3、不吉な予感
ご飯を食べ終えた私達は、明日からどう立ち回るかを考えていた。というのもアンちゃんがあの後不吉な事を付け足したのだ。
「ああ、そういえば1人だけ怪しい子がおんねん。明らかに幼少時から賢い子供やって、その子もモブキャラクターの男の子やねんけど小さい頃からやたらと色んな事知っててずっとマリアを探しててん。幼稚園でも、小学校でもずっと君の名前ってマリア?って。でも中学生の時に変化してマリアという名前の女の子を探さずにマリアと似た性格の女の子を探し始めてん。その子は完全に要注意やで。」
「まさか前世の記憶を持ったまま生まれて私を探してるって事?なっ名前は?!」
「うんその子の名前は分かってる。瀬良海斗。」
「うっ嘘でしょ。名前の順番、前なんだけど。で、前は誰だかわかってるの?あのゲームの!」
「いや、それは分からへん。でも話せば桃ちゃん分かるかもしれへんな。相手をどう呼ぶかどんな考え方か。」
「無理、冷静に考えられない。同じ学部の名前順が前の人だなんて。まずいですよ。どうしようアンちゃん私。結構教科の事とかで話すよ。ど、ど、どうしよう。」
「とにかく、いつも通りにしてマリアは大人っぽくて冷静やから。桃ちゃんは天真爛漫って感じやったからそのままでいいって。ばれへんばれへん。」
「しかも明日は共通授業ばっかりだからずっと前にいるよ。ああどうしよう。」
「あかん全然話聞いてない。落ち着き。とりあえずマスクしてあんまり顔が見えないようにしい。ほんで花粉症で鼻声やからあんまり声も出えへんとかわけわからん事言うてあんまり喋らんとき。」
「分かった。明日はそうする。」
「でも徐々に慣れたら普通にいきや。怪しい行動は目立つしやっぱり怪しまれるから。バレたらどう転ぶか私にも分からへんで。」
「怖がらせないでよー。」
「まあ大丈夫やろう。桃ちゃんはそのままいけばいいねん。さあ寝よ。色々言ってもしゃあない。ばれる時はばれるし、ばれへん時はばれへんわ。おやすみー。」
そう言ってアンちゃんはソファの上で寝てしまった。仕方なくベッドに入る。明日どうやって誤魔化そうとばかり考えていた。いつの間にか頼るようにブレスレットを触っていた。
「何かあったら助けてくださいブレスレットさん。」
何故か少し安心して眠りについた。