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「ぼくの未来は神様が決める」

作者: 青金思音


2020年12月23日

15歳年上で、18歳の兄が交通事故で亡くなった。それから十年が過ぎ、僕の未来への一歩が踏み出される。




2030年4月6日

今日は、岩夢がんむ中学校の入学式だ。


歌気瑠かけるご飯」


「はいはい、行けばいいんでしょ」


父が言い返す。

「こらお母さんになんて口の利き方だ」


「いつものことじゃない、しょうがないよ」


「ま、そうだけど」


僕、早乙女歌気瑠は、反抗期真っ最中のため、口の利き方が悪いが、誰しも起こりえることだろう。


父が母に問う。

「今日の朝ご飯は?」


「今日の朝は目玉焼きよ」


「そっか、わかった」

三人で「いただきます」と言い、家族三人で食べ始めた。


食べ始めて、少し経った頃、歌気瑠が口を開く。


「学ランってやつ着るんだよね」


 母が答える。

「当たり前じゃない、もう中学生なんだから」


「まぁそうか」


「ごちそうさま」

と歌気瑠がいい、歯磨きをしに行く。

歯磨きが終わり、着替えに行く。


「こう着るのかな?」

(たぶん着れてるはずだ)支度が終わり、三人で歩いて中学校に向かう。


「着いたね」と歌気瑠が言う。


「おめでとうございます」

先生だと思われる人が出会う人に言う。


クラス分けの紙が貼ってあった。


(1年4組か)(担任は誰かな?山田歌保やまだかほ先生か)

(どんな先生かな?)


入学式が始まった。


1年1組から出席番号順に言われ、名前を言われたら返事をして立つ。

いよいよ自分の番だ。


「1年4組8番早乙女歌気瑠」


「はい!」


校長先生や各担任からの話が終わり、やっと入学式が終わった。

ここからは、校内の案内を受け、教室に行くらしい。


「みなさん、ここが下駄箱です。明日からここが昇降口ですよ」


このような説明が場所ごとにあった。



教室についた。ひとりずつ自己紹介をするみたいだ。


「まずは、私からします。私の名前は、山田歌保です。

担当教科は、国語です。文法が得意なので、何でも聞いてください。

ちなみに好きな食べ物は、ハンバーグです。よろしくお願いします。」


「では男子から出席番号順にお願いします」何人かの自己紹介が終わり、自分の番が来た。


「僕の名前は、早乙女歌気瑠です。好きな教科は社会です。

小学校のころ歌気瑠の「か」をとって、かーくんと呼ばれていました。よろしくお願いします」


「へぇ~」


自己紹介が終わり、自由時間が来た。

(誰かに話しかけようかな?でも緊張する)


そんなことを思ってた時、突然前からかーくんと呼ぶ声が聞こえた。


「えぇと君の名前はなんだっけ」


小包翔こづつみしょうだよ、さっき言ったけど忘れちゃった?」


「ごめん忘れてた」


「まぁ別にいいよ、一気に全員は覚えられないしな、小学校はどこだった?」


「俺は、岩夢小学校」


「あぁ北の方か、俺は岩夢東小学校、その名の通り東の方だよ」


「岩夢東小って、この中学校にきたの、30人くらいだよね」


「そう、小学校1クラスで、クラス替えなんて全くなかったよ

それに比べていいよな。岩夢小は、学年に120人くらいいたんでしょ。

知ってる人が多くてうらやましいよ」


「え、そう?」


「そうだよ!知ってる人多いと、話する人も多いし、楽しいじゃん」


「あ、そうか」


「ねぇ、彼女っているの?」


「まだいないけど、いつかは、作りたいと思ってる。そっちはいるの?」


「もちろんいるよ。実は、このクラスの美森びもりはななんだ。まぁ、岩夢東小出身なら大体知ってるけど」


「へぇそうなんだ。俺も早くできるように頑張るよ」


「少し悩みあるんだけど、話してもいいかな?」


「全然いいよ」


「実は、俺さ自分一人で物事を決めることが苦手でさ

いつも代わりにだれか決めてくれればいいのにって思ってる」


「そうなんだ。話してくれてありがとう。いつか自分で決められるようになるさ」



その時だった。まぶしい光が差し込み、声がした。



「私は神様です。

あなたが一人で決められないことをほかの人に話したことで出てこられました。

私が代わりに物事を決めて差し上げましょう。」


「そんなこと言ったってどうすれば決めてくれるんだよ」


「決めてほしいことを言った後、神様お願いと最後に言えばお願い成立となります。

試しに今、何をすべきかお願いしてみてください」


「今何をすべきですか?神様お願い!」


「あなたは自分を含め仲間を三人作るべきでしょう」


「仲間ってなんだよ」


「今はまだ教えられません」


「そっか、わかった」


「じゃあさ、俺の彼女の花と俺たち3人で仲間作ろうよ」


「そうだな」


神様の目的もわからないまま言うことを聞いてしまった。


「次は、4/20に、三人でどこかに出かけてください」


「はーい」


「じゃあ彼女に交渉しといてくれない?」


「わかった」


それで交渉ができ、三人で出かけることになった。




2030年4月20日

今日は、仲間になった3人で初めてレストランに行く日だ。


「楽しみだね」と花が言う。


「そうだね」と二人で返事する。


「洋食レストランだけど、中学生のみで入れてもらえるかな?」と翔が言う。


「大丈夫、大丈夫」と俺が言う。


「突然失礼します。神様です。

言ったことは、守れているようですね。あと言い忘れていたことがあります。

それは、私の言うことを守らなかったら、私が、あなた達の存在を消してしまいます。

このことから逃げるには、あることを成し遂げなくてはいけません。

それを考えながら行動してください。では、また会いましょう」


「え?こわ」と俺が言う。


「まぁ頑張ろうよ」と二人が慰める。


レストランでそれぞれ好きなものを頼み食べる。


「神様、このあと私たちは何をすべきですか?神様お願い!」


「すぐに帰って家族の役に立ちましょう」


電車に乗って岩夢駅へ向かう。その途中、花が話しかけてきた。


「歌気瑠は、彼女作らないの?」


「気になっている人はいるし、付き合いたいけど、俺ダメダメだし」


「ダメじゃないと思うよ。気になっている人って誰?」


金森千尋かなもりちひろ


「あぁ、あの子ね、私、話したことあるけど優しい雰囲気だったよ、告白すれば?もし怖いなら神様に聞けば少しは力になってくれるんじゃない?」


「そうするよ」


「私は、金森千尋さんに告白するべきでしょうか?神様お願い!」


「神様はするべきだと思います。おそらく両思いで成功するでしょう」「よしするか!」




2030年5月5日


いよいよ告白する時が近づいてきた。


下駄箱に放課後体育館裏で会うように手紙を入れた。


16:00頃に来てくれるはずだ。(あ、来た)


「何話って?」


「実は、小学4年生の時から千尋のことが好きだったんだ。

君の誰にでも平等に優しくできるところに惹かれたんだ。

もしよかったら付き合ってください!」


「実は、私も中学入学してから君のことが気になっていたんだ。

こちらこそ付き合ってください!お願いします!」


「ぜひ」


「ハハハハハ、約1週間ぶりだな。歌気瑠。やはり両思いで成功したな。

これは、罠だったのだ。

歌気瑠は、告白をして、関係が深まった人物が増えた。

つまり、約束を破った時に消す人物が一人増え、四人になったのだ。」


「そんな、クソ」


「まぁ落ち着け、私の言うことを聞けばいい話だ。次の指令を出そう。

翔と花。歌気瑠と千尋でダブルデートにせよ。

場所は、岩夢市石夢中央がんむしせきむちゅうおう

5丁目のカラオケ店、カラオケ団夢だんむだ。」


「わかった」


「日付は、2030年5月15日だ。」


「ねぇ歌気瑠、今のって誰?」


「神様だよ、僕の代わりに決めてくれたり、命令してきたりする神様。

だけど命令を破ったら、俺と千尋。翔と花は、この世から消されてしまうみたいなんだよ」


「私もその仲間に入っているの?」


「今入ったみたいだよ」


「マジか」


「今から翔に電話して、伝えるわ」


「翔、歌気瑠なんだけど、告白成功したよ。

あと、千尋も私たちの仲間に入ったって神様が言ってたよ。

あと命令が来た。俺たちでダブルデートをしろって。

5月15日に、カラオケ団夢だって。花にも伝えといて」


「そっか、わかった伝えとくよ」




2030年5月15日。

ダブルデートの日だ。翔が一言言った。


「楽しみなのは、楽しみだけど、神様が見ているって思うと楽しみずらい」


「ほんとそう」と三人でうなずく。


「何歌う?」と僕が言う。


「じゃあ50年後の岩夢」と千尋が言う。


「じゃあ歌ってね」


「はい」


千尋が歌い始める。サビになった。


「50年後の岩夢、模型のようなビル、遊園地で子供がワイワイ、はしゃいでいる、楽しい未来、岩夢・・・。」


「やっと終わった。」


「いい曲だよね」と僕が言う。


そうすると花が「本当にこんな未来が来たらいいのにね」という。


「マジでそう」とみんなで返す。


そして、2時間が過ぎカラオケの時間は終わってしまった。

それから月日が過ぎ、夏休みになった。



2030年8月17日。神様から命令がまた来た。

「2030年8月31日に四人で映画鑑賞に行くこと」


「わかった、わかった」と俺が言う。


「だな」と三人が返す。




2030年8月31日。

映画鑑賞の日が来た。「映画楽しみだね」と千尋が言う。


「今日は、どういうジャンルの映画を見るべきですか?神様お願い!」


「また神様を呼びましたね。まぁいいでしょう

あなたたちは、カップルなので、恋愛映画を見るべきでしょう。

ためになりますよ。」


「わかった神様」と俺が言う。

映画を見終え、各自解散となった。冬休みが来た。




2030年12月24日。

「明日はクリスマスだね」と花が言う。


「クリスマスパーティーする?」と翔が言う。


「やろう、やろう」と三人が返す。


「プレゼント交換もしよう」と俺が言う。クリスマスがやってきた。




2030年12月25日。

今日は、翔の家に集まった。


「プレゼント持ってきた?」と俺が言うと


「うん」と三人が返す。


「じゃあ自分のは来ないようにするね」と俺が言う。


そうすると三人は、「OK」という。


「じゃあルーレットアプリ入れたから、やろう」と俺が言う。


「イェーイ」と翔が言う。


「じゃあ千尋、花、翔、俺の順番でいい?」


「大丈夫」と三人が返す。


「千尋回して」と俺が言い


「わかった」と返す。


「俺じゃん、じゃあこれ」


「なんだろう?え、手作りケーキ、マジ嬉しいんだけど、ありがとう」


「じゃあ私引くね」


「翔だね」


「はい、これどうぞ」


「ありがとう、シャーペンだありがとね」


「じゃあ僕引くね」


「花だね」


「はい、開けてみて」


「ボールペンだ。ありがとう」


「最後は俺だね。残っている千尋のだね。」


「はい、これ開けてみて」


「え?タルト?手作り?」


「そうだよ」


「めっちゃ嬉しい。ありがとう」


「待ってヤバいかも。恋人同士で交換してるし、似ているものになってる」と俺が言う。


そうすると声が聞こえてきた。


「神様のおかげですよ。

私がカップル同士で似ているものを交換できるようにゴッドスマジックをかけました。

神様の魔法です」


「へぇありがとう」と俺が言うと


「そういうことだったのか」と翔が言う。


「ところで最近私に頼みごとをしていませんね。自分で決められるようになたのですか?」


「ああ」


「そうですか。では私の力は必要ありませんね。」


「そこまでは言わないでよ

神様のおかげで、自分で決められるように変われたんだ。

本当にありがとう」


「では仮面を取って私の正体を明かします」


「あれ仮面だったの」と花が言う。


俺が、「まさかたける!」と言う。


「そうだよ歌気瑠。

お前が小さいうちに俺は亡くなってしまったから

天国で力になりたいといったんだ。

そしたら、10年後神様になって力になれと言われたんだ。

だから本当は、命令を聞かなくてもこの世から君たちを消さないよ」


「そうだったんだ、ありがとう、命令はなぜ言ったの?」


「それは、君たちに命令をして、自分がしたかった人生を代わりに楽しんでもらったんだ」


「ありがとう」


「感動の再開だね」と千尋が言う。


「じゃあもうダメだ。さような・・・」と言い、消えてしまった。

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