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Re:winDriv:eR《リワインドライバー》~人類転生計画~  作者: 長月 鳥


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4/10

不快な記憶

 気がつくと、俺はコンビニ前の交差点に立っていた。

 ばあちゃんのために買ったおでんが手から滑り落ち、次の瞬間、俺はその場で吐いてしまった。

 全身の震えが止まらない。涙も勝手に溢れ、耳の奥には、まだ断末魔の叫びがこびりついている。

 夢だと思いたかった。だけど、体の反応がそれを許してくれない。

 荒い息をどうにか整え、嘔吐物を片づけるためコンビニへ向かおうとした、そのとき、俺の名を呼ぶ声がした。


 未来だ。


 その瞬間、不快な記憶が脳裏によみがえる。

「来るな。そこで止まれ」

 胃液のにおいがこびりつく喉で、俺は叫んだ。

 信号を渡る途中、トラックが突っ込んでくる光景がフラッシュバックする。

 これはデジャブでも予感でも無い。

 俺はここで未来を庇って死んだ。確実に。

 それを回避する方法はひとつだけ。二人とも動かず、やり過ごすこと。

 幸い、俺の叫び声に驚いた未来は、その場で立ち止まっていた。

 それでいい、そのまま動くな。


 俺は道路の先へ視線を向けた。

 その瞬間、背筋を悪寒が駆け抜ける。

 夕日に照らされたトラックの運転席。運転手は大きめのフードを深くかぶっていて、顔までは見えない。だが、口元だけはハッキリ見えた。

 そいつは、笑っていた。

 そして、次の瞬間、ハンドルを乱暴に右へ切り、車体を未来の方へ向けた。


 俺は反射的に駆け出していた。

 間に合うはずがないのに──そう思ったが、自分でも信じられないほどの速度で体が前に出る。


 地面を蹴る足の力。筋肉がしなり、速度が増していく感覚。

 まるで、自分の肉体が異世界にいた頃のアルスに戻ったみたいだった。


 俺は未来の体を突き飛ばした。

 直後、あの言葉では言い表せない衝撃が、再び全身を貫いた。


「輪祢くんっ、輪祢くんっ!」

 未来が泣きながら、俺の体を揺さぶっている。

 無事で良かった──

 その一言すら口にできないまま、視界が真っ暗になった。

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