四・八七五章 第四話
四
「「「………い、妹⁉」」」
三人の声がハモる。
「うん、義妹。」
「ヒデキさん、どういう事ですか?妹とは。」
「まあ、色々有ったんだよ。」
「アテン・ニシノです。よろしくおねがいします。」
ギロッ
「なんか睨まれてるんですけど………」
「てん。」
「あ、ごめんなさい、無意識ににらんでた。」
まあ、無意識に殺してたとかよりましだろう。
「「何で⁉」」
いや、最初、本気で殺そうとしてたからな。
「だって、てん、お兄ちゃんの一番になりたいから………」
最後の間は「じゃまなんだもん。」って感じかな。
「じゃまなんだもん。」
言った⁉
間にじゃまなんだもんを含ませたんじゃなくて、ただ、言うか迷ってただけだった⁉
「「へ?………」」
「でも、お兄ちゃんの大切な人たちだから、なかよくしたいなー」
「よ、よろしくです。」
「よ、よろしくねー……」
「うん、よろしく!」
「あと、てんってよんでほしいな―。」
「分かりました。」
ミオネさんが近付いてきて、
「ヒデキさん、大丈夫なんですか?」
と聞いてきた。
うーん、
「義妹ポジションにいる間は、多分………」
多分ね。
「多分なんですか⁉」
「多分……多分………。」
「今の多分って何にかかった多分ですか?」
「ちょっと自信無くした多分………多分。」
「多分が多くて分かりにくいです、多少。」
「多分語尾の多分は、関西人の『知らんけど』のニュアンスが多少含まれてる多分なんだと思う。多分。」
適当に言ったけど………うん、きっとそうだ!………多分。
「カンサイジンもシランケドも分からないので、そんな納得した顔されても………」
我ながら良いと思ったんだけどなー。
「あーっとね、『知らんけど』っていうのは、文末に付けることで、責任を放棄できる便利な言葉で、例えば噂話の後に付けてソースは自分じゃないよ。とか、あくまで噂だよ 。っていう風に責任の放棄をしたり、自説に付けて、不確かだけどのニュアンスを含ませたり………取り敢えず、関西の人が自分の発言に責任を持ちたくない時に使う言葉なの。多分。」
「多分分かりました。便利ですねシランケド。」
「知らんけどじゃなくて知らないけどでも良いと思うよ。」
「でも、知らないけどよりシランケドとか多分の方が言い易いですよね。」
「それは思う。」
いつの間にか知らんけど談義で盛り上がっちゃってた。
「お兄ちゃんと、え~と『慈愛』の聖魔って名前は?」
「ミオネです。」
「わかった!みーお姉ちゃんとお兄ちゃん、なんのはなししてるの~」
「えっとね、『知らんけど』の話。」
「シランケド?」
「そう、『知らんけど』。」
「お兄ちゃん、シランケドってなーに?」
「ええっとね………」
………………………
「べんりだね~、シランケド。」
結論。『シランケド』って便利だね。知らんけど。
知らんけど。




