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ネイト(後編)

ネイトがジョンストン公爵家へ連れてこられてから半年後、アメリアは貴族学園に入学した。メリッサは公爵家へ戻されることはなく、無事帝国の貴族学園へ入学できたことにネイトは安堵した。


アメリアはネイトのことを辺境伯の庶子で再従兄弟だと思っている。あの調査書を見た時、第一印象はノアだったので、ネイトは心の中で同い年の辺境伯庶子の彼をノアと呼んでいる。ノアは彼の母と一緒に辺境伯邸で育ち、9歳で母を亡くしてからは行方不明だと書いてあった。本物のノアがアメリアと同じ貴族学園に入学していないようにとネイトは祈る。


アメリアはネイトのおでこに残る火傷跡を見ても何も言わない。アメリアが火傷跡から火事を連想しないことをホッとすると同時に、アメリアのことを過大評価し必要以上に怖がり恐れているようで情けなくなる。


ロートンで聞き込みをしたら、ネイトがロートンに来た当初は顔と両手に火傷があったこともわかるはずなのだが、あのノアの調査書一枚でネイトの裏どりを終わらせたあたり、アメリアにとってネイトは自分と同じ顔をしていることに意味があるだけの取るに足らない相手のようだ。


メリッサやロートンの人たちのことはあっさりと忘れ、田舎町ロートンではなく王都のジョンストン公爵家で働くことができてよかった、給料が上がって嬉しい、アメリアお嬢様が本当は性格が悪いのを知っているけど怖いから黙っていよう、そんな薄情で愚鈍な男を演じ、ジョンストン公爵家で従者をしている。


王都へ来てから半年間は、どこに行くにも連れまわされて観察されていたが、最近は問題ないと判断されたのか、従者や侍女から監視されている空気が無くなった。


ジョンストン公爵家の人たちは、誰もメリッサの話をしない。ロートンにいた頃のメリッサは、毎日公爵家へ帰るために魔力操作の訓練をしていたというのに、アメリアがメリッサのために魔力操作の訓練をしないことを気にも留めないのだ。アメリアはジョンストン公爵やメリッサの祖母への定期的なごきげんとりを欠かさず、今のジョンストン公爵家はアメリアを中心に回っていた。


ネイトはジョンストン公爵家の全てが好きになれなかった。


メリッサのことを思うと、ネイトがアメリアと王都に来たことで傷つけてしまったことへの罪悪感で心が押しつぶされそうになる。


アメリアが貴族学園へ行ってから、周りの目もなく自由に動ける時間を作れるようになったネイトは、周囲を盗み見てこっそりとメリッサへ手紙を出した。隙が出来たらいつでも出せるようにと、メリッサへの手紙を常に胸ポケットに忍ばせているせいで、手紙はいつも皺だらけになっていた。


従者として働きながら、アメリアの罪や裏の顔を明らかにして糾弾するにはどうしたらよいだろうかと考える日々。


深刻な話の中でもふざけて場を和ませるジョッシュと意外に鋭いローズ、意見をまとめるのが上手なメリッサ。ここに3人がいたら良い解決方法や建設的な意見を出してもらえたかもしれないと思ってしまうが、人を殺す計画に大切な人を巻き込むことはできないと、誰にも明かさずやると決めたのは自分だ。悩んだ結果叔母にも言えなかったのだから、ネイト1人で頑張るしかない。


燃えたミルズ子爵家に何か証拠が残っていないか調査する、あの火事の時に偶然壊れていた大型の放水魔道具と火種だと思われる魔道具を解析する、録音魔道具と自白魔道具でアメリアに罪を認めさせる。ネイト1人ではこんな方法しか思いつかない。


録音魔道具と自白魔道具は、簡易なものと証拠に使える正式なもの、2種類あるのだが、録音魔道具の簡易版はネイトのジョンストン公爵家の給料1ヶ月分、正式版は約1年分もの値段がする。自白魔道具に至っては簡易なもので給料2年分、正式な証拠に使えるものは給料5年分で、しかも録音魔道具も自白魔道具も再利用できない1回だけの使い捨てだ。


高くて手に入れることができない分、まさか平民のネイトがその録音魔道具や自白魔道具を持っているとは思わずアメリアでも油断するだろう。そこが狙い目だ。


できる限りお金を貯めて、魔法学園の卒業までに正式な自白魔道具を購入しよう。そして、国王陛下など王族がいる場でアメリアへ自白魔道具を使う。ネイトは今から6年後の魔法学園の卒業式で自白魔道具をアメリアに使うことを目標にした。


アメリアの自白があれば、それを元にミルズ子爵邸への調査や魔道具の解析がされて、アメリアに罰が下されるはず。そうなったら母の遺体を探し出し、お墓を作ってちゃんと埋葬しよう。そして帝国にいるメリッサの元へ行くのだ。


当初ネイトは、アメリアを母と同じように焼き殺そうと思っていたが、今ではアメリアを殺して日陰者になるよりも、堂々とメリッサと生きたいと願っている。メリッサの存在が、ネイトに自分の手を汚さない復讐法を考えさせたのだ。


目標を決めてからは、限界まで節約してお金を貯める日々。アメリアがネイトを手元に置いておきたい意味は相変わらずわからないままだ。


アメリアはメリッサの元婚約者候補のクリストファー殿下とは仲の良い友達止まりになるよう調整し、こっそりとエルドレッド殿下との親睦を深め、王妃に阿り、陛下に隠されている第三王子殿下を探していた。第三王子殿下の存在を聞かされた時、ネイトを馬車で拐った時に言っていた「予想とは違った」とは、ネイトのことを第三王子だと予想していたのだろうと気づいた。


善人を演じていない素の時のアメリアは、ネイトではないもう1人の従者に依存し、時折弱い顔を見せて何かと頼っている。その従者はアメリアに頼られるたびに悦に入っている顔を隠さない。


9歳で人を殺した女に、恋したり人を愛する心があってたまるか。


アメリアが王子達や従者と過ごしている時、ネイトは心の中でそう吐き捨てていた。ネイトはアメリアの従者への依存は演技だと思っている。



ネイトがジョンストン公爵家で働くようになってから3年経った秋のはじめ、半年後にネイトとアメリアの魔法学園入学を控えた頃、ネイトはアメリアに命じられ、とある伯爵令嬢について調べていた。


アメリアは少しでも訳ありの気配がすると、女性であっても第三王子ではないかと疑うのだ。王城の図書館で持ち出し不可の本を読むほど探究心が強いアメリアは、“性別を変える”そんな物語に出てくるような魔道具を昔の王族が所有していたことを知っていた。


今調べている伯爵令嬢は、愛人の子で、貴族学園入学前まで平民として働いていた。今日はその伯爵令嬢が働いていた喫茶店へ来ている。


喫茶店を出て、公爵家へ帰ろうと公爵家の使用人用馬車に向かって歩き出したネイトは、細い道から出てきた手に腕を引っ張られ、小道に引きずり込まれた。と、同時にその脇からネイトにそっくりな人物が出てきて、元々ネイトが歩いていた道を何もなかったかのように歩いていき、公爵家の馬車へ乗り込み去って行く。


口を押さえられていたネイトは公爵家の馬車を見送ることしかできず、そのまま力ずくで別の馬車へ押し込まれた。紋章がなく、飾り気もない、その辺の乗合馬車のような見た目をしている馬車の内側は、ジョンストン公爵家で当主が使っているのと同程度の豪華な内装だった。


「手荒な真似をしてすまないね」


馬車の奥には端正な美丈夫が座っていた。アメリアに従って登城した時に遠くから見たことがある彼は、陛下とは年が離れた兄弟で、今はまだ20代半ばで独身の王弟殿下だ。アメリアが“伏兵”と呼び、「これが片付いたら後は伏兵ね」と言い、王太子と婚約した後に対峙する相手として警戒している人物だ。


ネイトは慌てて跪き頭を下げる。


「私は王弟のコーネリアス。ネイト君、顔を上げてくれるかい?……さっき公爵家の馬車に乗って行った君の偽者は、魔道具で姿を似せている王家の手の者なんだ。彼だったら充分あの毒婦の目をごまかせる。明日また今日のように入れ替えて君を元に戻すから安心してほしい」


ネイトは突然の出来事に混乱して、なぜ王弟が自分に会いに来たのか予想もつかず、性別を変える魔道具だけでなく特定の人物に変身できる魔道具があるなんて、王族が持つ魔道具はなんでもありなんだな、などと関係ないことを考えてしまっていた。


「驚かせたかな。……実は、私と兄上は王妃とその実家に手を焼かされていてね、最近は毒婦の入れ知恵のせいかこちらが劣勢になっているんだけど、君と手を組んで一発逆転できないかなと思って声をかけたんだ」


毒婦とは間違いなくアメリアのこと。どうしてネイトの復讐心に勘付いているのかと、恐怖と興奮と期待とが混ざり合い、ネイトの心臓がドキドキと激しく波打つ。


「前髪を上げて顔を見せてくれるかな。さっきの君になりすました魔道具で一度確認はしているんだけど、念のためね」


ネイトは緊張で震える手で前髪を上げて王弟殿下を見つめた。


「うん。本当にあの毒婦と同じ顔をしているんだね。……ソニアさんはアメリア・ジョンストン、いやその時はまだジョンストンじゃなかったね、アメリア・ミルズに殺されたんだね?」


ソニアはネイトの母の名。なぜ知っているのだと驚き、ネイトは声も出せず、壊れた人形のように頷く。


叔母にはアメリアのことは言っていない。自分のせいで姉が望んでない男の愛人になっていたと悔やむ叔母に、その愛人を強要していた男の娘に母が殺されたのだとは言えなかった。


メリッサはネイトがひどい火傷を負っていたことも、貴族に恨みを持っていたことも、この国の魔法学園でやりたいことがあることも知っていた。メリッサが叔母に話を聞いたのなら、ネイトとアメリアが異母兄妹で、アメリアの両親の死とネイトの火傷とネイトの母の死が同時だったという不穏さにたどり着く。


メリッサだ。


「兄が側妃の息子を隠しているのは知っているね?君達が必死に探している私の甥、第三王子が今メリッサ嬢と仲良くしていてね、甥はメリッサ嬢から帝国でピアニストになる計画を聞いたんだ」


帝国でピアニストになる計画を明かしたほどに、メリッサと第三王子は仲が良いと聞き、心に灯った嫉妬の炎をネイトは無理やり抑える。

メリッサと仲良くしているということは、第三王子は帝国の貴族学園に入学していたようだ。たしか、アメリアが手に入れた、どこぞの侯爵家が調べていた帝国の貴族学園についての報告書には碌な内容が書いていなく、メリッサの学園生活を確認できるかもと盗み見たのにがっかりしたのを覚えている。


「隠していた計画を教えてくれたメリッサ嬢に、甥は王族の自分が願書にサインをするからすぐにコンクールに応募すればいいって言ってしまったんだよ。もしも今年アポロン賞が受賞できなくても毎年サインをするからって約束までして、メリッサ嬢に自分が王子だと、兄にも私にも相談せずに勝手にバラしたんだ」


テルフォート国際音楽コンクールに15歳のメリッサが応募するにはジョンストン公爵か自国の王族のサインが必要だ。そのために今年は見送り、平民になった来年から応募しようと決めていたが、ジョンストン公爵ではない王族のサインならメリッサは憂いなくすぐにコンクールに応募ができる。


「良かった……」


メリッサの吉報にネイトは自分のこの状況も忘れ、王弟殿下の許可もなく声を発していた。


「君たちは本当に思い合っているんだね。……甥が自国の王子だって分かったメリッサ嬢はね、コンクールの願書のサインはいらないからネイトを助けてほしいって、甥に頼んだんだよ」


こみ上げてくる喜びと、メリッサへの恋しさで、ネイトの目の縁から涙が染み出てくる。


「甥からの手紙で毒婦の名前を見た時はびっくりしたよ。メリッサ嬢が毒婦の義姉でクリスの元婚約者候補だったことすら忘れて、甥の手紙に出てくるただのかわいいピアニストのメルちゃんだと思っていたからね。


それで、君の話次第で、王妃とエルドレッドと毒婦の3人まとめて退場してもらえるんじゃないかなって思ってるんだ。

今は本当にこちらが劣勢だから、そのまま調子に乗ってもらおうとは思っているけど、そろそろ反撃を始めないといけないからね。兄にそろそろ重い腰を上げろと怒られてて困っていたんだよ……


それじゃ、ソニアさんとミルズ子爵夫妻の火事についての話をしてもらおうか」


王弟殿下はそう言ってネイトに話を促す。あのアメリアが付けた“伏兵”という呼び名がぴったりだと感心しながら、母と叔母の話を盗み聞きしたところから、酒屋での遭遇、手作りの髪留め、フランベと同じ青い炎、燃える屋敷を見て笑っていたアメリアの様子まで詳しく話した。


孤立無援で頑張っていた自分に強力な協力者が出来た奇跡に興奮し、いつもよりも饒舌だった自覚がある。


「なるほど。偶然が重なって知ることができたんだな。それなら、あの毒婦もまさかバレているとは思ってもいないだろう。


当時の調査はミルズ子爵のタバコの不始末と放水魔道具の故障が重なったとして簡単な調査だけだったようなんだ。幸いミルズ子爵領は当主不在として王族管轄になって、焼けた屋敷はそのまま残っている。こちらで調べよう。


その火傷をしてでも持ち帰った魔道具も預かっていいかな。明日ネイトくんが公爵家に戻った後、子飼いを派遣するから渡してほしい」


ネイトは首から下げていた小さな巾着袋に入っている魔道具を取り出す。こうして持ち歩いていたことで、アメリアに突然連れ去られた日も持ってくることができた。公爵家の寮に置いておくのが不安で相変わらず持ち歩いている。


「こちらです」


「驚いたな。持ち歩いていたのか。……見た所簡単な作りだから改造もできそうだ。どんな魔道具かの解析もだが、魔力痕も解析しないとな」


魔道具は使用すると魔力痕が残るらしいのだ。魔力を持っていない平民でも個人で違う痕が残ると聞くので、まだ魔力が漏れ出していない幼い子供の魔力痕も残るはずだ。


「ネイトくん、話ができるのは今日だけかもしれないから、私から直接言っておこう。君の話をそのまま信じるわけにはいかないから、君の話の裏をとるまでは確定ではないと思って聞いてくれ。


帝国に逃していた甥なんだが、王妃と毒婦のせいで帰国してウェインライトの魔法学園に入学しないといけなくなったんだ。あの毒婦が第三王子が見つからないことに焦れったくなってエルドレッドを立太子させる方針に変えたようでね、王妃に魔法学園の新しい教育方針案を提出させたんだ。


毒婦の元にいる君じゃない従者、あれは元王の子飼い見習いでね、見習い期間中に毒婦に奪われてしまって、それが毒婦にあれほどの立ち回りを許してしまっているんだ。本当に情けなくて申し訳ない。


王妃は兄に、甥に手出ししないと約束するかわりにエルドレッドの立太子を求めてきている。


ネイトくんの話を聞いて、それに屈したふりをして立太子を約束してしまおうと決めたよ。きっとすぐにエルドレッドと毒婦は婚約するはずだ。長年いた婚約者候補を降ろして、9歳で殺人を犯すような殺人鬼と婚約したのだとバレたらエルドレッドは二度と立太子できないようになるだろうね」


ネイトの復讐はネイトの手を離れ、王位の継承問題にまで発展してしまった。エルドレッド殿下が退場してもまだクリストファー殿下が残っているが、彼1人ならどうとでもなると王弟殿下は思っていそうだ。


「ネイトくんには一つだけやってほしい重要な任務があるけど、それ以外はもうこちらでやるから大丈夫。明日戻ると言ったけれど、そうだな、方針を変えよう。ネイトくんがジョンストン公爵家に戻る必要はもうないかな。


とりあえずミルズ領からの報告とこの魔道具の解析の結果次第ではあるけど、私はネイトくんの話に嘘はないと感じてる。


今日使ったあの特定の対象に姿を変える魔道具で王の子飼いがネイトくんになりすまして、毒婦から情報を引き出すから大丈夫。あとで子飼いが君になりすますために色々質問しに行くと思うから答えてあげてくれ。


……あの毒婦は中身が早く大人になっただけで、見た目と中身が釣り合わない気持ち悪さが不気味に思えるだけなんだ。特段怖がる必要などないんだよ」


王弟殿下はとまどうネイトの顔を見て、最後にアメリアは怖くないと言った。アメリアを怖がっているというより、突然の出来事に理解が追いつかず、放心してしまっているだけなのだが、ネイトはそれを隠し頷いておいた。


「何か私に聞いておきたいことはあるかな」


王弟殿下のその言葉に、恐れ多いと思いつつずっとわからなかった疑問を聞いてみた。


「なぜ、アメリアは私を手元に置きたがっているんでしょうか」


「うーん……。あの毒婦と同じ考えだとは思いたくないんだけど、私は少し理解できるんだよ。


あの毒婦は自分しか愛せない人間だ。


第一王子、第二王子と手玉にとって、他にも何人か自分に好意を持たせることで操ってる男がいるんだけど、身体は使ってない。せいぜい口づけ程度だな。身体を使ったらもっと簡単にことが運べるとわかっててやらないってことは、そういう接触に嫌悪感があるんだろう。


どうしても子供を作らないといけないとなった時に、自分とそっくりなネイトくんとならマシだと感じているんだと思う。

本当の相手には薬なり酔わせるなりしたらごまかせるとでも思ってるのかなぁ。本当はネイトくんと兄妹だとわかったらどう出るのか。……いや、あの女ならそれでも構わないと思いそうだな。


それに、女の身で国を動かすのは難しい。今の王妃と同じように子供の保護者の立場を使うしかないんだ。どうせなら子供も自分と同じ顔がいいと思うんじゃないかな……。


これは完全な推測だけど、間違えてはない気がするんだよね」


そう言って苦笑いしている王弟殿下。ネイトには理解できない話なのだが、“自分しか愛せない人間”という言葉がしっくりきて不思議と納得してしまう。


王族として幼い頃から様々な知識をつけて、代々隠し持つ特殊な魔道具を使えるこんな相手にアメリアでは勝てないだろう。ネイトが6年かけて買おうとしていた自白魔道具のような便利な魔道具を湯水のように使えるのだ。


第一王子と第二王子よりもずっと王族の特権を使いこなしている王弟殿下に、国王陛下がそれを許しているのだと気づき、陛下はきっとこの王弟殿下を次の王に見据えているのだろうと理解した。


“毒婦”対“伏兵”の戦いは伏兵が勝つとしか思えず、ずっとネイトの心のどこかにこびりついていた、あの燃える屋敷を見上げていたアメリアの笑顔に対する恐怖が消えていく気がした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 色々と裏事情が判明。 まあ第2王子、毒婦の狙いから外れて寧ろ良かったんじゃあ。 又、元第1王子の婚約者の令嬢もね。 下手したら王妃側と王家側の争いの巻き添えだったろうし。 (毒婦関係なしでも…
[気になる点] 括弧書きの中で空改行があると、とても読み難いです。 複数あると地の文としてなのか、まだセリフの途中なのかをスクロールして戻って確認しないといけないので理解に手間がかかります。 [一言]…
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