少女を本当に殺したのは誰なのか、少年は飽きる程考える。
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「小学五年生西本明華莉さんが自宅マンションのベランダで死亡していた事件。殺人容疑で、西本拓真容疑者、妻 洋子容疑者が昨夜逮捕されました。」――――――――――
「容疑に対し、気づいたら死んでいた、知らない。と容疑を否認しているということです。」
普段ニュースなんて、まったく見ない俺がニュースをみているのを、母さんは少し心配そうに見ている。
「蓮?明華莉ちゃんとは仲良かったの?」
母さんは心配した様子が溢れてくるように、
聞いてくる。
「大丈夫だよ。何回が話したことがあるだけ。
マンションが一緒だっただけだから、驚いただけ、母さんもう仕事でしょ。俺は大丈夫」
大丈夫なんて、二回言うと逆に大丈夫じゃないみたいかな?と俺は内心ヒヤヒヤした。
「そう?ご飯足りなかったら、チンのご飯あるから食べてね。じゃあ」
母さんはバックを持ち慌てて出て行った。
沸騰した熱い味噌汁はまだ飲めそうにはない。
食欲は意外と湧いている自分に驚く。
「明華莉が死んだ。」……………
母さんには沢山嘘をついてしまった。
明華莉とは友達……いや、親友以上の存在だった。
明華莉と出会ったのは、暑さで頭がおかしくなりそうだった一年前の夏休み。