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ぼくは異聞怪聞伝聞Youtuber

幸せな仔牛

ぼくは異聞怪聞伝聞Youtuber、【幸せな仔牛】。ぜひご視聴ください。

https://youtu.be/lBVWu8LH09g

【あなたがたは喜びをもって救いの井戸から水をくむ】

            イザヤ書第12章第3節より


『OK?じゃあ、行きます。』


 いつも通りのテロップが揺れる。怖い雰囲気の明朝体。今回の動画には合わないかも。


『始まりましたYoutube、異聞怪聞伝聞Youtuberのバムオです。』


 マンネリなのかルーティンなのか。木琴で繰り返される物悲しいフレーズ、これから始まるのがぼくの動画である。


『今回のタイトルは幸せな仔牛です。』


 はじめに、ぼくはツキに見放された。金はなく、空しく、闇が淵のおもてにあり、絶望が水のおもてを覆っていた。どこかで聞いた文章を引用しても仕方ない、ぼくはすっからかんのまま競艇場を後にした。

 これも全部占いのせいだ。ぼくは心の中で悪態をついてみた。頼んでもいないのに勝手にスマホへ送られてくる今日の運勢、

『水にご縁があるでしょう。』

などと勝手なことを知らせてくるもんだから、つい夢を見て競艇場へ足を運んでみたものの、結果は惨敗、お昼を過ぎたころには持っていた現金のすべてをぼくは失ったのである。

「これなら家でおとなしく動画編集していればよかった。」

 そう、ぼくはYoutuber、を気取りつつ祖母の支援と臨時バイトによって生計を立てている。そんな経済的自立すらできていないぼくがギャンブルに手を出すなど六万年早かった。つらく悲しい気分で駅に向かいつつ、ぼくは無意識に悲しい歌を口ずさみ始めた。こんなときに口をついて出てくるのは、そうドナドナ。これほどに現在、ぼくの心情に寄り添う曲も無いだろう。駅が近くなるまでドナドナをリピートし続け、重い足取りで帰路につくぼく。すると駅に入る直前、誰かに声をかけられた。

 何の用だか知らないが、現在のぼくには人にかまう心理的余裕は残っていない。振り返って断ろうと思ったら、なんと外国人、ぼくより頭一つくらい大きな白人のおじいさんが立っていた。まさか外国人に話しかけられるとは思わず、面食らって声も出ないぼく、初老の白人はたどたどしい日本語で話しかけてきた。

「ハナミナミマエガッコウ、サガシテイマス。」

 はないずみ、まえがっこう?

 すみません。他を当たってください。そう言いたかったが、この日本語力ではぼくの考えを伝えるのは難しいだろう。かといってどこの外国人かもわからないから、何語で答えていいかもわからない。まぁ日本語しか話せませんけど。

「ワタシ、ユダヤ人、English OK?」

 聞いてもいないのに自己紹介始められても困る。

 English OKとな?

 No OKです。

 と言いたいところだが、どう言えば伝わるのかわからない。するとそのユダヤ人はスマホをいじり始めた。どうやら翻訳機能で会話を続けるつもりらしいが、人通りがそこそこあるので他の人にお願いして頂きたい。どうしてぼくを選んだ?

 しばらくして彼はぼくにスマホを見せてきた。

『私の名前はDavidです。イスラエルから来ました。』

 ふんふん、ダビドさんて言うのね。

『私のパートナーは日本人でした。』

 ならなんでこんなに日本語たどたどしいの。過去形ってことは……。コミュニケーション不足がその原因では?

 勝手に憶測してみる。

『私は娘がいました。』

 これも過去形、なんだかいやな予感がしてきた。

『娘は残念ながら、死にました。』

 ……。競艇で負けたぼくの哀しみなどどうでもよくなるような悲しいメッセージにぼくは道案内を引き受ける決意を固めた。ぼくも返事をスマホで英語に翻訳し答えた。

『わかりました。お手伝いしましょう。』

 するとダビドさんはようやく笑顔になり、

『ではお礼の金額について相談しましょう。』

とぼくに告げた。金銭的に困窮していたぼくは救い主を見つけたようだ。


 まずダビドさんとぼくは駅前の喫茶店に入った。もちろんダビドさんが払ってくれるらしい、ダビドさんお金持ちな雰囲気。朝から何も食べていなかったぼく、遠慮なく喫茶店のランチをご馳走になりました。さらには道案内のお礼とやらは、競艇の負け分を上回る金額、これはすごい。

 円安のおかげかな?

 ぼくは生まれて初めて為替相場に感謝した。そんなぼくをさておき、ダビドさんは事情を説明し始めた。もちろんスマホで。


 ダビドさんことディビッドはユダヤ系アメリカ人としてアメリカ合衆国に産まれた。大学を卒業した後ディビッドはアメリカで金融の仕事についていた。そこでパートナーとなる恵美子に出会った。事実婚のまま二人は娘を授かり、娘には舞夢マイムと名付けた。三人は幸せに暮らしていた。舞夢が10歳になるまでは。その年はディビッド家族にとって転機となる年であった。


「これでイスラエルに平和が訪れる。」

 イスラエルと周辺国との歴史的平和条約締結を興奮気味に話すディビッド。それをそんなディビッドを見て恵美子はディビッドの両手を力強く握り締めた。恵美子は理解していた。アメリカ人としてアメリカで暮らしつつも、自分がユダヤ人であることを誇りに思い、先祖代々の夢、ユダヤ人としてイスラエルに還ることを待ち望んでいたディビッドのことを。そしてディビッドにとって本当の祖国、イスラエルの更なる繁栄をともに願った。

 しかし恵美子はユダヤ人ではなかった。日本人であった。ディビッドのアイデンティティを貫くことは、恵美子の日本人としてのアイデンティティを害することになるのでは、ディビッドの懸念はそこであった。ディビッドは我が帰属意識のために、恵美子の持つ日本人としての帰属意識を踏みにじることが出来なかった。

 ディビッドと恵美子は毎日話し合った、時には舞夢を交えながら。ディビッドがイスラエルへの渡航を諦めかけていた頃、恵美子は日本に帰ることを決めていた。離れ離れになることは三人にとってつらい選択であった。しかし恵美子は愛するディビッドのアイデンティティを守るにはそれしかないと考えた。そして泣き縋るディビッドに別れを告げた。それは永遠の別れ、家族思いで子煩悩なディビッドは再会をすればきっとイスラエルに戻れなくなる。恵美子は悲しい決断をして、舞夢を連れて日本へ旅立った。ディビッドの決心が揺らがぬように、恵美子は金輪際連絡を絶つことを決め、日本での居住地すら教えなかった。そこでディビッドはせめて金銭的な援助だけはさせて欲しいと願い、毎月纏まった金額を恵美子の口座に振り込んだ。その残高が減るのを見るのが、ディビッドにとって唯一出来る二人の安否確認であった。

 先祖が回帰を切に願った祖国イスラエルでディビッドは必死に働いた。母国の繁栄のため、そして恵美子と舞夢のために。もともとイスラエルの公用語であるヘブライ語と同国でよく使われるイディッシュと呼ばれる亜型のドイツ語を習得していたディビッドは、身も心も完全にイスラエル国民になるのに時間を要さなかった。そしてアメリカで培った金融の知識を活かし、大きな富を築き上げた。ディビッドは恵美子と舞夢のために振り込む金額を増額したが、二人が引き出すのはわずかであった。それでも毎月変動する残高がディビッドを安堵させていた。ディビッドはイスラエルで独り身を貫き、母国のため、家族のために懸命に働いた。

 ところが先々月から残高が動かなくなった。二月ふたつき待っても変わらぬ残高にディビッドは困惑した。二人と離れてから30年、こんなことは一度もなかったのだ。ディビッドは金にものを言わせて二人を探した。恵美子との約束を破ってでも二人の安否を調べた。

 ディビッドに訪れたのは訃報であった。妻の恵美子は十年前に癌で亡くなり、そして舞夢もまた二か月前に癌で亡くなった。ディビッドはその知らせを聞いて愕然とした。ディビッドは矢も楯もたまらず単身日本への渡航を決めた。そして生前舞夢が設立した『ハナミナミマエガッコウ』に向かう途中、道に迷った。


 ダビドさんの悲しい話にしんみりしてしまいつつランチを平らげたぼく。礼金を頂くという雇用関係が成立した今、ぼくは全力でお力になります。


 それにしても【ハナミナミマエガッコウ】ってなんだ?

 まずはそこから調べてみよう。ダビドさんが持っている資料からはこの近くにあるみたいだけど。ダビドさんが写真を見せてくれた。そこには看板が映っていて【華南保育園】と書かれている。うん、『ハナミナミ』はおそらく読み違いですな。なんて読むのかは知らないけど。『マエガッコウ』は小学校に入る前、つまり保育園なんだろう。読み方を知らなくても、漢字がわかればスマホで検索できる。日本語って便利だな。

 あったあった、華南幼稚園、ここからそこそこ距離あるな。ぼく一人なら頑張って歩いていくけど、スポンサー付きだ。ぼくたちは贅沢に電車を使うことにした。


 電車を待っている間どうにも気まずい雰囲気になってきた。だって言葉通じないから仕方ない。でもスポンサーの機嫌を損ねないように、まずは会話を試みよう。もちろんスマホで。

『Davidさんはユダヤ人なんですね。ぼくイエスキリストを知っていますよ。』

 ていうかユダヤ人で知っている人ってイエスキリスト以外いないかも。ダビドさんはこれを見るとやれやれという感じで首を振った。

 あれ?

 なんかまずいこと言ったかしら?

 慌てたぼくは会話を切り替えることにした。

『Davidさんは金融関係のお仕事なんですね。ぼくユダヤ人の借金取りの話聞いたことありますよ。』

 このメッセージを見たダビドさんは、かっと目を見開き思い切りぼくを睨みつけた。

 あれ?

 ぼくまたやらかした?

 以後電車が来るまで先ほど以上に気まずい時間を過ごすことになったぼくたちでした。


 電車に乗るまで無言だったダビドさんはようやくスマホでぼくに話しかけてくれた。

『私の次にあなたに会うユダヤ人のために、私はあなたに警告します。ユダヤ人の前でイエスキリストの話やヴェニスの商人のシャイロックの話をするのはやめなさい。』

 え?

 イエスキリスト、ユダヤ人には不人気なの?

 シャイロックって誰?

 ぼくが聞いたことある借金取りのこと?

 ダビドさんは続けた。

『とくにシャイロックの話はだめです。怒りに燃えたユダヤ人があなたの頭上に硫黄と火を降り注がせるかも知れません。』

 最後の一文があまりに恐ろしい。礼金の話が無ければさっさと解放されたいところだが、仕方ない。ぼくはダビドさんに頭を下げてみた。するとため息をついてダビドさんはなぜダメなのかを教えてくれた。


 シェークスピアが件のシャイロックが登場する【ヴェニスの商人】を書いたころ、ユダヤ人は各地でゲットーと呼ばれるユダヤ人収容地に押し込められ、一般的な職業に就くことを禁じられていた。そして当時のユダヤ人が選択できる職業の一つ、カトリックでは禁止されていた職業、それが金貸し業であった。ユダヤ人は好きで借金取りになったわけではなく、選択肢がそれしかなかったのである。


 電車が目的地に着くまでぼくは何度となくダビドさんに頭を下げた。無知とは罪、まさにこの言葉がいまのぼくにはピッタリだ。そしてこの流れで教えてもらったユダヤ人の歴史も驚きの連続だった。2000年以上前に故郷から追い出され、流浪先のあちこちで迫害され、疫病が流行れば彼らのせいにされ、戦争に加担すれば次の戦争で大虐殺の悲劇に会う。大事なパートナーと娘を捨ててまでも祖国イスラエルの発展に尽くすのも、こんな歴史を聞けば納得できる。平和ぼけな日本人のぼくにはない強烈な国への忠誠心をダビドさんは持っている。

 そこまで説明して、ダビドさんは床に目を落とした。スマホによる会話が途切れた時、ちょうど電車が目的地に着いた。なんだか元気がなくなってしまったダビドさん。ぼくは電車から降りるように促すので精いっぱいだった。


 【華南保育園】に向かう道中、ダビドさんは自らを悔いるような話を続けていた。

『わたしが悪いのです。すべて、わたしがユダヤ人だから。』

 そんなことないです、と言ってあげたいが言葉では伝えられないし、スマホの入力が間に合わない。ダビドさんは続けた。

『恵美子も舞夢も私がユダヤ人でなければ、一緒に幸せに暮らせていました。恵美子も舞夢も私を恨みながら死んでいったに違いありません。私と私の祖国イスラエルを。』

 もうぼくは言葉もメッセージも発せない状態になっていた。ダビドさんは、ぼくをちらりと見て、

『君が駅前で歌っていた、【ドナドナ】、あれが私たちを表しています。』

 え、日本では悲しい曲の定番だからなんとなく口ずさんでいただけなんだけど……。

『あれは、イディッシュと呼ばれるユダヤ系ドイツ語の歌です。恵美子がよく舞夢に歌って聞かせていました。』

 そしてダビドさんは歌詞の意味を教えてくれた。


馬車の上には、仔牛がポツリ

なわにつながれ、横たわる

高い空には、ツバメが一羽

楽しく空を、飛び回る

泣いてる牛に、農夫が問うた

どうして牛に、生まれたの?

ツバメのように、なれないか?

哀れな子牛は、運ばれる

自由の羽は、高く飛び

支配されずに、生きるのに


 うわ、ぼくが聞いたことある日本語の歌詞よりも救いようのない歌詞……。ダビドさんの説明によれば仔牛は不遇なユダヤ人を暗喩しているらしい。

『わたしは舞夢をかわいそうな仔牛にしてしまったのです。』

 ぼくにできることは頭を抱えて動けなくなったダビドさんの背中を押すことだけだった。


 とうとう【華南保育園】に着いた。すっかり意気消沈したダビドさん、ぼくはかける言葉もなくただダビドさんをここまで連れてきた。こじんまりとしながらも花が咲く庭、暖色をベースにした可愛らしい建物、これが【華南保育園】だ。平日なので職員も園児もいるようだ。ぼくはさっそく園のインターホンを鳴らした。

『はい、華南保育園かなんほいくえんです。』

 インターホンの声にダビドさんが弾けるように抱えていた頭を上げた。

כנעןカナン

 ダビドさんが保育園の名前を復唱している。そっか華南って華南カナンと読むのね。どうしたんだろう、ダビドさんが、

כנעןカナンכנעןカナン

と繰り返している。響きが気に入ったのかしら?

 いぶかし気に見つめるぼくの視線に気づいたダビドさんは説明してくれた。カナンとは神様がユダヤ人に授けた約束の場所らしい。約束の地カナン、華南カナン保育園、偶然かな?

 ぼくは出てきた保育士さんにダビドさんを紹介した。舞夢さんの父親であると。するとその保育士は口に手を当てて涙ぐみ、その右手をダビドさんの左肩においた。

 その保育士が言うにはこの、【華南保育園】は亡くなった舞夢さんが創設者らしい。促されるままに園内を案内されるぼくとダビドさん。見ると庭に小さいながらも陽光に輝く仔牛の像が見える。

「舞夢先生を偲んで立てました。記念碑の下には舞夢先生が作ってよく園児たちに聞かせていた詩歌が刻んであります。」

 

ある晴れた日の、昼下がり

市場いちばへ向かう、荷馬車にばしゃゴトゴト

馬車の上には、仔牛こうしがぽつり

それを見ていた、ツバメが笑う

どうして牛に、生まれたの?

君に翼が、あるならば

牧場まきばへ飛んで、帰れるものを

パパとママにも、会えるのに


仔牛はそっと、歌います

パパの踊りと、ママの歌

私はそれを、忘れない

二人がくれた、思い出が

いつも私を、慰める

離れていても、心は一つ

私はてんで、寂しくないわ

ある晴れた日の、昼下がり

市場へ向かう、仔牛の話

幸せを知る、仔牛の話


 この詩歌を翻訳しつつ読んだダビドさんは人目を気にせず号泣し始めた。舞夢さんはダビドさんを恨むどころか、ずっと父を誇りに思い、愛し、心に留めていたのだ。遠く離れていたとしても。

「この記念碑は【幸せな仔牛】です。舞夢先生の詩歌と同じタイトルです。」

 ダビドさんは保育士の言葉を理解しているかのように、涙をぼろぼろ流しながら何度もうなづいていた。


 周囲を気にすることなく声を上げて泣く大男ダビドさん、それを不思議に思ったのか保育園の園児たちがわらわらと湧いてきた。泣いているダビドさんの手を取ったり、体を優しくさすったりして慰めようとする園児たち。

「舞夢先生のお父さんですよ。」

 保育士の声に園児たちはなにやら準備を始めた。保育士たちを抱き込んで。しばらくして園児たちは保育士に用意させたCDプレーヤーを囲むように、それぞれの手を繋いで人の輪を作った。なんとなくしり込みしたぼくを他所にダビドさんも手を繋いで輪の中にいた。大柄なダビドさんは小さな園児と腰をかがめて手を繋いでいる。これから何が起こるんだ?

 すると保育士がCDプレーヤーを操作し、軽快な音楽が流れ始めた。うん、これ知ってる【マイムマイム】だ。突然流れ始めた歌と一緒に踊りだす園児たち、そしてダビドさん。なにより驚くのはあの、【マイムマイム】の独特な歌詞、あれを園児はもちろん、ダビドさんも完璧に歌いこなしている。偶然かもわからない、亡くなった舞夢さんと同じ名前の歌を歌い踊る園児たちとダビドさん。その踊りの輪の中に、何故だろう、会ったこともない幼い舞夢さんと若かりしダビドさんが一緒に踊る姿を見たような気がしたんだ。


 名残惜しそうに何度も何度も振り返りながら、ダビドさんはぼくと帰路についた。駅で連絡先を交換し、電車に乗るダビドさんを見送り僕の道案内は終わった。なんか感動のシーンに立ち会えていい気分。よし、この感動を動画にしよう。求めよ、されば与えられん。動画作成せよ、されば視聴されん。


 残念ながらいつも通り動画はバズらない。感動的な話を感動的にまとめられないぼくが悪いのだ。仕方が無い。動画を上げてしばらくしてからダビドさんがぼくにメッセージをくれた。どうやらぼくにすごく感謝してくれているみたい。そしてその中には【マイムマイム】の話が記されており、その内容がぼくにあの不思議な園児たちとダビドさんの歌と踊りを理解させた。マイムマイムはヘブライ語の歌で、聖書の言葉を引用した、開拓民が水を汲む仕草を歌にしたものらしい。マイムは水、ベッサッソは喜びを意味するそうだ。もちろん園児たちが踊った踊りはダビドさんが舞夢さんに教えたものそのままらしい。間違いない、舞夢さんは離れていてもダビドさんと、亡くなった母親と心は一つだったに違いない。

 ぼくは爽やかな感動を覚えるともに、ひとつ驚きを感じていた。

『水にご縁があるでしょう。』

 ぼくを競艇場へいざない、ダビドさんと出会わせたあのスマホ占い。当たってるじゃない。ぼくは喜びの中、ダビドさんからの報酬を確認することにした。ベッサッソ♪

ぼくは異聞怪聞伝聞Youtuber、【幸せな仔牛】。感想をぜひお寄せください。

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