表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

ことの始まり、天の声。

昼12時。町の防災無線の「エーデルワイス」が流れる。窓を開け放しておくと本当によく音が響くのだ。風向きにもよるが。

ここまでは普通。ちなみに日本史の時間だった。この日は「天平文化」について。

「えー。日本書紀は誰が編纂したでしょうか?」

そのときだった。

「世界は破滅する」

「え、誰かなんか言った?」

「うん。ソラミちゃん今当たったよ」

「え??」

「だから日本書紀編纂したのは誰かって」

「えっと…ああ、舎人親王。」

「はいそうです。ちゃんと人の話は聞いとこうなー。カワダソラミさん。」

「すいません・・・」

ちなみにこの地域はカワダという姓が多いと言うわけではないがなぜかクラスにカワダが3人いるのであった。

日本史が終わり昼休み。クラスのみんなは仲良しグループに分かれて食べる。

ソラミはクラスの女子で唯一の無所属なので廊下に椅子を出して食べた。秋晴れの田舎らしい空が広がっていた。その時だった。

「世界はもうすぐ破滅する。1時までに図書室へ行け」

「…あんた誰?」

「誰でもいいだろ。いいから図書室へ行け」

強い口調だった。

そして教室に戻りみんなに言った。

「世界がもうすぐ破滅するから図書室行けだって」

しかし教室を見渡すと残っているのは5~6人だった。

後ろの席のノダが言った。

「っせえ、な訳ねーだろ、この中2病が!!」

「お前に言われたくねーし」

ノダはクラスで1,2位を争うほどのオタクである。

ちなみにソラミも若干オタク気味である。

「さっさとどっか行け!」

「もう知らない。一人で図書室行ってくる!」

ちなみにこの学校の図書室、教室から一番離れた校舎の4階にある。

そして校舎の構造上、渡り廊下もない。

走り気味で図書室のある校舎に行くと1階の階段に

「本日図書室休館」

とチラシの裏に書いてある紙が貼られていた」

「えーーーーーーーーーーーーー」

じゃあどうすればいいんだよ。

とりあえず教室に戻ることに。

時計を見ると12時50分。

「あと10分しかねーじゃん」

天に向かっていった。

「図書室開いてなかったんだけど」

しかし天は答えてくれなかった。

人を散々怖がらせておいて完全無視。そりゃないだろ。

どうにかできないものか。どうすればよいのか。

ソラミは中庭で枝を拾い、また階段を駆け上がった。

「もう時間がない。どうしよう。」

「っせえ、まだ言ってんのかよ、カワダソラミ!」

そして蹴られた。

「ってーな。何すんだよ!」

「俺蹴ってねーし。俺が足出したらお前が勝手に突っ込んできたんだろ。」

そのやり取りをしていたのは運悪く職員室の前。馬鹿な2人である。

「何騒いでるんだ、カワダソラミ!」

「ノダくんが蹴ってき・・・」

「俺蹴ってないです。カワダさんが勝手に突っ込んできたから・・・」

「ちょっとこっち来なさい。」

そして若干説教された。担任の先生に。

そして放課後部活に行く前ソラミは天に向かって叫んだ

「ちょっと!!今日世界破滅しなかったんだけど!」

「誰も今日破滅するとは言ってないだろ。今日はまだ大丈夫…なはずだが、いずれ世界は破滅する。破滅を食い止めるには…。ソラミ」

「はい」

5人の戦士を集めなさい。いいな」

「・・・はい」

ソラミは困った。どうすればよいのだろうか。

もともとコミュニケーションが苦手なソラミ。

人に易々と「戦士になってください」と頼めるはずがない。

「・・・まず部活に行くとするか」

そして卓球場へ向かった。

大会三日前。しかし誰も来てなかった。

「しゃーねーな」

着替えて壁打ちしていると後輩のうちの1人、コウタが来た。

「コウ、あとの3人は?」

「あーテストも近いですし勉強してから来るって言ってました。」

「ん、わかった」

それから1時間後、3人は来た。


言い忘れていたがソラミは部員5人の卓球部の唯一の2年生。そして部長である。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ