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【連載版】妖魔転記—転移者の冒険記録—  作者: 華邨りい
【弍】“新天地と新能力”
15/17

2−2“魔術操作”

     ***

現在位置:幻影都市『メタノアス』

     ***

—此処は幻影都市…レル達が一足先に入ってしまった。

入って行った理由は単純、幻影都市だと知らなかったからだ。

此の都市の元凶を倒さない限り恐らく抜け出せないだろう。


「クソ…もっと早く気づいていれば…!!」


レル達が街に入ってから5分。ずっと無音のままだ。

中がどうなっているかは分からない。霧で囲まれているのだ。

—現在の座標を元にして瞬間転移フラスパを使ってみるのはどうだ…?

情神ラトル!現在の座標は?


「【解】現在の樟標ィ縺ァ讓呻シ噎1912縲y603縲】222縲縺ァ縺吶」


!?ちょ、どうした情神ラトル!?


「【解】き…の…響だ………われ…す。」


え?今なんて言った?霧の影響…?

そうだとしたら情神ラトルが使えないのは確定…厄介だな。

そう思考していると、


「—だよね〜。此の街、邪魔なんだよね〜…。」


男性の声・・・・が伊戸の後ろから聞こえてきた。

咄嗟に伊戸は振り返る。そこには、初心者用であろう服を着た男が立っていた。


「あ、あなたは…?」


—気づかなかった。何時から俺の後ろにいた?気配が全くない…


「ん?あぁ、僕は『クレン・スピネルカ』だよ!」


クレ…は?X(ランク)の?否々(いやいや)…そんな事ない…よなぁ?


「その反応、僕のこと知ってるね?いやぁXランクともなると有名になるんだねぇ…」


……間違いない。此の人はXランクだ。

さっき迄放ってたオーラが一瞬で消えた。

どう言うことだ…?何故Xランク…災害級のバケモノが此処にいる?


*ん、此処にいる理由かい?*


念話!何時の間に繋がれた!?

其れより、今読心術使ってなかったか?


*“も”…?あぁ、『二重詠唱ダブリード』の事かい?*


二重詠唱ダブリード』…あの2つの魔術を同時に詠唱する…ってやつ?

そんなの出来るのか…?1人の人間だと不可能なんじゃないか?


*可能だよ。詠唱がすこーし面倒臭くなるだけで!*


か…軽いな。だが、『二重詠唱ダブリード』を習得できたら魔術の便利性が跳ね上がる。


*その『二重詠唱ダブリード』、教えてもらえませんか…?*

     ≠≠≠

「じゃあまずは炎と焔系統の魔術を二重にしてみようか!」


俺は事情をクレンさんに包み隠さず話した。すると、潔く手伝うと言ってくれた。

その手伝いとして、俺は『二重詠唱ダブリード』のやり方を教えてもらう事にしたのだ。

が、問題がある・・・・・。問題、それは

ルトがいない為、鏡帝回復レペルヒールで倒れてしまう、と言う事である。


情神ラトルの情報によると、常時発動魔術をOFFにする事は出来るらしい。

だが、現在の俺はその技術を有していない。要するに、止められない。


*ふむふむ、成程ね…鏡帝回復レペルヒールか。*


少しの間熟考していると、そうクレンさんが(念話で)話しかけてきた。

何時いつ読心術を使ったのかは分からないが、何やら考えている様子だった。


——………………。


無言の間が続く。

クレンさんは相当熟考しているようだった。

     ≠≠≠

「よし!僕なら出来るかも!」


数分後、大声に近い音量でクレンさんが叫んだ。


「え、な、何ですか!?何が出来るんですか…?」


これには伊戸も驚きを隠せない。

さっき迄黙りこくっていた人が急に大声出すんだもん。


「何が出来るって、一択じゃん!『スキルディスク』だよ!」


……?ス、『スキルディスク』…?

情神ラトル、何そ………あ、使えないんだった。

じゃあ、直接聞いてみるか。


「クレンさん…?『スキルディスク』ってのは?」


RPG系ゲームでも聞いたことがない単語だ。

此の世界にしか無い物だのだろうか…?


「良くぞ聞いてくれました!『スキルディスク』とは—」

     ≠≠≠

「と、いう訳なのです!」


クレンさんの説明が終わった。要約したものは、次の通りだ。


#スキルディスク#

スキルを破壊することで手に入るスキルパーツを一定量使用することで作れる。

スキルの波長が登録されており、使用することで其のスキルを取得することができる。


……相当便利なものだ。此の『スキルディスク』ってのは。

—其れを使って俺に『魔術操作』というスキルを覚えさせたいようだ。


「理解はしました。でも、肝心の『スキルディスク』、持ってないじゃ無いですか。」


俺はもちろんの事、クレンさんも『スキルディスク』は持っていない。

作るしか無いのだ。スキルパーツを使って。


「うん。確かに持っては無いけど、『魔術操作』ならたくさん持ってるんだよ」


……ほお?たくさん持っている…とな?

じゃあそれを壊して入手→ディスクを作れば……


「て事でやりまーす!」


何故かめっちゃ軽いノリでクレンさんは言った。

言うと同時、スキル波長が記録された『魔水瓶マナ・ウォート』と呼ばれる物を取り出した。


「えーと…?『魔水瓶マナ・ウォート』に『炮烙の結晶ディートクリスタル』を入れて…」


入れた刹那、『魔水瓶マナ・ウォート』が光り始めた。

中には細かい泡のような物、炮烙が始まっているようだ。

     ≠≠≠

—数分後、魔水瓶(マナ・ウォート)は薄い水色の液体が溜まった物となった。


「これが…スキル(パーツ)…?綺麗だ…」


分かるよ〜伊戸くん。スキルパーツ、綺麗だよねぇ〜。

後は、此の魔台コードに入れるだけっと。


{トポトポトポ}


クレンさんが少しずつ魔台コードにスキルパーツを注いでいく。

魔水瓶マナ・ウォートに入っていた分が全てなくなった時、スキルディスクが完成するらしい。

     ≠≠≠

「できた!」


クレンさんが少し声を大きくしながら言う。

手には少し小さめのディスクがあった。


「これを…どうするんですか?」


伊戸が問う。

先ほどは“使う”とだけ言っていたからどう使用するのかは知らない

まさかとは思うが“食べたり“…?


「食べる?まさか(笑)。使用者はこれを砕くだけだよ。」


何時いつ読心術を使ったのか、心を読みながらクレンが答う。

……砕く?其れだけで習得出来るのか…?

そう思いながらも、伊戸は『魔術操作』が入ったスキルディスクを受け取る。


「其れを手に乗せた状態ででグッと力を入れれば良いよ!」


……成程?じゃあ力をグッと入れてぇ〜


{パキンッ}


力を少し入れた瞬間、手にあったディスクが弾け飛ぶ。

ディスクの破片は、伊戸の掌上に()()()()()


「【解】UNアンコモンスキル、『魔術操作』を獲得しました。」


情神ラトル!?ちゃんと喋れてる…どうしてだ?


「【解】魔術操作を名称名情神ラトルが自動発動し、霧の効果を無くしました。」


お、おう。魔術操作ってそんな便利なんだな…?

で、此れが出来たって事は…


「【告】SRスーパーレアランク常時発動魔術、『鏡帝回復(レペルヒール)』を一時停止しました。」


よし!成功した!!気絶は無くなったし、情神ラトルも使える!

此のスキル(魔術操作)、便利だ!


「ん、出来たみたいだね!じゃぁ、早速此の街『メタノアス』に入ろうか!」


『メタノアス』……レルとルトは此の中に!

新たなスキルを獲得した今なら行ける気がする!


—そう思いながら、伊戸はクレンと共に・・幻影都市、『メタノアス』に入って行くのだった。


第九話に続く

2−2.5(第2章-第2話 OAD)休みます。

脱稿間に合わなくなってきたんだが…?

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