りだ。メモとか手紙か日記。」


机の上は綺麗でメモが1枚だけ、桃に渡すとだけ。


「何を?仕方ない一応、写真を撮って。日記は書いてるのかな?」


それらしいノートはなく諦めかけた時、ベッドの枕の下に何かあるのが見えた。


「見つけた日記だ。ごめん壮真!」


中を開くと私の写真しかも水着の。


「さっきのごめんを返して欲しい。これは没収しておこう。」


さて中身は、最近のところからでいいな。とりあえず昨日の日記は、明日から大学再開。桃をしっかり見張っておかないとすぐにトラブルに巻き込まれる。


「なんだか、私だけに問題があるみたいな言い方しやがって。というかどのページも私のことばっかり。」


桃は強いし嘘を見抜くのが上手い、桃に嘘なんてついたことないけど。

水着は本当にやばかった。もうめちゃくちゃに……。

桃を食べる桃、共喰い。


「真面目な顔してこんな事を考えてたのか、ぶっ飛ばしてやろうか。あの天パ。」


ダメだ、全然無駄な私の情報ばっかし。


「はあーどこに行ったの?」


ふと冷蔵庫を見るとメモが貼ってある。


「最初に見たのに、なんだ、昨日はなかった。」


マコちゃん要注意 20時 ファミレス


「えっ何これ?」


まず今の時間はもう21時、後こんな話は聞いていない。壮真が隠し事をしないと信じるなら、図書館で待ってる間にマコちゃんと何か約束をしたのかな?仕方ないマコちゃんに電話しよう。マコちゃんはすぐに出てくれた。


「夜にごめんねマコちゃん?今日、壮真に会った?」


「えー会ってないよー。」


「そっかぁー。ごめんね夜に。ありがとう。」


「ううん、全然大丈夫だよ。じゃあねまた明日大学でね。……ももー!ブツッ。」


えっ、状況が全く読めない。思考が停止しかけている。


「とにかく会ってないは嘘だ。ブレスレットが反応したし。そっそれと電話口に叫んだあの声。」


壮真?


「いやいやいやいや。まさかマコちゃんが壮真をなんて。ないない。」


もう一度電話してみよう。


「おかけになった電話は……。」


電源が切れてやがる。これは黒だ。とりあえずマコちゃんの家に乗り込もう。あの子は実家に住んでいる


「夜分に申し訳ありません。同じ学部の同級生の竹中桃と申します。マコさんはいらっしゃいますか?」


「こんばんはぁ。母ですぅ。今日は高校の時の同級生とカラオケでオールするって言ってたけど。」


「そうですか。ありがとうございます。夜分遅くに失礼致しました。」


「いいえーまた来てね。」


綺麗なお母さんにお礼を言ってマコちゃんの家を後にする。家にはいないようだ。駄目だ専門家に電話しよう。


「英子ちゃん今少し大丈夫?」


「うん、もうバイト終わって家に居るから。」


「壮真がいなくなっちゃったの、多分マコちゃんが関係してる。」


「ほーう。それで。」


「一緒に帰る予定だったのに来なくて、メールも返って来なくて、壮真の家を探したらメモがあったの。20時にファミレスって。で、マコちゃんに電話したら壮真の声でももーって呼ばれたの。でマコちゃんの家に来たけどいないって言われて。」


「うん、分かった。明日、朝8時に大学で。今日は休んで。」


「えっ?」


「大丈夫、じゃあ明日ね!」


と言って切れてしまう。仕方ない帰ろう。戻って来るかもしれないから壮真の部屋に帰ろう。壮真のベッドに横になる。結局、あまり眠れず朝を迎えた。


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