表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/52

召喚されしはヤドリギ03


「ヤドリギの力を妾によこせ。そして十年後に自ら滅べ。このふたつの条件を飲むなら明人はしばらくヤドリギに預けよう」


「むちゃくちゃだな」


 ヤドリギはあきれ顔になった。


「だが、そうしないとヤドリギも契約を履行できぬであろう? 妾と戦ってもし負けたらどうする? それにたとえ妾に勝ったとしても無事でいられれると思うか?」


 ヤドリギは考えた。


 ここでもし鬼姫と闘ったとしても、負けないと思うが無傷で勝てるとも思えない。おそらくお互いつぶし合いをする事になるだろう。


 そうすると下手をすると此の世に存在する事ができない可能性がある。再度具現化するのに数年は必要だから、その間は明人を守れない。もし魔界へ強制送還されてしまったら、契約不履行になり此の世に二度と来る事ができなくなる。


 であればヤドリギも鬼姫と争うことはできれば避けたい


 鬼姫も本町を救う時間が足りないから、闘って再度具現化する時間のロスを惜しんでいるのだろう。


「十年後、私が滅びないといけない理由は?」


「明人を独り立ちさせる為だ。明人には本町を救うべきか否かのリトマス紙になってもらうつもりだ。だから明人には自分で決断が出来るようになってもらいたい。だから近くにヤドリギがいると邪魔なのだ。ヤドリギがいなくなった後は最低限の庇護を妾がする事は約束する」


「滅んでも数年で復活するぞ」


「ヤドリギの心臓をもらう。そうすれば七,八年は復活できぬだろう。その後であれば明人もそれなりに成長している筈だからヤドリギが近くにいても問題にはならぬはずだ」


 ヤドリギは悩んだ。


 鬼姫の提示した条件は無茶だが呑めないほど最悪ではない。最悪はこのまま鬼姫と闘ってつぶし合い共倒れして赤ん坊の明人を一人っきりで放置する事だった。


 ヤドリギはそれから五分程考えたが最終的には鬼姫の条件を承諾した。


「では契約を締結する」


 ヤドリギと鬼姫は宙に印を描き、それを片手でつかみ取りお互いの掌を合わせた。


 パシッと柏手を打ち契約を締結させた。


「ではまずヤドリギの心臓をもらい受ける」


 鬼姫がその場に明人を置いて近づいてくる。そして鬼姫の手はゆっくりとヤドリギの心臓に向かっていった。



次回はまた明日の夜を予定しています。

ではでは


誤字脱字その他感想受け付けています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ