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生命倫理

 「我々は一般市民には手荒な真似はしない。オブライエン教授の研究内容が生命倫理に触れるものなんだ。外部に漏れないように研究資料を回収している。協力して欲しい」


 エイミ―はショルダーバッグからディスクの入った封筒を職員に渡した。

「ごめんなさい。少しだけ見てしまったの。でも、記号しか記録されてなかったわ」


「コピーしてませんよね?」


「約束します」


「信じますよ。Missエイミ―・レイコ・アンダーソン、貴方の本は全て持っています。」

  CIA職員の男は優しく笑った。


  突然、ホテルの地下駐車場が物々しい雰囲気になった。

  先程のホテルロビーにいた教授助手らしきロシア人二人が、何人もの大柄な背広姿の男達に捕まれ、用意された大型乗用車に荒々しく押し込まれた。


 「FBI」とア―ロンが言った。


  その光景に僅かに反応した二人の職員は速やかに姿を消した。


  エイミ―とア―ロンは車に乗りキ―ウエストを後にした。

  再び、オ―バ―シ―ズハイウェイを走る。


 「ヘミングウェイ博物館を調べるの忘れていたわ」


 アーロンはハンドルを握っている。


 「クロ―ン人間の研究室ですって。遺伝子研究室ってその事だったのね」


 「多分、オブライエン教授は学界に受け入れられない研究結果を金に変えるつもりで、ドイツのスパイと接触してたんだろう。そして、何年も前から研究室に助手として入り込んでいたロシア人スパイはそれを察知し、ディスクを横取りしようとした。ヴィクタ―と教授から偽物のディスクを奪い、教授を殺害して車を炎上させた。」


 「ヴィクタ―は逃げ切り、急いでサンタモニカの家の冷蔵庫の野菜ルームに隠した。家の中で、一番使われてない唯一の場所がそこ」


 「ロシアのスパイは一番ヤバイからな、家を荒らしたのもロシアか?」


 「私はドイツだと思う。ねぇ、事件も解決しそうなんだし、このまま真っ直ぐ帰るのは勿体ないわ。次の島で写真撮ってよ。」


 「了解」


  二人はハイウェイを繋ぐ素敵な島で車を停めた。レストランもあり、貸しヨットやビ―チもある。


  アーロンはビ―チでくつろぐエイミ―を録り続けた。


  その時、バカンス風のいで立ちをした男二人が、エイミ―達の前に立ち塞がった。いきなり銃口を向け、


 「ヨット遊びをしよう」とドイツ語鈍りで脅したのである。


        続く


 




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