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異世界召喚されて最初にできた友達がチートだったんだが………   作者: 鍬富士 広乃武
プロローグ~一章 異世界召喚されて最初にできた友達がチートだったんだが………
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プロローグ~一章第一話

プロローグ


気がつくと、俺『西野 英希(にしの ひでき)』は、異形に囲まれていた。

必死で助けを呼ぶ。

しかし、そこは森の中。

人など歩いているとも思えなかった。

ふと、聞こえてきた足音。

俺の心に希望が芽生える。

足音の方を向くと、西洋の騎士風の美男子が立っていた。

但し、その手に握られていたものは、剣ではなく、蒼い布団叩き(・・・・・・)だった。

俺の心は、絶望に包まれそうになった。

「ー布団叩きなんかじゃ……」

そんな俺の絶望など知らない騎士は、

「お呼びかな」とJC・JKならキュンキュンしてしまう様な声で言った。

俺は、項垂れた。

騎士は、それを頷きだとでも思ったのか

「僕に任せろ!」と威勢よく言った。

俺は、顔をあげることもできなかった。

そのとき、騎士が、途轍もない威圧感のあるオーラを発し始めた。

驚く俺、騎士を凝視する。

騎士の手に握られた布団叩きは、みるみるうちに両刃剣へと変わっていった。

俺の心が、再び希望に包まれる。

「君っ!しゃがんで!」

言われるままに、その場にしゃがみこみ、固く目を瞑った。

とたんに、何者かの断末魔の様な声があたりに響き渡った。

「もう、大丈夫」

恐る恐る目を開ける。

そこに異形はなかった。



第一章 異世界召喚されて最初にできた友達がチートだったんだが………



俺が異形に囲まれる一時間前から話すことにする。

俺は、学校にいた。


「ひでまれー!」

「だから、『ひでまれ』って呼ぶのやめてくれない?」

「いいじゃん。いいじゃん。」

「で、何?」

「一緒に帰ろーぜ」

「ああ、いいぜ。」

『ひでまれ』こと俺、西野英希は『中学力(なかまなりき)高校』の二年四組二〇番。

身長一七二センチメートル、体重五五キログラムの中肉中背。

特筆すべき特徴のない青年。(自分でいうな。)

但し、性格がよくも悪くもなく人当たりもよくも悪くも無いため人からはそこそこ好かれていた。(あくまで実感)

友人である、不知火 究極(しらぬい きわむ) と共に帰途につく。

不知火 究極は、身長一八七センチメートル、体重六〇キログラムの長身、筋肉の多い細身、学校一のイケメン、イケボ、スポーツ万能。

平均的で普遍的である俺が不知火の友達であることは、学校の二〇不思議のうちの一つとされている。

(因みに、二〇不思議は、誰が作ったのか分からないため、『誰も作っていないのに存在する二〇不思議』を含めて二一不思議と呼ばれることもある。)

ただ一つ学力だけは、学校の中で底辺に位置しているが、それを除けばほぼほぼ完璧。

ファンクラブがあり、中学力高校(この学校)のみにとどまらず、八つの町と村からなる学力(まなりき)郡にあるすべての高校に勢力を分布している。もっと言うと、小中大学生、社会人、地元出身の芸能人の会員もおり、それら合わせて総勢九四八人の会員にボコられるため誰も不知火のことを、悪くは言わない(正確に言えば、言えない)のだが、学力郡の男子はほぼ全員、嫉妬心や、嫌悪感を抱き、中には殺意さえ抱いている者もいた。(死にたくないため、みんなもちろん隠している)

ここで、誤解を生まないために言っておくが、不知火は、決して悪いやつじゃない。

もう一度言う。マジで悪いやつじゃない。

再三言う。悪いやつじゃない。

再四言う。ほんとに悪いやつじゃない。

(因みに俺は、アンチ不知火派では無いのだが…)

ただ、平々凡々太郎君な俺の方が、男子からの好感度はよかった。

(これも、あくまで実感)

それらはさておき、話を下校の場面に戻す。

「ひでまれー。この『黄昏(漢字)』ってどー読むのー?」

不知火は、どこまでもバカだ。

まあ、『()()』が読めない人はそれなりにいるだろうけど。

今、不知火が読んでいるのは、教科書ではなく俺が貸した異世界召喚もののラノベである。

バカだなぁ(いや、自分もそこまで言えないか)と思いつつ友達として教える。

「あぁ、『たそがれ』だな。」

「たそがれ?どういう意味?」

やっぱりバカだ。

「簡単にゆーと、夕方だな。」

「じゃあ、夕方でいいじゃん。」

いや、作者もびっくりの言葉。

よく、学区最下位の『大荒野(おおあれの)高校』にならずここ(中学力高校)に入れたな。

面接官悩殺でもしたか?

もっとも、普通科なので面接は無いのだが。

「じゃあ、次。『威厳(コレ)』は?」

こりゃダメだ。

「小学校からやり直しなさい。」

「教えてよー。ケチー。」

こんなんで何故、モテたり、ファンクラブできたりするのか。

やはり顔だろうか。

声だろうか。

それとも、このアホさもギャップとして愛されているのだろうか。

平々凡々太郎くんである俺には、一生分からない気がする。

そんな、他愛ない会話を交わすうちに、駅に着く。

俺はこの駅の近くに、不知火は八駅ぶん都会に家がある。よって、ここで不知火と別れる事になる。

駅からは、十分ほどで我が家に着く。

あぁー、今日宿題多いなーとかあの本の続編早くでないかなーとかどうでも良くはないけど大したことないことを思いながら歩き続け、あっ、家見えた!っていうところで俺は淡い光に包まれた。

めちゃくそ焦る。

「何何何何何何何何何何?えっ?ふぇ?ふぉ?ぬぇ?」

焦りすぎて、脳がパンクした。

俺の意識はそこで途切れた。

12月19日

第一章の章名を変更させていただきました。

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