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裏切りの逆行転生~現代から武士へ、そして聖騎士に~

エイプリルフールの嘘連載活動報告作品です。

ほんの少しだけ加筆してます。

ほんの少しです。


『ご、ごめんって……先に行っちゃったことはほんとに悪いと思ってるよ』

『うるさい! マラソンは一緒にゴールしようって言っただろ!! この嘘つき! 裏切り者!!』

 子供のころのほんの小さな小さな裏切り。

 それでもやっぱり裏切りは裏切りなんだと思うときがある。

『待ってって!』

『離せよ!! ……あ…………』


『え……?』


 帰ろうとする友達を必死に止める俺に、それを振り払う友達。

 その後に待っていたのは裏切りの代償にしては少し重いんじゃないかと思う出来事。


 俺の体がゆっくりと階段へと傾いていく。

 振り払われた反動で階段の上から落ちそうになっているのが自分でもわかった。


 これに関しては事故以外の何物でもない。

 言い争いをしていた場所が悪かっただけ。

 高台の公園なんかでやるべきことじゃなかった。


 俺も友達も、何の反応も出来ず、俺の体が階段を転がり落ちていく。

 そして俺は、そのまま命を落とした。




「……あー……居眠りしてた。しかも非常に懐かしい夢……タイミング最悪」


 俺は転生者だ……いや、なんか違う気がする。

 だって、転生と言えば、異世界とか……未来とか、だと思う。


 でも俺は、何故か……過去に、転生した。

 最初は、日本の過去っぽい異世界かも? とか思ったけど、俺が流されるように歩んだ人生と……俺の名前が、それは違うと教えてくれた。


「光秀様!! 秀吉の軍勢が、本陣まで近づいております!!」


 そう、俺の名前は――明智光秀だったのだ。


 正直、自分の名前を知ってから今まで、色々手を尽くしてみたけれど、結局、歴史は変わらず、なんか信長様に謀反しなければダメな状況まで追い込まれたし、副官が優秀すぎて、ただ座ってるだけで本能寺の変とか終わっちゃったし。


 で、信長様死んでから十一日。

 多分、状況から見て、俺、今日死ぬ。

 ああ、だからこそさっきの夢を見たのかな。


 転生して初めて知ったけど、明智光秀おれって三日で死んだわけじゃなかったのね。

 三日天下を勘違いしてた。ちょっと勉強になった……まあ、今は何も意味ないけど。


 あと、歴史では語られなかったみたいだけど、豊臣秀吉って、すげーバケモンだった。

 だって、一人でフラッと戦に行って勝ってくるし、一人でお城を一晩で完成させるし……マジありえない。

 歴史では確か、一夜城って建てたように見せかけたものだった気がする。……違ったっけ?


 まあ、そんなもんで、軍勢が近くまで来てるなら、秀吉本人はもっと近くにいるんだろうな。


 ――ドン……っ!!


 という音と共に、目の前を太い棒のようなものが通り過ぎたら、腹心みんな吹っ飛んでった。

 ……ほら、もう来た。


「…………よ、みっちゃん」

 二メートルを超す棍棒を持った、このサル顔が、豊臣秀吉。


 俺を「みっちゃん」と呼ぶこいつは、さっきも言った通りバケモノ。

 知ってる?

 本人から直接聞いたんだけど、秀吉って猿と呼ばれてたんだけどさ……その実、ほんとに猿だったんだ。

 しかも、猿は猿でもあの有名な『孫悟空』だっていうんだから驚きさ。

 持ってる棍棒は、如意棒。

さっきの一振りは、大きくした如意棒ってわけ。

 多分、一夜城も毛を毟って、分身出して作ったんだろろう。


「どうも、秀吉」

「……ノブちゃん、殺したしょ」

「まあ、俺じゃないですけど」

「うん、そんな気がしてた。みっちゃんの副官、やーな感じだったし」


 頭をポリポリ掻く秀吉。


「でも……」

「ああ、うん。わかってるよ。経緯や事実はどうであれ、歴史は俺がやったことになってるんだ……俺の首がなきゃ、終わんないでしょ」

「ごめんな……?」

 そう言って、秀吉は苦しまないように、如意棒を大きくした。

「いいって。色々楽しかったし」


 そう、楽しかったのだ。

 信長様の無茶ぶりも、秀吉の昔話も全部。


 ――……でも、願わくば……。


「次の人生は、裏切りとは関係ない人生を歩みたいもんだ」



 ――――ズン……ッ!!


 こうして、俺の二度目の人生は幕を閉じた。




「…………?」

 ――あれ? ……音が聞こえる。


『ああ、生まれたわ……』

 ――生まれた……? まさか、また転生?


『アーサーと私の因子の結晶……今、魔法で大きくしてあげますからね……?』

 ――ま、魔法? 今度は異世界とか……? てか、成長を魔法で!?


『出来た……大きくなったわ……。これで……立派な騎士になれるわね……』

 ――きし……? あ、騎士か! なんでまた……。


『名前を……付けてあげなきゃね……? そう……ね……モードレッド……モードレッドがいいわ』

 ――え? もーど……れっど?


『ああ……私の可愛い――裏切りの騎士――モードレッド。……必ずウーサーの息子……アーサーを殺してちょうだい……?』

 ――え……ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――っ!?



 友を裏切り死に、主君を裏切り死んだ男は、裏切る運命を持つ男へと転生する……。



 ――――……またかよぉぉぉぉぉぉっ。


連載にしなかった理由。

これを連載でやるには、歴史も円卓物語も勉強しなおさないとかなり書くのが厳しいかなと思ったためです。

活動報告に乗せた時は、連載を希望される方が数名いらして焦りました(笑)。

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