砂の星
もうすぐ、もう少し、もう、すぐそこ、
なのです
太陽に照らされるのを待っている白月が微かに
白い息を洩らして囁く
もう少し、もうすぐ、もう、
満月の夜です
冬夜空、瞳、白銀の煌めき
流れる雨雲に現れた
雪満月とひとつ星
あなたと目を合わしたのです
あなたの目とわたしの目が合った日から
なにかが動き出したのです
その瞳から零れる砂がサラキラ、サラキラと落ちました
悲しみを少しだけ洗い流して欲しいのです
逢いたかったと言ってほしいのです
ひとり、涙を流していた
それもあなたを想う素晴らしい時でした
満月の夜の次の日は雨でした
昼から少し強く、冷たく降りました
雨霧の息、雨音に、あなたの歌が乗る
ぬくもりが耳から
渦を巻きながらこの胸に流れ込む
溢れるは涙、光浮かばせて、
見上げるあなたの瞳には福星が輝いてみえます




