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1、私の始まり


私は大学一年生の竹中桃、18歳。入学してバイトをするか悩み中。

この春から一人暮らしをしてて途中の道まで友達のマコちゃんと一緒に話しながら歩いていた。マコちゃんはこれからバイトだからここでバイバイだねーって言ってわかれた直後だった。頭上から猫が落ちてきた所までは覚えているけど、目を覚ますと私の家だった。


「あー起きたん?」


「喋った!喋った!」


さっき落ちてきた真っ白で瞳が紫の猫が喋っている。


「あーまあそうなるよねー。とりあえず落ち着いてくれる?」


「猫が話している!」


そして二足歩行している。


「あーあかんかなー。仕方ないとりあえず話すか?うーん。」


「しかも関西弁。」


「それはええやん。結構、落ち着いてるな。桃ちゃんやんね?私ねアンソニーっていうねんアンちゃんでいいから。それで君を助ける為に来ました。」


「助け?」


「そうやねん。さっき私とあたってなにか思い出してない?あー【ドキドキ監禁学園~彼はヤンデレ】」


「監禁?」


急に何を…ん?何故だろう。私知ってる。主人公の名前は。


「マリア。」


「そう!前世の君ね!」


「ロードされては新しい男に監禁されて。ニューゲームになったかと思えばまた違う男に監禁された。後せっかくハッピーエンドで終わったのに、とんでもなく束縛されたり。最悪だった。」


すっと口から出た不満は経験した事のない記憶だけど、しっかり私の中に存在している。他の事も思い出してきた。

今は目の前の猫が話す事よりもこの出どころのわからぬ記憶の方が衝撃的だ。いつも四角い箱の中の選択肢を見てた。それにいつも変なイベントばっかりの学校だった。お茶するだけとか、映画見るだけとかで、レポートもなしなんて、今の学校では考えられない。


「そう!覚えてるやん!それが前世の君ね。で、さすがに可哀想やからって今回、君は現代にモブキャラクターとして生まれ変わってん。一応ここもゲームの世界ではあるけど君には現実やから。君が何をしようが誰を好きになろうが全て自由。誰とも結婚せずにばりばり働いてもいいし。普通に年取るし死ぬから。」


「よかった。だって物心ついた時からの記憶があるものね。急にこの年齢になった訳じゃないし。両親もいるし友達もいるし。色々追い付けないけどたくさん思い出してきた。それにしてもあいつら、いつも自分の勝手を押し付けてきやがって。」


「急に口調変わったな。マリアの記憶が融合してるんやな。マリアは隠れドSだったもんね。俺だけのものとか。コレクションの一つとか。大変やったなー前世は。よかったね生まれ変わって!そういえばマリアは精神力もめちゃくちゃ強かったよね!」


「そういや、今も細かい事気にしなさ過ぎって言われる。前世も、とにかく生きていくことだけ考えていたな。」


深くため息をつく。


「そうやね気質は変わらないからね。桃ちゃんめちゃくちゃ冷静でしょ今も。でもそこが問題やねん。」


「問題?」


「あのゲームの攻略キャラは6人、その内5人が君を追いかけて同じ世界に生まれ変わってしまった。大学生になって君に近付いてきてしまってん。今までは縁が遠かったのに。彼らに前世の記憶はない。だから桃ちゃんへの気持ちは今世のもの但し気質は変わらない。」


「まさか。」


「うん、恋愛に対して結構歪んでる。てか病んでるな。」


「絶対に関わりたくない。」


さっきまでそんな記憶なんてなかったのに、いまはとんでもない量の記憶が蘇っている。私はどこかの貴族だった。寄宿学校の3年間で恋に落ちて卒業前に相手を決めるという内容だった。先輩に1人、同級生に2人、後輩に1人、先生に1人と幼馴染が1人これで6人だ。全員何かしらの闇を抱えていた。


「うん、でも桃ちゃんは気付かないうちに関わってるねん。それに向こうも知らないうちに桃ちゃんに惹かれている。多分、前世に引っ張られるんやろうね。でも何人かは恋に対する歪みを治そうとしてるんやで。でも今の状態ではまた桃ちゃんはヤンデレに捕まるかもしれへんねん。やから私が来ました。」


「あなたが。あなたって何者なの?」


「うーん。せやなーうーん。じゃあ天使かな。一応天からの使いやん?だから私がサポートする。桃ちゃんと一緒に誰があのゲームのキャラクターか推理する。」


「あなたも誰だか知らないの?神様に教えてもらえない?」


「正直、私をこの世界にねじ込んだのも無茶な所業やったから。これ以上この世界を変えると壊れてしまうね。せっかく手に入れた自由な人生壊したくないでしょ?」


「う。嫌だ。今とっても充実してるの。小さい頃から夢だった医者を目指して医大に入って今は恋人なんていらない。マリアは何もなかった文字通り空っぽの人形だった。あの頃には戻りたくないだから協力してください。」


「うん、じゃあこれからよろしくね。アンちゃんでいいで。桃ちゃん。」


「うんよろしくアンちゃん。」


なんだかとんでもない事になってしまった。これからどうなるの私。



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