二章 第一話
前回までのおさらい。
ニシノ君はチート君と仲良くなりましたが、チート君が壊れました。
第二章 第一部ボスの討伐
一
その後、なんとか正気を取り戻した俺は、王都の隣町に宿を借りそこに一泊した。
(もちろん狂ったままのクオリを連れて、そのクオリの信用払いで。)
その夜に分かったことが幾つかある。
一つ目は、俺に異能力があったことだ。
なんだ、あったじゃん、お約束通りじゃんと思うかもしれない。
甘い。
問題は、その能力だ。
非常に残念な能力なのだ。
あっても仕方ない気しかしない。
その能力とは………
「セクション毎のタイトルを知ることができること」だ。
超絶要らない。
必要性がない。
メタ視点は手に入れてはいけない。
要らないだのそういうのは置いといて、取り敢えず俺は、このセクションで第一部のラスボスを討伐するということを知ってしまった。
ボスの討伐イベントの登場が早すぎる気がする。
あと、どうせ異能力くれるならもっと強いのがほしかった。
タイトルで結末がわかってしまう。
もし、西野死すとか、死に戻りとかいうタイトルついてたら、俺どうしたら良いのよ。
どうか神よ。セクション毎のタイトルをもっとひねってくれ。
そうしてくれないと、スリルもくそもへったくれもないし、そのセクションずっときょどったりしちゃったりするから。
それ以前の問題。
セクションって何?タイトルって何?
このリアルストーリーに何でそんなものがあるのか?
神(またの名を作者という)よ。
一回俺の前に姿を見せろ。
全力で殴ってやる。
神に勝てるなど微塵も思ってない。
挑んで、負けて、倒れたとしても、殴った分は決してゼロじゃないんだ! まあ、それはさておき話を進めよう。
今回の、討伐目標は恐らく『森の魔王』だろう。
取り敢えず、その魔王の居場所を探しだし、その魔王にお前を倒せば、もとに戻るのか聞き出し、それをクオリに伝え、倒してもらおう。
俺は、単身森に入っていく覚悟を決めた。
そして、狂ったクオリをこの宿に置き去りにする覚悟を決めた。
森の中で、迷う覚悟も決めた。
俺は、クオリから金貨十枚を借り(返すあてはないため借りパチになるが。)装備を揃えに出掛けた。
結果からいうと、最上級装備一式と、魔道コンパス、十日分の食料、魔道巾着(ド●え●んの四次元ポ●ットのようなもの。)を揃えても、金貨一枚でお釣りが来た。
どうやらこの金貨、ただの金貨ではなくハイハイゼクシスメルティ金貨という金貨らしく、日本円換算でどうやら一億円相当であるようであった。
(これは、食料費から求めた推定値である。)
因みに、最上級装備一式が七千五百万円、魔道コンパスが一万円、十日分の食料が五万円、魔道巾着が五百万円、という内訳だった。
それより、最初に行った鍛冶屋の人が賢者のような人で良かった。
金貨八枚だして、
「これで買えるいちばん良いのください!」
と、俺は言ったのだが、もしその人が常人なら一番良い装備をくれたとしても、ハイハイゼクシスメルティ金貨七枚とゼクシスメルティ金貨二十五枚分はちゃっかり貰ってしまっ
ていただろう。
危なかった。
っていうか、俺は今、パチってきたのが十億円相当だと知って焦っている。
というのも、クオリの巾着の中にはどう見ても五万枚は入ってたから、高くて一枚二万円だと思って借りてきたのだ。
取り敢えず、クオリが正気を取り戻す前に、九枚は返しておこうと思った。
森にいくのは、それからだ。
これから、キャラが増えてきます。
次回ヒロイン登場です。(多分………)