四・五章 第一話
『』は心の中の会話、
「」は現実の会話です。
一
『ご主人様!ご主人様!』
『何?アイテールさん。』
『少し試したいことがあるので、『物質生成』へのアクセス許可を下さい。』
『いいよ。』
『有り難うございます。』
『で、何するの?』
『ポ……スキルの練習です。 』
危ない危ない。危うく憑依って言いかけた。
『ポ?ってどうしたの?』
『何でもありません。』
『そう?ほんとに?』
『はい。』
『そう。分かった。』
実のことを言うと、別に自分の『物質生成』を使っても良かった。
でも、確かに練習はいるし、ヒデキ様も急に物が目の前に現れたら驚くだろう。
そういうことでまず、崩壊エンチャント付き木製剣を作ってみる。
ん?なんでエンチャント付きか?どうせなら使える方が良いじゃない。
え?じゃあなんで木製剣か?有機物を作る練習だからね。
『うわっ!なんだこれ?』
『崩壊エンチャント付き木製剣です。』
『何それ?』
『『正負崩壊』の権能をリンクさせた木製剣で、切ったものを崩壊させます。』
『いきなりチート武器じゃん!』
じゃあ、次は………
『うわっ、きゅうり!』
『いえ、ただの胡瓜ではありません。特上胡瓜です!』
『特上……胡瓜……… 食べていい?』
『どうぞ、』
「シャクッ」
「ヒデキさん何で胡瓜囓って、いやそれ以前に持ってるんですか?」
「うまい、何だコレ。旨すぎるだろ!ヤバイ!すげぇ!」
「ヒデキさん!」
「何?ああ、きゅうりか。これねアイテールさんが作ってくれた特上胡瓜。」
「特上胡瓜ぃ?」
「特上胡瓜。」
「分かった、もう突っ込まないことにする。」
「それはそれで寂しいな。」
新鮮な植物細胞も作れた。
じゃあ、次
「うわっ!ローストビーフが一塊!」
『ただのローストビーフではありません。最高級牛のプレミアムローストビーフです。』
『何それ?』
『食べたらわかります。さあ、皆でどうぞ!』
「皆で食べてだって。」
「ひでまれ、僕はローストビーフは、最高級牛のプレミアムローストビーフしか食べないって決めてるんだよ。」
「何て贅沢な!」
「最高級牛のプレミアムローストビーフだってさコレ。」
「ほんとか?」
薄く切って口に運ぶクオリ。
ってか謎のこだわりうぜぇな。
「これは………正しく最高級牛のプレミアムローストビーフ!!!!!旨い。やはり旨い!!!!!!!!!!」
「そんなに?って旨い!」
『ありがとうございます。』
死んだ動物細胞(加熱済み)が作れた。ということでそろそろ生きた動物を作ってみよう。ヒデキ様の肩の上に………
「うわっ!何?えっ?ハムスター?」
『いいえゴールデンハムスター(特上)です。毛の質、模様すべてが特上のハムスターです。』
「どうしたらいい?これ?めっちゃかわいいけど。」
「どうしましょう。」
「かわいい!けど、エサとか………」
「良し、皆で面倒みましょう。」
良し!出来た。
ということで最終フェーズを実行しましょうか。
肉体を生成。服も生成。
そして、憑依!!
「いえ、それは悪いです。私が責任もって面倒見ます。」
「いや、アイテールさん、無理でしょ。って、え?」
「こんにちは!ヒデキ様!」
「ヒデキ様って。それ以前に、え?その体はどうしたの?」
「言ったじゃないですか。試したいことがあるので、『物質生成』へのアクセス許可を下さいって。」
「いや、試したいことって………その、肉体を作る事だったの?」
「いえ、『物質生成』で生命を作り得るか、です。」
「あの、アイテールさん、でしたっけ?もう、このパーティーに女子は要らないんですけど。」
「あ、そうでした。アイテールはヒデキ様の『十二次元世界操作』の名前ですので、私の事は、そうですね……アイ………アイ・ニシノ・クリエイテールとでも呼んでください。」
「では、アイ・クリエイテールさん。ハムスターとアリスとエリスとチートと一緒に『聖』の聖殿にでも行って下さい。そうしたら、『聖』の上位天使かアリスが面倒を見てくれるかと。」
「ミオネさん、ついでに全員追い出そうとしてない?」
「はい。してますよ?」
「いや、私とミオネさんの仲だよね。」
「正妻と側室の仲です。正妻が側室を追い出そうとするのは自然かと。」
「二人とも、やめて。」
「ヒデキさん、大体何で私というものが在りながら側室何か作ってるんですか!」
「ねぇ、それはおかしくない?」
「そうだよ、ミオネさん。私が側室になって良いって言ったのはミオネさんじゃん。ヒデキ君に責任は無いよ。」
「そうだよ、ひでまれを責めるのはお門違いだよ。」
「ねぇ、チート君、君はあの下りの時気絶してたよね?」
「ああ、それが?」
「暫く、いや、できれば永遠に黙っててくれない?」
「嫌だ。」
「ヒデキさん、チートを黙らせといてください。」
「え?分かった。」
「ちょ、ひでまれ?」
「ごめんクオリ。ちょっと黙ってるか、殴られるか選んで?」
「黙ります。」
「本当に?じゃあ、今から俺が良いって言うまでね。」
「分かった!」
殴る。
ドタッ。
「黙れって言っただろが。」
シーン………
「生きてる?コレ。」
「『生存ノ天使』があるから大丈夫でしょ。」
「それもそうですね。」
「あの、ヒデキ様。流石に今のは『生存ノ天使』の対象になりませんよ?」
「え?クオリー、生きてるかー?」
「………スー」
「良し、息は有る。」
………
「で、何の話だっけ?」
「そうそう、アイさんの処遇についてです。」
「その件についてですが、私はヒデキ様の能力だった訳で、独立した今もヒデキ様とほぼ同じ能力を持ってるんです。貴女を屠るのも簡単なんですよ?」
「止めようね?アイさん。」
「殺りませんよ、流石に。」
「いいんですよ?かかってきても。寧ろ、ここで私が勝ったら『聖』の聖殿にでも行って下さいね?」
「その辺で野垂れ死ねとか言われるかと思いましたが、以外と優しいんですね。」
「一応、貴女はヒデキさんのスキルですから。」
「そう。」
………
……
…
「かかってこないんですか?じゃあ、私から行きますね。」
ミオネさんが、アイさんに突撃する。
―ニヤ―
ん?今、アイさんニヤッて笑った?
気のせいか?
「とりゃ!」
ミオネさんの鋭い蹴りがアイに決ま……らなかった。
ドタッ!
ミオネさんが糸を切られた操り人形のように地面に崩れ落ちた。
「え?何が………?アイさん、何かしたの?」
「はい。筋肉の弾性力による位置エネルギー、筋肉の弾性力による位置エネルギーが変化した運動エネルギー、後は重力による位置エネルギーを奪わせていただきました!………はい、私の勝ちですね。」
「何ですか!それ。汚いです!」
「ヒデキ様も同じことが出来ますよ。っていうか私の勝ちですよね?」
「まあそれは………私の負けですね。」
「じゃあ、私はこの旅に同行させていただきますね。」
「分かりました、どうぞ勝手に。」
「ありがとうございますね!ミオネさん!」
基本的に地の文は『』上下はアイテールさん。「」上下はニシノ君です。
分かりにくくてすいません。
バトルはやっぱり特に苦手です。
あと、新鮮な植物細胞代表が胡瓜なのは、作者の好物だからです。




