17、シークレットの謎深まる
エレベーター内で別れて部屋に戻った私は郵便受けに入っていた手紙やチラシを眺めていた。
「おかえり。桃ちゃん。」
「ただいまアンちゃん。」
「よかったなーほんまに付き合うようになってから顔が明るいもん。」
「へへーそうでしょう。」
惚気けているとチラシに混じって手紙が混ざっていた。封筒には何も書かれていない。宛先も無いので仕方なく開けてみることにした。アンちゃんが横から覗いている。少し背中の毛が逆立っている。
我はシークレット。貴様がマリアだという事を知っているが、誰かにいうつもりは無い。貴様を陰から見守っている。何か起これば助けてやる。
「アンちゃんこれって。」
手紙はパソコンで打たれた紙が入っているだけでそれ以外何もなかった。
「桃ちゃん。シークレット思い出した?」
私は首をふる。
「まず何点かやばいなって思う事言うな。まずマリアだとバレている事、そして家もバレている事。それを踏まえるとめちゃくちゃやばいな。」
「やめてよ。怖いよ。でも内容をそのまま信じるならいい人だよね。」
「まあせやな。桃ちゃんどうする?」
「とりあえずどうしようも無いから写真を撮って壮真に送っておく。」
送った後、1分もしない内にインターホンが鳴った。玄関の扉を開けるとそこには息を切らした壮真が居た。
「桃、大丈夫か?」
「大丈夫。手紙がきただけだし。これ。」
そう言って手渡す。
「ああ、でも内容は思っていたのと違うな。」
「でしょ。」
「まあ今はどうする事もできないし、何かあったらすぐに言えよ。」
「うん、分かった。えっとあがっていく?」
「いや、今日はいいよこの後バイトだから。」
「そっかありがとう。いつも。」
「ああじゃあな。」
「うんバイバイ。」
壮真が帰った後、アンちゃんが作ってくれたご飯を食べながら思い出していた。シークレットはヤンデレじゃない筈。年上の男性で警察官?だったような。監禁されていたのを助けてくれる?
「だめだ思い出せない。」
「シークレット?」
「うんそう。」
「まあゆっくり思い出し。ちなみにシークレットなんて私は聞いた事無かったわ。」
「そっか。ありがとう。」
今日は勉強をして寝よう。勉強思いの外捗りぐっすりと眠る事できた。