子猫と私
パンを並べ終わり、お客さんの朝の食事が終わる頃。朝との挨拶を終えて、昼がやってくるすこし前。
私の前に、いつも"子猫"がやってくる。
お母さんと一緒に居たいだろうけれど、どこからか抜け出し、毎日やってくる子猫。
いつも体に痕を残してやってくる子猫。
私はそんな子猫に毎日、ミルクと作りすぎてしまったパンをいくつか渡す。
子猫はじっと私を見つめてパンを両手に持って頬張る。
そんな子猫を見て、一緒に住みたいけれど、ごめんねと言って送り出す。
お巡りさんなら一緒にいてくれるかな、
どうか明日は来ないで、と涙を拭って「閉店」の看板を扉にかけた。
子猫。