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第11話 勇敢であること

「話はまた戻るけれど、

2つの条件とか

チェックメイトしたとか言うのは、

私が勝手に言っているだけのことで、

DQNや一般の人が

理解することはできない。

それを理解しているのは、

我々だけだ。

つまり、

チェックメイトしたというだけでは、

自己満足しているだけで、

問題はまだ解決していない」


「…………」


「特にDQNが一番、

すでに

自分が負けていることを

理解できていない。

DQNは都合が悪くなれば、

問題をうやむやにして、

何かと自分が優位な立場を

占めようとしてくる」


「…………」


「だから、

チェックメイトした後のDQNが、

まだなおも

『こちらがイヤと思うこと』を

してくるようであれば、

まだ戦争が続いているということと

解釈されるから、

『強力行使』をして、

はっきりと分かる形で

勝ちを収めにいかなければならない。

相手が

こちらを害してこようとする気持ちを

完全にへし折ったときに、

イジメを解決できたことになる。

これまで話したとおり、

イジメは

戦争学に分類されるべきで、

戦争では勝ったほうが正しくなるからだ。

教育の問題ではない。

本当にいじめられているならば、

2つの条件を作るまでには

ただならぬ忍耐がいる。

その努力は、

問題を完全に解決するためにあったのだ。

敵がこちらに勝負を挑んできて、

勝てる機会があるのに

反撃をしないというのは、

戦いの理念に反する」


「…………」


「しかし『強力行使』は、

ケンカではなく

問題解決の手段としてやるから、

怒りにまかせて行ってはいけない。

自分が一番冷静な時を待って、

それから3時間から3ヶ月くらいは、

間をあけてもいい。

必ずDQNが

他のことに気を取られているときに、

突然、

後ろからやるのだ。

DQN自身は、

『強力行使』をされることも知らないし、

それを決行する、

正確な場所と日時を知っているのも、

自分だけでないといけない」


「…………」


「DQNの行動原理は、

やり返してこない弱い相手からは

何を奪ってもよいが、

強い相手には攻撃してはいけない。

というものだが、

我々の場合は、

相手が誰であれ、

2つの条件がそろったら

『強力行使』をやるという原則に従う。

敵を恐れるあまり原則に背くと、

それをDQNに嗅ぎ取られて、

弱味として

つけ込まれることになるだろう。

恐ろしい相手ほど、

やるときは完全にやり遂げるほうが、

かえって安全なのだ」


「…………」


「それでも、

実際にやるとなると、

法律のこと以外でも、

『強力行使』を思いとどまらせるような、

様々な不安がわき起こってくる。

これで本当に、

完全に終わらせられるのだろうかと?」


「…………」


「例えば、

DQNやその仲間が、

後から仕返しにくるんじゃないか? 

途中でヘマをして見つかってしまったら、

DQNの子分が加勢してきて

袋叩きにされるんじゃないか? 

先生やクラスメイトたちは

DQN側の味方について、

学校には

自分の居場所がなくなるんじゃないか? 

進学で不利になりはしないか? 

大きな事件になったら

親にまで迷惑がかかって、

親が仕事を

辞めなくてはいけなくなるかも知れない

……等々」


「……とくに

……仕返しは本当に怖いです。

家族にも

降りかかってくるかも

知れませんから……」


「DQNが

仕返しをしてくるかどうかだが、

まず、

仕返をしようなどと思わせないくらいに、

『強力行使』を

やり遂げていなければならない。

もし仕返しをしようものならば、

『強力行使』より上は、

殺し合いしかないことを分からせるのだ。

それができれば、

DQNにとって

我が身ほどかわいいものはないから、

仕返しをしてこない」


「…………」


「子分たちが

仕返しにくるという心配も、

まずない。

DQNたちは一枚岩ではない。

ただ気の合う者同士で

連んでいるだけだ。

ノリと成り行きでリーダー格に従っている。

DQNのリーダーは、

DQN内における

DQN有利の法則で決まっただけで、

尊敬や信頼の上に

成り立っているわけではない。

ましてや子分たちだって、

自分たちが

『強力行使』をされるような目に

あいたくはない」


「…………」


「次に、

こちらが

『強力行使』をやろうとする直前や、

している最中に、

DQNやその仲間から反撃されることだが、

それは大いにあり得る。

こちらも相手を殴るのだから、

当然だろう。

『強力行使』は、

全てを賭けてやるのだ。

だから絶対に失敗しないために、

時間も場所も自分で決めて、

武器を持って

相手の背後から不意をついてやる。

それなのに、

中途半端な気持ちでしか

人を殴れないようでは、

間違いなく

子分らが加勢にきて袋叩きにされる。

だから

『強力行使』をやるときは、

覚悟を決めて、

黙って早く強く殴り続けるのだ。

最初の一撃で

動けなくしなければいけない。

子分たちは、

こちらが弱ければ加勢に来る。

それでも勝てる自信がないようでは、

やらないほうがいい。

私は『強力行使』を、

やれと教えているのではないのだから」


「…………」


「次は、

クラスメイトたちや教師が

DQNの味方につくか――。

イジメがあるクラスでは、

DQNが、重要人物として居座っている。

しかし、

DQNは所詮、

DQN有利の法則を強みにして

自らの地位を確立させているにすぎない。

ただし、

恐れられているということは、

尊敬されているのと同じことでもある。

DQNが

幅を利かしているクラスでは、

他のクラスメイトたち一人一人が、

本来発揮できる

良質のパフォーマンスは妨げられている。

そのために、

内心では

快く思っていない者も

少なからずいるのだ。

そこに、

『強力行使』で

問題を解決するという結果を残せば、

こちらを支持する者も現れるようになる。

だからクラスで孤立するはずがない。

結局、

教師も全体の空気を読むことになるだろう。

ただし基本的な理念は、

『強力行使』なんかはするべきではない」


「…………」


「最後は、

倉打君の親の仕事だが、

そんなことが

どうなるかまでは分からない。

だけど、

子がいじめられるのは、

親から譲り受けたものだ。

親の仕事にまで飛び火したときは、

『強力行使』をしたことが、

どれだけ致し方なかったかを

周囲に理解してもらえるかどうかということ、

つまり、

2つの条件が

どれだけ確かなのかが

重要となるかも知れない。

『強力行使』をやるまでに、

DQNのイジメに対して、

耐えていた期間が長ければ長いほど、

それを見ていた者が多ければ多いほど、

その確かさは

より強固とはなりえる。

あとは運任せだ……」


「…………」


「ただ一つ言えることは、

『強力行使』を思いとどまらせる、

このような不安の感情に

押し流されるよりも、

自分を信じて

勇敢に行動したほうが、

よい結果をもたらすことのほうが

多いであろうということだ。

勝てる見込みのほうが高いときは、

勇敢に行動したほうがいい。

2つの条件が揃えば、

『強力行使』をしたほうがいいのだ。

人生に一度ならば、

こういうことがあっても、

トータルで見て悪くはならない」


「……それでも、

本当に仕返しをされないと

言い切れるでしょうか……? 

相手のバックには、

誰がいるのかも分からないですよ……」


「相手が筋金入りのDQNの場合なら、

報復されることもある。

だから、

それに備えるために、

2つの条件を

確実なものにしなければいけなかったのだ。

2つの条件があるために、

相手がイジメをやめないからやるという

大義名分を掲げられることになり、

世間の多数から、

『強力行使』が、

やむを得なかったことを納得されれば、

その力は強い。

これはDQNの行動原理である、

弱肉強食という

自然の摂理よりも大きい、

宇宙の法則だ。

宇宙の法則は、

人間の見識で否定できるものではない。

宇宙の法則に逆らってまで、

報復をしてくるということは、

愚か者になりにくるということだ。

筋金入りのDQNと言えども、

中々できることではない。

だが、

それでも報復をしてくる場合が、

絶対にないとは言い切れない。

では、

報復を恐れて、

『強力行使』をやらないほうがいいのか……? 

答えはノーだ。

それでは原則に反する。

そういう場合は、

こう考えるのだ。

『強力行使』をしても、

仕返しをしてくるほどのDQNであれば、

『強力行使』をしなかったとしても、

結局は、

全てを奪われる。

自尊心も財産も命も、

すべてだ。

どのみちDQNに

すべて奪われるのだったら、

『強力行使』をして、

一矢報いてから

奪われたほうがマシだと。

イジメは戦争だから、

『強力行使』もあるのだ。

だから、

『強力行使』をやるときは、

人生を賭けて

勇敢にやり遂げたほうがよい。

運命は

勇敢に行動したほうの

味方をすると言われている……」








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