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【連載版】妖魔転記—転移者の冒険記録—  作者: 華邨りい
【壱】“妖魔の世界へようこそ”
11/15

1−6“新たな魔術 其の2”

—【報】現在伊戸様は、ルトと共に新たに入手した魔術、『鏡帝回復(レペルヒール)』の対処法を考えています。

     ≠≠≠

「で、何なんですかぁ?その対処法ってのは…?」


ルトが問う。コンマの単位…そう簡単にできるようなものじゃ無いですぅ。一体全体どうやってぇ…?


「簡単だ。見てろ?」


伊戸がそう口に出す。そして指で()を作り—


{パチン}


()()()()()()()()

音が鳴ると同時、伊戸の姿が消える。


「え⁉︎伊戸は⁉︎何処行ったの⁉︎」


1番最初に反応したのはレル。何処へ行ったのか、其れは()()()()である。

その理由は単純。今行ったのは指パッチンによる瞬間転移(フラスパ)

—簡略術式。情神(ラトル)の力で強引に作った技である。


「あぁ…簡略術式ですかぁ…成程ぉ。」


簡略術式を1番最初に見破ったのはルト。さすが妖怪(フロスター)、とでも言っておこうか。

()()


「此処何処だよぉぉぉ!!!?」


伊戸が叫ぶ。其れも其の(はず)、簡略術式を発動する際、イキって転移場所を指定するのを忘れていた。転移先選択を行わないで瞬間転移(フラスパ)…本来は発動しないが、情神(ラトル)が居るなら別である。


「【謝】申し訳ございません。転移先未指定だったため、自動座標指定を行いました。」


自動座標指定⁉︎で、何処に飛んだんだ俺は⁉︎情神(ラトル)!現在の座標は⁉︎


「【解】現在の座標—x1600、y550、z12—成長の街(デュアルクス)付近です。」


成長の街(デュアルクス)付近…?じゃあ俺らが元いた場所の座標は…?


「【解】元いた場所の座標—x1590、y600、z12です。」


…‼︎良かった…ちょっと南に移動しただけじゃ無いか、助かったな。


「【案】この距離なら、『念話』が可能です。」


念話?何だそれ、説明を頼む。


「【解】C(コモン)スキル『念話』。魔力を文字に変換し、相手に飛ばすことで長距離での会話が可能なスキルです。」


成程…?魔力を文字に変換…特殊な内容のスキルだな。


「分かった。取得を開始してくれ。」


「【了】、【準】、【解】…完了。取得しましたC(コモン)スキル『念話.Lv1』です。」


OKだ。早速使ってみるかな、

—スキル発動。


「『念話.Lv1』………」


*ルト!聞こえるか?*


脳内で言葉をスキル発動と同時に思考。魔力に変換し、相手に飛ばした。


*!これはぁ…念話?伊戸ぉ…ですか?*


!上手く伝わったようだ。ノイズも何も無しか…このスキル、使えるぞっ!


*あぁ、俺だ。早速だがルト、俺はそこから少し南に移動した所に居る。*


—南…成程ぉ…情神(ラトル)が転移先を自動選択したって感じですかねぇ?


*分かりましたぁ、今からそっちに向かいますのでぇ…待っててくださいぃ。*


うん、伝わったようだ。じゃあ後は待つだけだな。

     ≠≠≠

「伊戸!」


真っ先に走ってきたのはレル。心配してくれていたようだ。


「大丈夫?急に消えるから吃驚(びっくり)したよ。」


確かに…“急に”消えるのは得策じゃなかったな。少しは許可取るべきだったかも…


「あ、あぁ。大丈夫だ。ごめん…簡略術式見せびらかそうとしてイキった…」


「いいよ謝らなくて…で?その簡略術式?ってので何とかできるんだよね?」


あぁ。“理論上”何とかできる。理論上…な。


*はいぃ。そうですぅ、理論上は可能ですが実際にはできません…*


—念話!やっぱし……ルト、実際にはできないってどういう事だ?


*えぇっとぉ… まず前提としてぇ、簡略術式は『発動を簡略する』ものですぅ*


うん。情神(ラトル)もそんなことを言ってたな…


*で、それに僕の未来視予知リ・フュージョンムーブを組み合わせるのは()()()なんですぅ*


……できない?具体的にはどういうこー


「ねぇ!急に黙ってどうしたの?また何かあった⁉︎」


念話でルトと話していたからか無言になっていた2人。心配したレルが話しかけてきた。


「ごめんごめん。ちょっと『念話』で話しててな…?」


レルは剣士、潜在魔力が少ないのだろう。念話を察知できないようだった。


「『念話』…スキルのこと?其れで何を話してたの?」


レルが問う。伊戸が答えようと口を開いた時、


「簡略術式じゃぁ解決できないよ、って話をしてたんですぅ。」


—ルトが代わりに説明してくれた。


「解決できない?どういうこと?」


俺も其れを聞きたかったんだ、レルナイス!


「あぁ…はい。まず、魔術やスキルには『魔術英列』というものがあります。」


魔術英列…?初めて聞いた言葉だな…


「『魔術英列』はa,b,c,d,e、5つの単語を並べて作られていますぅ。」


a,b,c,d,eか…瞬間転移(フラスパ)の魔術英列はどんなのだろうか…?


「【解】魔術名『瞬間転移(フラスパ)』の魔術英列—『daccabe』です。」


……成程?で?其れが何なんだ?


「……未来視予知リ・フュージョンムーブの魔術英列は—『abaadcec』…ですぅ。」


?至って一般的な魔術英列じゃないのか?何故簡略術式で解決できない?


「【解】簡略術式を組むことができるのは初字英列(ういじえいれつ)が『b,c,d,e』のもののみです。」


……要するに最初の文字が『a』だと簡略できないってことで良いのか?


「はいぃ…そうですぅ。此れにより未来視予知リ・フュージョンムーブは簡略ができないんですぅ…。」


そうだったのか…と、なるとどうすれば良いんだろうか…情神(ラトル)、何かないか?


「…………【案】『操作術式』はどうでしょう。」


…操作術式?内容はどんな感じなんだ?


「【解】対象の魔術、スキルに規程(ルール)を儲ける代わりに自由操作ができるようになる術式です。」


成程…?便利そうだな。操作術式…未来視予知リ・フュージョンムーブに使えるのだろうか?


「操作術式ですかぁ?其れなら可能ですケド…適応に時間かかるんじゃぁないですかぁ?」


適応の所要時間?問題ない!よし情神(ラトル)回復(ヒール)未来視予知リ・フュージョンムーブの混合で操作術式、組んでくれ!


「【了】、【準】、【解】………………」


少しは時間がかかるか…待機だな


「……完了。規程(ルール)の設定を、お願いします。」


よし、段組は終わったようだ。規程(ルール)…ルトは何がいいのだろうか?


「僕ですかぁ?特に希望はないですよぉ…勝手に決めちゃってくださいぃ。」


了解。じゃあ……


規程(ルール)決定 ♢魔力使用量+1~5%♢」


「【了】操作術式規程(ルール)確定。最終段組、開始します。」


OKだ。始めてくれ。


「【了】、【準】、【解】…完了。操作術式、段組完了しました。」

     ≠≠≠

操作術式の発動の影響で2回目以降の気絶はなかった。無事に街で物資の収集も完了。

俺らパーティー『光の道標(ルイレラ)』は、再び旅立つのであった。

第七話に続く

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