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教室

テストが終わった2年3組の教室。休み時間。ソラミはいつものように廊下で読書。

何故廊下で読書しているのかと言うとただ単に教室で読むのが嫌だから。

教室はうるさいし。

ソラミはうるさいのが苦手。以前授業で視聴覚室でとあるDVDを見た際に男子も女子も異常なほど盛り上がり(内容が内容だったし)クラスソラミ以外全員笑ってるのにソラミ1人だけ後ろのほうで耳塞ぎ。

空気読めないソラミです。

あと男子が邪魔してくるし。読んでたら本を取り上げてきたりね。小学生かって思う。精神年齢アスミと変わんないんじゃないの?

いや、アス以下かもね。

いつまでたっても子どもな人たちである。まったく…。

身体も十分でかいのにね。

精神的にも16歳17歳に成長して欲しい。

あと教室が嫌い。

ひとりひとりの人間は悪くはないんだけど集団になると嫌になる。

でも昼休みは教室で弁当を食べる。但し「1人」で。

先日天の声が言っていたようなことが1年生のとき本当にあった。

放課後に食べるや便所飯以外にも

教卓の下や掃除棚の中でも食べたことも何回かあった。

ソラミはわりと小柄なほうなのである程度狭い所でも大丈夫なのだ。

でもそのことに顧問兼担任の森先生に気付かれてしまった。

放課後弁当食えば卓球場の鍵を借りに行くのも遅くなるからそら気付くわな。

それか誰かが先生に言ったか。

ちなみに去年は部員ソラミ1人でした。

それで「放課後弁当禁止令」が出された。

破ったら部活停止の刑が…。

ちなみに卓球場は食事禁止です。(水分補給は可)

去年みたいに観察日記はつけないがクラスの様子をしっかり観察しながら食べている。

ちなみに家に「クラスの女子相関図」がある。

もちろん絶対学校には持っていかない。

ま、昼休み部活の昼練と言う子も結構いるから教室に残るのは半分ほどだけどね。

「っと…あのグループはいつもどおりでこのグループは…あれ?」

このクラスの「昼休み残る女子」は2つに分かれていて1つはクラスのリーダー格率いる5人グループで歌手やらアイドルやらに興味のあるグループ。もう1つはアニメやマンガなどが好きなグループ。

ソラミは前述したとおり無所属であるがどちらかというと後者の子たちと絡んでいる。

人間に全く興味ないからね。うん。

その後者のグループはリョウナ、トモカ、ナナ、リンの4人グループ。しかしこの日はトモカが1人で弁当を食べていた。

…あれ??と思ったがその日はそれほど気に留めず、さっさと弁当を食べ、図書室へと走っていった。

ソラミは昼休みの教室が大嫌いなのである。うるさいからね。

図書委員のソラミは本を借りたり読んだりする他、図書室に飾る季節の装飾品を作ったり新着本にカバーみたいなのを貼ったりする。

超不器用だからひどい仕上がりになったりするけどね。

「あ、もうすぐ掃除だから帰りまーす」

と教室へ。

途中、中庭で歯磨きをしているリョウナ、ナナ、リンの3人に会った。

ちなみにこの学校校舎の構造上教室の前に水道がない。

そのため歯磨きするのだけでもわざわざ3階から1階の中庭まで行かないといけないのである。

・・・あれ?それから教室へ帰るとトモカが1人で座っていた。

もともとこのグループは最近リョウナ&リンとトモカ&ナナに分かれていたのでナナがリョウナたちのほうへ移ったんだと思う。

こういうようなグループでいろいろあったりするもんだからソラミはいつまでたっても女子が苦手なのである(女子のくせに)

このことは次の日もその次の日も続いた。

その次の日、ソラミいは登校中にナナと会った。そして一緒に登校することに。

「ナナちゃん、何で最近ナツノさんと一緒に居ないの?」

直球に聞いてみた。

遠まわしに聞くことのできないソラミである。

「あ、別にけんかした訳じゃないよ。ただね、トモ人の話聞かないし自分の話ばっかしてるから。リョウナちゃんもお嬢様だから自慢話多いけどまだ私の話聞いてくれるからまだこっちいたほうがいいかなって。」

ちなみにリンはたいがい聞き役です。

the女子です。簡潔に言うと「一緒に居るのがイヤになった」ってやつ。

女の子なんだな。みんな。

そしてその日の昼休み。

いつものように1人で弁当を広げようとすると、

「カーワダさーん一緒に売店行こ」

「うんいいよ」

そして一緒に行った。やはり昼休みの売店は混んでいるし(遠いし)それに加えて売店の美人で可愛いお姉さん(おばちゃん)(一応子持ち。中学生の娘がいる。ちなみにマソラの隣のクラスに…)と喋ろうとする人もいるしね。そしてトモカのジュースをどうにかゲットして一緒に教室へ帰った。

ちなみにソラミは金がないためジュースは買わなかった。

「ねえさあ最近なんでナナちゃんたちと一緒にいないの?」

こちらにも直球で聞いてみた。

「何か人とかかわるのめんどくさくなった。グループでいるよりまだぼっちのほうがまし。」

「その気持ち分かる!私も一匹狼暦5年だもんね」

教室へ帰り2人はそれぞれ自分の席で1人で弁当を食べた。

そして午後の授業、部活…。と過ぎて行き下校時刻。

ソラミはあえて車のほとんど通らない道を通学路にしているため(車の多い通りなら絶対事故しそうだから)外灯もほぼない。

暗い畑や田んぼ、林を通り抜けているとき

「おい」

「わ、びっくりした!もう少しで畑に落ちる所だったじゃん!!暗闇で急に声掛けないでよ」

天の声だった。

「お前運転へたくそ。それに暗かろうが暗くなかろうがどうせ俺の姿は見えないんだから」

「そ、そういう問題じゃないでしょ。一体何?」

「あのさ、トモカ戦士に誘ったら?」

「えー…。あの子結構、現実主義者リアリズムだよ。世界の破滅とか行っても信じてくれる訳ないじゃん。」

「まートモカの性格からいくとそうだけど、ま、誘え」

「は?だから…」

「問答無用!!」

「え~」

誠に自分勝手な天の声である。

翌日昼休み。この日は図書室の先生の都合で昼休み図書室が開いてなかったので渋々教室で読書することに。

そしてみんな部活やら歯磨きやら他のクラスへ遊びに行ったり(他のクラス本当は立ち入り禁止)で、運よくトモカと2人きりになった。36人いるクラスで2人きりになるとかなかなかないこと。

他のクラスにいった人たちが友だち引き連れて帰ってくるとか言う心配もあまりない。

なぜならこの学校の構造ちょっと変わっていて「校舎と職員室が科ごと」まず全学年1,2組が同じ校舎。1,2組は大変頭のいい科のため校舎もやけにきれい。英語の先生は2-2の先生なので以前その校舎へ立ち入ったが滑るかと思った。

次は全学年3組の校舎は図書室と保健室とパソコン室と4~6組実習室以外の特別教室のある校舎の3階。

一番新しい科である。

校舎は1,2組の方が新しい気がするが。

そして職員室が真下なためうるさくするとばれちゃいます。

そして全学年4~6組が同じ校舎。この校舎はかなりボロく、壁紙がはがれたり教室の看板が傾いたり黒板が変形したりしているそうだ。

つまり3組だけが同学年の他のクラスとのつながりのない「陸の孤島」なのである。

体育だけは4組と一緒だが…。

そしてソラミは地元人なのにクラスに同中がいない。

1年生のときは寂しくて寂しくてしょうがなかった。

今でも寂しい。

中学校に帰りたいと思ったりする。

そして1人で携帯をいじってる(これも禁止)トモカに声を掛けた。

「ナツノさん」

「何?」

「あのさあ、もうすぐ世界が破滅するんだって」

「あー。あの映画?1年の最後の現文のときみたやつ。あれ最後のときDVD借りてた誰かさんがインフルだったから結末どうなったのか気になる。てか作り話だし」

「え、違う」

「でも人間こんな生活してるんだからいずれ破滅するでしょ。どうせ」

「だからそれを食い止めるために私と一緒にせ…」

ガラッ。

ドアが開きサッカー部の男子共が帰ってきた。

2-3のサッカー部は5人いる。しかもこれまた個性的な子たちばかり。

全然学級委員長らしくない学級委員長や男子のカワダも。

しかもサッカー部全員寮生である。ちなみにここ、私立高です。

ちなみに最初に申したとおりカワダが3人いるこのクラス。

ソラミ、センリ、セイヤ。

よく考えたら3人ともイニシャルが同じ。

そしてたまに3人まとめて「2-3カワダ3姉弟」と呼ばれる。(ちなみに誕生日の順はセンリセイヤソラミ)

そしてこの3人はお互い下の名前で呼びあっている。

そして英語の先生に「ソラミはセイヤが好き」とへんな誤解をされている。

「あーソラミ。お前何でいるの」

「図書室開いてなかった。てか何でいちゃいけないみたいな言い方なの?」

「誰もそんな子と言ってねーだろ」

と言い残しサッカー部5人でギャーギャー騒ぎ始めた。

「で、カワダさんさっき何言おうとしたの?」

「ううん。なんでもない。掃除行ってくる」

そうやって掃除場所まで駆けていった。

掃除場所が職員室だから早めに行かないと…。

そして職員室の中の職員専用水道担当。確かこの水道は生徒使用禁止だった気が。

で、先生たちしか使わないのに生徒が掃除。先生たちが掃除すればいいのにね。

放課後。ソラミは天に言った。

「ナツノさん誘うの無理そうなんだけど」

「俺はトモカが戦士になりそうな気がする。せーんーしーになってください。10文字じゃん。」

「だからそんな非現実的なこと…」

「その非現実的なことが今ソラミに降りそそいでんじゃん。16歳だよ。まだ夢とか見てもいいんじゃないの?」

「これって夢って言わないでしょ」

「いーの」

「良くねえよ」

「例えばサアエコバック持ち歩くとか省エネとか…。他にもいっぱいあるだろ。地球のためになることが」

「何か会話かみ合ってない。てか何で急に現実的になってるの?」

「ソラミが非現実的とか言うから。」

「それにエコバックは帰って環境に悪いって中学校のときの技術の先生が言ってた(本当かどうかはいまだ謎)そういうエコは生徒会がしてると…」

「生徒会に任せていいのか?」

「任せておけないよ。うちのクラスのトナコとハリノくんが生徒会入っちゃったからどうなることやら…生徒会2年目のアラカワくんもなーんか頼りないし…」

トナコ、ハリノ。クラスでもうるさいコンビ。というよりうちのクラスの男子っておとなしい子いないような。ハリノはまだマシだがトナコは授業中もうるさい。クラス全員+先生も冷めてしまうことも。

「空気を読まないのか本当に読めないのか分からない」

少し前ボソッと言ったらノダに後ろから

「お前にだけはいわれたくないと思うよ」

と言われた。

先生相手にずっと喋っていたり(それの相手する先生もどうかと思うが。無視する先生もいるけどね)

教科書ふざけて読んだりわざと違う答え言ったり・・・。

また平気で女の子を傷つけることを言ったりする。ヒトが一番気にしていることを平気でグサッと。

逆になぜそういうやつを生徒会に入れたのか先生たちや元生徒会の人たちの心情を知りたい。

しかも驚くべきことにトナコはクラスの男子で一番頭がいいのだ。国語以外。

国語はめっぽう苦手らしい。

ハリノも2番か3番だから恐らく成績だけを見て入れたんじゃないのかな??

ちなみにアラカワの成績の程はソラミは知らない。

「まあさすがのあいつらも生徒会の仕事だけはちゃんとするでしょ。だけは。とりあえずもう一回トモカ誘え。トモカが戦士になったらマサトの眠りも解けるだろう」

「それ本当?」

「たぶんな」

翌月曜。ソラミは勇気を出して言ってみた。

「戦士になってください」

「戦士?何それ?」

「何かもうすぐ世界が破滅するからそれを食い止めるには5人の戦士が必要で…。だからお願いします」

「世界は何もしなくてもどうせいつか終わるしそれに破滅したらそん時はそん時。以上」

と言って寝てしまった。

「ナツノさん昨日何時に寝たの?」

「昨日じゃない。すでに今日だった。4時前くらいかな?」

「何してたの?」

「携帯いじってた」

「いや早く寝ようよ」

「眠れないんだって。11時くらいからずっとベッドでいじってた」

それでもなぜかトモカは視力はいい。

「それで起きたのは何時?」

「7時ごろ」

この学校、7時35分から朝補習始まります。去年は45分からだったのになぜか10分早くなってる。

「だから今日ちょっと遅刻気味だったんだね…」

トモカは寝ていたのでソラミは起こさないようにそっと廊下へ出て本を広げた。

そして天に行った。

「ちょっと無理みたい」

「ま、でも誘ってみてよかったんじゃないの?ソラミがヒトを誘うのって人生初じゃないの?16歳11ヶ月にして」

本当にそうかもしれない。ソラミは16年11ヶ月間生きてきて今までにヒトを誘ったという「記憶」がない。

小学生の時の遠足も友達から

「ソラー。一緒に弁当食べよう」

と誘われるのを待っていた

中学校のときの遠足もなぜかバスで2時間も動物園に行ったのだが図書室友達に誘われるのを待っていた。

ちなみにその図書室友達も人付き合い苦手みたいでした。

何だかんだいって幼稚園から中学校までは友達いたんだな。ソラミって。数は少なかったけど。

イナカだから幼稚園からずっと一緒って子も結構いっぱいいる。

光の丘幼稚園→谷川小→谷川中

と進んだ。

谷川町には幼稚園は1個しかなかったからね。

保育園は2個あったけど

で谷川小。

中学校は谷川小(3クラス)の全員と竹川小(1クラス)と合わさるだけ。

まみんな顔なじみってかんじ。

ちなみにクラスは違うが幼稚園から山丘高までずっと一緒って子もちらほらと…。

でも2-3は谷川中は1人だけだ。

しかも3年間クラスがえないし。

ほとんど知っている人がいない中に1人で飛び込んでいく。無謀なことをした。

コミュニケーションが苦手なソラミはスタートダッシュに失敗し未だに友達ができずにいる。

「まー一歩前進ってことで。もう一回トモカ誘ってみる?」

「うーん…。」

「これはソラミが決めることだ。じゃ」

「あ、ちょっと…」

そして天の声は消えた。

「どうしようか…。」

キビノも起こさないといけないし。

そしてその日の部活。

「最近1-1トリオこないね。コウ、何か聞いてない?」

1-1の3人アヤミ、カノン、キビノは地区大会終わってから1回も部活に来ていない。

「さあ…。テストの訂正とか忙しいんじゃないんですか??」

1-1はかなり優秀な科なのでテストも難しいし宿題もかなり多い。

「…でところでコウは訂正終わったの?」

「…まだ英語が…」

「期限いつまで?」

「先週の金曜日まで…です」

「はあ?やっちゃいなさいよ。今。てか宿題出さないと部活行っちゃいけないって知ってる?」(卓球部の決まり第二条)

「え、そうなんですか?」

「そうなんですか。じゃないよ。今日はもう家に帰って訂正しないさい」

「はーい」

渋々コウタは帰った。

1人。ボロくて倉庫みたい。卓球台も2台とも壊れていて板で補強してある。

作り付けの棚の上に腰を下ろす。

足をぷらぷらさせながら呟いた。

「世界の破滅かぁ…」

ふう。何で私が戦士なのかな?

そして壁に貼ってある紙を見つめた。

卓球部のおきて

一、校則を守ること

二、宿題を期限以内に出すこと

三、小テストで再テストにならないようにすること

四、弁当は昼休みに食べること

五、挨拶をきちんとすること

4条は明らかにソラミのせいでできた決まりである。

ちなみにこれが守れなければ部活停止1日になるのだ。

「さて、サーブ練でもしとくか」

1人サーブ練。すると先生が来た。

「あれ、みんなは?」

「1-1トリオは来てません。コウタは英語の訂正期限過ぎてるのに出してないみたいだったので帰しました」

「・・・で、ソラミはもう訂正終わったのか?」

「当たり前じゃないですか」

「あれー?数学出したっけ?」

「出しましたよ。期限の3日くらい前に」

「そうだったけ?職員室に帰って名簿見れば分かるけどね。他の教科もちゃんとした?」

「はい」

「ならよろしい。今日はもう暗いから帰りなさい」

「はーい。ありがとうございました」

そうしてソラミは帰宅の道へと急いだ。

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