マッチ売りの少女
「マッチはいらんかえ。マッチはいらんか」
もう何時間も少女は路上でマッチを売っていた。
「今時、マッチなんて売れるわけないじゃないか。
100円ショップでも売れないわよ」
少女は悪態をつく。
「もうこんなものこうしてやる」
少女はマッチに火をつけた。
すると不思議なことにマッチが消えるまでの間、少女は美味しそうなチキンを食べている幻覚をみた。
「んー。これはこの特性は。この付加価値をつければ、このマッチは新しい商品として売れる」
少女は商売の才能があった。
「この幻覚を見せる作用。理屈はともかく大儲けの臭いがする。
早速、どう売り込むか。リサーチを取るか」
少女は路地裏などにいる少年、少女を集め、この幻覚マッチ。
通称「夢心地」を売りさばくルートを作った。
そして、この町ではみんなマッチを片手に現実から逃避するのであった。
町から活気が消えた。
「しめしめ。これで大儲けだ。」
少女はこの町で味をしめ、次は隣の町に乗り込もうという矢先。
警察に捕まった。
「麻薬取締法に引っかかる」
「なんで、これはマッチよ。麻薬ではないわ」
「そうマッチだ。だが、これは人の人生を狂わす。即ち、麻薬と一緒だ」
「そんな屁理屈、通らないわよ」
ゴタゴタ少女は駄々をこねるが、この町を壊滅状態にした事実は覆られなかった。
「なんで、私がこんな目にあうのよ」
そして、少女は刑務所に入る。
「こんな最後は嫌!」
少女は悪態をつくと悪魔が
「じゃあ、あっちの世界のマッチ売りと交換だ」
少女は牢屋で幻覚を見ながら、凍え死んだ。
その日はとても暑い日でなぜ凍え死んだのか。誰もわからなかった。
そう悪魔を除いて。
「どっちにしても報われないそんな話だよ。マッチ売りの少女って」