1−2.5“簡略術式“
これは—伊戸が瞬間転移を手に入れ、街へ転移した後の小さな物語—
「本当に転移したんだな…信じられん…」
いくらゲーム廃人でも実際に転移したことは流石にない為、少し困惑している伊戸。だがその脳内には一つの懸念があった…
「…これ、緊急時すぐ脱出できるから強いけど詠唱に時間が掛かるな…何か簡略出来るような方法ないかな…」と、声に出すと情神が反応してくれた。
「【解】簡略術式の使用で迅速発動が可能になります。」
…簡略術式?なんだそれ、詳しく説明を頼む。
「【解】簡略術式とは、本来よりも魔力消費量が増えるなどのデメリットがある代わりに発動に必要な詠唱をスキップできる特殊な術式発動法です。」
…⁉︎なんだそれっ…最高に良いじゃないかッ‼︎情神ッ!それッ教えてくれ‼︎
≠≠≠
数分間、情神に簡略術式のことを教えもらい、気づいたことがある。
1つ.簡略術式を使用するためには、独自の魔術発動方法を作らなければならない。(手印とか…? )
2つ.魔力消費量が増えるというのを倍率で言うと本来の3倍くらい(魔力を)喰うそうだ。
そして3つ.簡略術式の適応に相当な時間が必要…(常人だと1週間以上)
以上のことに気づいた為、俺は本当に簡略術式を覚えるべきか考えていた。
「でも、『覚えている』に困ったことは無いしなぁ…」
—結局、俺は瞬間転移の簡略術式を作ることにした。
「独自の発動方法…なんか楽に出来てそんなに練習の必要のないやつ…」
考えに考えて、俺が思いついたのは、ゲーム廃人だった頃のゲーム以外の雄一の得意技—指パッチンだった。
「【解】指パッチンでの瞬間転移簡略術式を組みます。」
さて、どのぐらい時間が掛かるものだろうか…常人で1週間…いくら魔力量が多いからって時間が変わるなんて保証もないし…ちっとだけ不便な面もあるのかもな…魔力の特殊能力…。
と、思っていた5秒後…
「【終】簡略術式の段組が終了しました。続いて瞬間転移のアップデートを行います。」
え、早っ…早すぎない…?と、思っていた更に2秒後…
「【終】簡略術式の適応が完全に終了しました。以降は指パッチンで発動ができます。」
と、超速スピードで簡略術式を作った情神だった…




