16、異常なイベント数
本当に付き合い出しても特に変化はなかった。元々付き合っている事になっていたので何かを言われたりする事もなかった。ただ1つマコちゃんはあまり壮真に近付かなくなった。彼女が言うには、
「なんとなくもう無理だなって。ちょっと関係が変わった気がするの。もしかしてした?」
「しっしてないよ!」
「ふふとにかくもう私が入る隙はなくなった。」
だそうだ。
色んな事が起きた気がしていたが壮真と付き合う事になった以外何も進展していない。結局デレクとダニエルとシークレットは分からないままだし。それに未だに恋愛イベントだらけで気が気でないし。
今日は壮真とお茶をして帰るので先に授業が終わった私は壮真の教室の前で終わるのを待っていた。
「わぁ桃ちゃんじゃーん。」
そこに現れたのは1度ナンパしてきた名前は知らない男だ。
「俺だよ斎藤陸覚えてない?」
「覚えてません。」
「うわぁひどいー。でもやっぱり可愛いねおっぱい大きいし。」
「まじでぶっ飛ばしますよ。」
「怖いー。でも怒った顔も可愛いね。俺と付き合わない?」
「付き合いません。彼氏待ってるんで。」
「はは彼氏ねうんうん。」
「はぁ?」
「大丈夫俺、略奪も得意だからさ。」
「消えろ。」
やっと壮真が出てきてくれた。
「壮真おかえり。」
「ああ、ただいま。帰ろうか。」
「うん。」
「じゃあ俺も帰るよ。桃ちゃんバイバイ。」
「壮真、あの人なんか怖い。笑ってるけど笑ってないし。」
「ああ、あいついつもふらふら人を渡ってるらしいぞ。見つかったら人の多い所へ逃げるんだ。」
「分かった。じゃあ行こう。」
手を繋いでカフェまで歩く。
「あらぁお兄さんかっこいいわね。お姉さんと良いことしない?」
「しません。」
「君可愛いね。横の男なんか捨てて俺にしない?」
「しません。」
「あのずっと好きでした。柴田君。」
「ありがとう。彼女いるからごめん。」
「ねえ壮真。なんでカフェまで10分なのにこんなにイベントが起きるの?」
「分からない。なんだろうな。」
「怖いんだけど。」
「ああ、怖いな。まだ出てくるぞあそこにいる。」
「うん居るね。仕方ない聞いてみよう。」
また歩き始めると電柱の裏から人が出てくる。
「桃ちゃんまた会ったね!」
「ああさっきの。」
「陸ね!」
「で、ご用は?」
「その男浮気してるよ!」
「へーそうすか。壮真が。」
壮真は何も言わず深くため息をついた。私も同じようにため息をつく。ちなみに嘘だとブレスレットも告げている。
「揺らがないかぁ。」
「何がしたいんすかぁ?」
「桃ちゃんキャラ違くない?」
「はいはい。」
「帰るよ。分かりました帰りますぅ。」
そう言ってやっとどこかへ行ってしまった。やっとカフェに入り、プリンとサンドイッチとコーヒーを頼む。店内は時間のせいかガラガラだ。
「やっと座れた。なんなの本当に。」
「異常だったな。帰りも気をつけないと。」
「うん。そうだ、何だかタイミングが無くて言えて無かったけどこっちの世界に来てるのは、アラン、デレク、ダニエル、シークレット、エイクだって。」
「そっか。で瀬良がアラン、俺がエイクね。後3人か。シークレットは思い出せたか?」
「ううん。ただ変わった人だった気がする。」
「そうか。それとすまない。結局俺はエイクと一緒だった。」
「1度しか目をつぶりませんからね。」
「ありがとう。次こそお前を助ける存在になるよ。帰ろうか。」
「うん。」
マンションに帰る途中もまた壮真はナンパされて、いい雰囲気をぶち壊された。