三章 第二十八話
二十八
開門。
聖殿に入る。
(いや、これ………御殿ていうより城じゃん!)
母の聖殿は御殿らしい所だった。
(これ………魔王城って言われる方がしっくり来る………)
同じく呆気にとられているチート。
「『慈愛』の聖魔が何の用でしょう?」
突如城内に声が鳴り響く。
「………!」
次の瞬間目の前には二十代くらいの見た目の美人がいた。
「貴女は?」
まあ、多分………
「この『城』の主です。」
やっぱり………っていうか『城』って言ったよね?今!
それはさておき用件を告げる。
「貴方が召喚した………」
「ヒデキ君?」
遮られた。
「はっはい!」
「彼とはどういう?」
そこ気にする?
「彼の妻です。」
「あぁぁぁぁぁ、また私の彼氏(夫)候補がぁぁぁぁぁ………」
ヘ?????
「はい?」
「私ね気になった人が居たら、ここに呼び出そうとするの。」
「はい………」
「でもね、いっつもいっつもあんのクソ魔王が邪魔するのよ!」
彼女は真剣なのだろう。ただ呼び出された人からしたら傍迷惑だよね。
「はぁ………じゃあ私のこと恨んでますか?」
それでもだ、彼女が自分の力で呼び出したのだ。泥棒猫とか言われても仕方ない。
「ううん。貴女に非は無いわ……………ん?………んんん?……………貴女、彼の妻って言ってたよね。」
聖人か……………いや聖王か。
「はい。」
「彼………すごぉーい!!」
ん?凄いって?
確かにヒデキさん凄いけど………
「それは……どういう?」
「聖王の力と魔王の力どちらも同時に受け入れれているっていうこと。普通の人間はどちらかを拒絶して眷族になるか、どちらも受け入れようとして塵か廃人になるかなんだけど………」
「ん?貴方、彼氏にする為に召喚してるんでしたよね?それじゃあ………」
「大丈夫大丈夫。直ぐに契約しちゃえば安定するから、眷族にはならないしさせないけど。あんのクソ魔王がね邪魔するから!」
「そうなんですね。」
取り敢えず万能返事。
「あんのクソ魔王!私のことが好きだからって私が好きな人を殺すのよ!ひどいじゃない!」
あぁぁ、こじれてるぅぅぅ。
「あっ、今度彼に会わせてよ!ねぇ!私にだってそのくらいの権利はあるでしょっ!」
「あの………」
やっと本題に入れる。
「大丈夫大丈夫。寝取ったりしないって!」
そんなこと!いや大事か。
「いえ、今日は………」
「何?彼、病気?」
そんなもんじゃない。
「ヒデキさんを生き返らせる為に力を借りたいと………」
「はい?何言ってんの?」
は?
「だから!」
「彼、生きてるよ?」
はい?
はぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ?
「えっ、えっ、えっ、えっ、えええ。ほっ、ほっ、ほっ、本当ですか?」
「うん。死んだら分かるもん。」
「でも、突然消えて。」
死んだんじゃなければ何なんだ。
「うーん。ちょっと存在を感知しにくいからー、異界に飛ばされたんじゃない?」
「ヘ?じゃ、じゃあ………」
戻って来る!
「うんうん、彼の中にある私の魔力とのパスを使ってー呼び戻しましょー!」
「お願いします!」
やっと戻ってくる。
ヒデキさん………!
あれ?
何か忘れてるような………
あ、チート!
その頃、チートはミオネが急に消えたことに、門が一瞬で閉まったこと、等にただただ唖然としていた……………
なんか………チート、この物語の要らない子になってない?題名のチートなのに………




