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ステータス確認

それから暫く間、洞窟を目指しながらのアイテム回収という名の殺戮が続く。


だが、程なくして手持ちのアイテムが溢れてしまったのか、リザルト画面に警告文が表示されるようになった。



「ん? もうこのアイテムはこれ以上は入手できない? あー所持制限か…あれ? 今更だけど手に入れたアイテムってどこに? ポケットか?」



ふと、今まで入手したアイテムの行先が気になる俺。


まず咄嗟に自分の着ていた服のポケットなどを探るが、無論ドロップアイテムが詰まっているということは無い。


アニメの青い狸が持っている四次元式のポケットではないようだ。



(いや、消える訳ないよなぁ…地面に落ちてる訳でもないし…)



アイテムの行き先が分からず首を傾げるシキだが、咄嗟にアンナに教わったステータス画面の展開方法を思い出す。



「あーそうだ、ステータス画面でも開いてみるか。大体メインのメニューに一緒にあるもんな…」



ステータス画面の表示方法を教わっていたシキは、その場で手を合わせて自分のステータス画面を開いてみる。


すると、その中に予想通り【アイテム一覧】という表記を見つけた。



「おっ…この【アイテム一覧】ってとこにあるのかな?」



直観的に表記の部分に触れてみると、シキが所有していたアイテムの一覧が眼前に表示される。


その中には先ほど手に入れたアイテムの名前がズラリと記載されていた。


リスト内のいくつかのアイテムは所持数がカンストしており、とりあえず所持限度が1種につき99個だと判明する。



(おーこういう風に確認できるのか…ふーん1種につき99個か…MMOにしては少ないな。まぁ、これも課金でストレージ容量を増やすのかもな)



その後も俺は画面を開いたままそこに留まって色々と試してみて分かったが、どうやらこのゲームのアイテムは具現化されないようだ。


データとしては保持している様子だが、何をしてもそのアイテムを実際にその場に出現させることはできなかった。


それと、どうやら今の俺はモンスターを倒してもレベルアップみたいなことが起きないらしい。


最初に表示される画面にステータスが表示されているのだが、特にレベルの表記に昨日からの変化は無かった。


あのアイテム量から考えると、100匹以上は狩ってるはずなんだけど…


でも、それよりも目立っていたのが【HP】の項目と【STR】の表記だ。


その二つの項目だけバグってるのか、昨日の状態と異なり数字がカンストしていた。

どうやらこれが、不死のバグとチート武器による補正らしい。



(おいおい、これなら確かにどんなプレイヤーもモンスターも一撃な訳だ。いやぁヌルゲーってレベルじゃないな…)



改めて自分の壊れたステータスを目にしてシキはいい意味でドン引き。


そして、一通りステータス画面を確認した後、再びガイドに従って森の中を進み始める。


もはやモンスターに怯える必要はなく、寧ろ憂さ晴らしとアイテム収集のために積極的にモンスターを狩ろうと息巻くシキ。


通貨などの入手は戦闘で発生しなかったことから、村でのアイテム換金を考えていたのだ。


だが、周囲で手に入るアイテムの入手制限などもあり、シキの楽しい狩は早々に終わりを向かえる。


程なくしてGM武器を振り回しながら歩くのは無意味だと感じて控え、その後は大人しく武器を持ったまま森の中を進むことに。



「…ってか、アイテムの件はしょうがないけど、あの昆虫モンスターを倒してから全然次のヤツが出てこないんだが…どうなってるんだ???」



GM武器を振り回すのを止めて以降、何故か全くモンスターと遭遇しない。


もしかして森のモンスターを全て狩りつくしたのではと考えるが、流石に武器の射程はそこまで長くはないだろうと考え直す。


それに基本的にモンスターが尽きるということは無く、一時的に全滅させてもまた沸くのが常識だ。



この時、どういう訳かモンスターが現れなくなったことを不思議に思うシキ。


理由は単純明快であり、GM武器を単に戦闘短縮のために抜刀し続けたことが原因である。


そのゲーム仕様を把握していないシキは、どうしてモンスターが出現しないのかと理由が分からずボヤく。



「なんだよこのクソゲー………おっ…あれは…」



ブツブツ文句を言いながら先を進むと、やがて大きな岩穴がシキの視界に映る。


その岩穴にはいかにも何か潜んでいそうな雰囲気であり、外からでは奥の洞窟の中までは確認できない。


シキを目的地まで案内していたガイドもその穴の中を示しており、どうやらそこが目指していた目的地の北の洞窟のようだった。

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