白い皮を被った赤
「ここがこうで…」
「そうですが…ともかく…」
「発展のために…」
「理解して頂く…」
Side長谷川
準備万端だな早く党員会議を済ませなければな。
「誰だ?」
長谷川は話しかける。
「ハッ!同志スターリン!会議の準備がすみました!」
兵士が告げる。
「では行くか。」
長谷川はそう言うと兵士に道案内をさせながら歩く。
会議場に着いた兵士がドアを開けるとソビエト連邦高官らが席に座っていた。
「遅れてすまない、少し用事があってなところでだ、諸君らを呼び出したのは他でもないソビエト連邦の明日についてだ。」
長谷川がそう切り出すと何人かがホッとした顔を浮かべた。
「私はこのままではソビエト連邦は崩れ去り我々や人民も死に絶えると思うのだ。その証拠に共産体制に入った時に市場や経済は混乱しさらには、資本主義的なネップがなければ農民はロマノフの方がよかったと思い我々に対し革命を起こしたであろう。私は我々は新たなツァーリになるために立ち上がったのか?違うだろう我々は人民のために立ち上がったのだろう?疑問はあるか?」
長谷川はにらみ全員を見た。
「ないが具体的に何するのか同志スターリン教えてくれないかな?」
「具体的には市場を解放し社会主義指導のもと経済競争を取り入れる。」
長谷川はそう言うと会場がどよめいたが長谷川が睨むと静まった。
「同志スターリン、貴方は帝国主義か資本主義者か?同志レーニンの志を忘れたか?」
「いや、忘れてはいないだがこのままでは、ドイツや前回の大戦で儲けに儲けたアメリカに攻められたら勝てるか?」
長谷川がそう言い放つと全員が沈黙した。
「アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス何が共通している?」
長谷川は問う。
「工業大国ですか?同志スターリン?」
「その通りだよ、例えるならアメリカは我々ソビエトが戦車一両作る間に20両は作れるだろうイギリスにしてもだ。私の案は見せかけは資本主義国にしアメリカ、イギリス等の金を貰い受け我々の繁栄引いては腐敗した資本主義の討伐に繋がるのだ。」
「だがしかし…」
「君には私の立てた案以外に人民に負担をかけない方法があるかね?諸君らの見栄を守る策もあるにはあるがね。」
長谷川は髭を弄りながら会場の全員を見回す。
「同志スターリン!それを教えてはくれないのか?」
「よろしい!教えようまずは外貨獲得の為に人民の食料の接収と売却、急速な経済転換と集団農園、集団工場の強制連行とシベリアに強制労働施設の設置大量の罪人生産によって生産力を
上げるという方法だが?」
長谷川は冷たい目で全員を見回し、見回し終わったら髭を弄る。
「同志スターリン!本当に我々はその道しか残っていないのか?」
「ないから言っている!代案があるなら話してみたまえ。誰かいないのか!」
長谷川が睨むと全員が目を反らした。
「では決定だな。諸君らの今後の働きに期待する!」
こうして、新たな未来へと歴史は歩み始めた。